ロードレース界でのレジェンドである青木三兄弟の三男・治親と長男・宣篤が立ち上げた一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)の展開しているイベント『パラモトライダー体験走行会』が、10月15日(土)、群馬県太田市にある日本ミシュランタイヤ 太田サイトで開催された。この太田サイトは、1991年から続く、日本ミシュランタイヤの開発拠点。2023年8月までに主要部門をこの群馬県太田市に移転予定となることが昨年末に発表されているが、今後、日本のミシュランタイヤの本拠地となる予定の場所である。
今回は、その日本ミシュランタイヤの社内イベントとして、初開催となった『わくわくフェスティバル2○22』にジョイントする形で、SSPの体験走行会が開催された。この『わくわくフェスティバル 2〇22』は、社員に向けて、社員同士の交流を深め、ミシュランのビジョンや活動の認知を図るために開催されたもの。新製品やソリューションの解説、そしてレーシングカーの展示、金属積層造形アトリエの見学やワークショップなどが行われた。日本ミシュランタイヤは、SSPの活動を以前から積極的に下支えをしているサポート会社のひとつ。そのイベントに組み込まれた形となった。
SSPは、1998年にGPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされた元WGPライダーで兄弟の青木拓磨を再びバイクに乗せようという活動がスタートし、現在ではバイク事故などによってバイクを降りざるを得なくなってしまった方々を対象に、再びバイクの楽しさを取り戻してもらいたい、とパラモトライダー体験走行会を積極的に開催している。そしてこの9月には一般公道を使って障がい者によるツーリングとなる『やるぜ!箱根ターンパイク』( https://mr-bike.jp/mb/archives/32793 )も実施し、積極的な活動を展開している。
このパラモトライダー体験走行会は、SSPが試乗するマシンを用意する。その障がいによって車両はセミカスタムされることになるが、下半身不随などの状態の場合はハンドドライブユニットを装着した車両を使用するし、視覚障がいなら転倒防止用のアウトリガーとヘルメットに装着したインカムで走行指示を出す、といった具合だ。障がいの状況とは別に、走り出しと停止直前にバイクを支えるためのボランティアスタッフが付く。さらに体験者にはヘルメットやスーツ、ブーツにグローブなど、ライディングギアについても無償貸与で走行会を行っているのだ。
今回参加するのは、下半身不随、視覚障がい、右半身麻痺といった障がいを持つ3名(事前に予定していたのは5名だったものの、2名がコロナ感染により参加辞退となってしまった)。一方、この活動を支えるボランティアスタッフについては、ミシュランの社内イベントということもあって、一部のSSPベテランスタッフ以外は、日本ミシュランタイヤ社員を中心に募集となった。日本ミシュランタイヤはこれまでの体験走行会でもボランティアスタッフの派遣も行っており、そのSSPボランティア経験者がボランティア初心者を指導しながらパラモトライダーをサポートした。
そして10月30日(日)、MV Agusta Japanが主催する「MOTO GENERATIONS in FUJI SPEEDWAY 2022」が静岡県にある富士スピードウェイで開催される。次回のSSPパラモトライダー体験走行会は、このイベントとコラボレーションとなり、健常者との混走でサーキット走行を予定している。
(レポート:青山義明)
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