青木三兄弟の、三男・治親が代表理事を務めるSSPは、その実兄である次男・拓磨のバイクに乗るプロジェクト「Takuma Ride Again」を経て活動を展開してきたが、事故などでバイクを降りてしまった元ライダーのバイク再デビューを支援するため、2020年6月から障がい者を対象に「パラモトライダー体験走行会」を開催してきた。その体験走行会の先の一つの目標として、SSP設立当初から構想にあった、箱根ターンパイクを占有してツーリングするイベントを成功させている。
その感動のイベントから約ひと月後には日本ミシュランタイヤの太田サイトでのパラモトライダー体験走行会を行い、さらにそこから半月後、今度はさらなる活動を展開した。それが一般健常者との混走によるサーキット走行会に参加するというものである。それが、10月30日(日)に静岡県にある富士スピードウェイで開催された「MOTO GENERATIONS in FUJI SPEEDWAY 2022」である。これは、MV AGUSTA JAPANが主催するイベントで、MVアグスタのオーナーが集まり、富士スピードウェイの本コースを走行するイベントとなっている。MV AGUSTA JAPANは以前からこのSSPのパラモトライダー体験走行会へ車両提供をしており、今回もMVアグスタ・ジャパンからの誘いもあって実現したもの。
この「MOTO GENERATIONS in FUJI SPEEDWAY 2022」では、参加者を3つのクラスに分け、走行会を行っている。脊椎損傷による下半身不随の障がいを持ったパラモトライダーが6名、そして右足大腿部切断のパラモトライダー1名の合計7名のパラモトライダーは、クラス分けされた内の初心者クラスの走行枠に参加。いずれも箱根ターンパイクで行なわれた「やるぜ!箱根ターンパイク」に参加している面々である。
MVアグスタのDRAGSTER 800 RRやSTRADALE 800を始めとする4台の大型車両を、今回の走行用にSSPが用意。その車両にはシフト操作を手元で行なえるようにカスタムしている。そのハンドシステムは、左ハンドル周辺に装備したスイッチを使い、シフトのアップとダウンのボタン操作をすることで、シフトペダル付近に備えているアクチュエーターを動かし、直接シフトペダルの操作を行う。足は自転車競技などで使用されているビンディングを使い、ステップとブーツを接続して固定。膝が開いてしまうことを制御するためのシートベルトで大腿部も固定する。
青木三兄弟の長男・青木宣篤氏と全日本ロードレース選手権に参戦してきた今野由寛氏が先導を担い、先導車1台に付き2名ずつ引っ張る形で、走行枠ひと枠で4台が走行を行なった。このパラモトライダーをサポートするボランティアスタッフは、今回30名ほどが集まったが、同時に4台がコースインし同時にピットに戻るため、ボランティアスタッフも4台それぞれにつき、バイクを支えることとなった。走行枠は初心者クラスと言いながらも、追い抜きも可能な走行会となっている。その中でパラモトライダーも先導車付とはしながらも、健常者と一緒になって自由に走行をすることとなった。
秋も深まり、冠雪した富士山、そして富士スピードウェイの周囲の山々もしっかり落葉となり、早朝は少々肌寒い気候であったものの、快晴という素晴らしい天候の下、「MOTO GENERATIONS in FUJI SPEEDWAY 2022」は開催となり、7名のパラモトライダーは、富士のコースを堪能した。
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