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レース・イベント

日本ミシュランタイヤ全面協力 開発拠点でパラモトライダー走行会開催!
9月11日に開催となった、障がい者が一般公道をツーリング走行した『やるぜ! 箱根ターンパイク』の感動から約ひと月。2020年6月から障がい者を対象に毎月のように開催されている『パラモトライダー体験走行会』が再び開催となった。今回の舞台は日本ミシュランタイヤの開発拠点である太田サイトである。
■取材:青山義明 ■写真:一般社団法人サイドスタンドプロジェクト ■協力:一般社団法人サイドスタンドプロジェクト






 ロードレース界でのレジェンドである青木三兄弟の三男・治親と長男・宣篤が立ち上げた一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)の展開しているイベント『パラモトライダー体験走行会』が、10月15日(土)、群馬県太田市にある日本ミシュランタイヤ 太田サイトで開催された。この太田サイトは、1991年から続く、日本ミシュランタイヤの開発拠点。2023年8月までに主要部門をこの群馬県太田市に移転予定となることが昨年末に発表されているが、今後、日本のミシュランタイヤの本拠地となる予定の場所である。
 

今回は日本ミシュランタイヤの社員さんを中心に約30名のボランティアスタッフにより開催されたパラモトライダー体験走行会。

 

新施設「ミシュラン AMアトリエ」では積層造形技術(金属3Dプリンター)の見学が、SSP参加者にも許された。ミシュランタイヤの技術の一部を知ることもできた。

 
 今回は、その日本ミシュランタイヤの社内イベントとして、初開催となった『わくわくフェスティバル2○22』にジョイントする形で、SSPの体験走行会が開催された。この『わくわくフェスティバル 2〇22』は、社員に向けて、社員同士の交流を深め、ミシュランのビジョンや活動の認知を図るために開催されたもの。新製品やソリューションの解説、そしてレーシングカーの展示、金属積層造形アトリエの見学やワークショップなどが行われた。日本ミシュランタイヤは、SSPの活動を以前から積極的に下支えをしているサポート会社のひとつ。そのイベントに組み込まれた形となった。
 

今回で21回目の開催となったパラモトライダー体験走行会。これまでさまざまな場所で開催され、数多くのパラモトライダー、そしてボランティアスタッフを輩出している。

 
 SSPは、1998年にGPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされた元WGPライダーで兄弟の青木拓磨を再びバイクに乗せようという活動がスタートし、現在ではバイク事故などによってバイクを降りざるを得なくなってしまった方々を対象に、再びバイクの楽しさを取り戻してもらいたい、とパラモトライダー体験走行会を積極的に開催している。そしてこの9月には一般公道を使って障がい者によるツーリングとなる『やるぜ!箱根ターンパイク』( https://mr-bike.jp/mb/archives/32793 )も実施し、積極的な活動を展開している。

 このパラモトライダー体験走行会は、SSPが試乗するマシンを用意する。その障がいによって車両はセミカスタムされることになるが、下半身不随などの状態の場合はハンドドライブユニットを装着した車両を使用するし、視覚障がいなら転倒防止用のアウトリガーとヘルメットに装着したインカムで走行指示を出す、といった具合だ。障がいの状況とは別に、走り出しと停止直前にバイクを支えるためのボランティアスタッフが付く。さらに体験者にはヘルメットやスーツ、ブーツにグローブなど、ライディングギアについても無償貸与で走行会を行っているのだ。
 

バイクはバランスが取れることが重要ということで、実際にバイクに乗る前にSSPがオリジナルで製作した自転車でバランス取りの練習を行なった。
今回初参加となるボランティアスタッフは、まずベテランスタッフらからレクチャーを受け、実際にどのような動きとなるのかを理解したうえでこの日の走行会に臨んだ。

 
 今回参加するのは、下半身不随、視覚障がい、右半身麻痺といった障がいを持つ3名(事前に予定していたのは5名だったものの、2名がコロナ感染により参加辞退となってしまった)。一方、この活動を支えるボランティアスタッフについては、ミシュランの社内イベントということもあって、一部のSSPベテランスタッフ以外は、日本ミシュランタイヤ社員を中心に募集となった。日本ミシュランタイヤはこれまでの体験走行会でもボランティアスタッフの派遣も行っており、そのSSPボランティア経験者がボランティア初心者を指導しながらパラモトライダーをサポートした。
 

今回3回目の参加となったのは、盲導犬(セル)と一緒に参加した視覚障がい(全盲)の竹村雄一さん。

 

まだバランスを取ることが課題で「バランスをとる練習をもっと行いたい」と竹村さんは意気込む。

 

今回SSPパラモトライダー体験走行会に初参加となった合田さん。

 

バイクに乗る前は、10数年ぶりのオートバイに緊張と興奮が隠しきれない様子だったが、走行すると感覚を戻したようで、走行を楽しんでいた。

 

約1年ぶりの参加となったのは、右半身麻痺の早岐さん。

 

今回デューク250での走行をクリアし、ステップアップで大型オートバイに乗って無事に太田サイトの敷地内外周路で安定した走行を披露した。

 
 そして10月30日(日)、MV Agusta Japanが主催する「MOTO GENERATIONS in FUJI SPEEDWAY 2022」が静岡県にある富士スピードウェイで開催される。次回のSSPパラモトライダー体験走行会は、このイベントとコラボレーションとなり、健常者との混走でサーキット走行を予定している。
(レポート:青山義明)
 

SSPの青木治親代表理事、青木拓磨SSP専属パラモトライダー、青木宣篤SSPテクニカルアドバイザーの青木三兄弟がそろって参加となった。

 



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2022/10/27掲載