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レース・イベント






EICMA2025の振り返りの後編です。海外メーカーや用品メーカーの展示などを紹介しましょう。
■文・写真:河野正士

■BMW

 毎年5月にイタリア北部のコモ湖で開催されているコンクールイベント/コンコルソ・ディ・エレガンツァ・ヴィラ・デステで、毎年コンセプトバイクを発表しているBMW Motorrad。そのコンセプトモデルは、次期市場投入モデルであり、なかでもBMW Motorradにとって重要な使命を背負ったモデルであることから毎年注目が集まっています。2025年のそのイベントで発表されたスーパースポーツのコンセプトモデル「Concept RR(コンセプト・アールアール)」が、EICMA2025にも展示されていました。切削痕が残ったアルミ削り出しパーツや溶接痕も生々しい各種パーツが装着されていて、レーシングバイク的な迫力を纏っていました。

#EICMA2025
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 その「Concept RR」の展示エリアの反対側にも、ユニークなバイクが展示されていました。かつて欧州ではカスタムバイクのストリートドラッグ選手権が行われていて、そこに参戦していたようなスプリントレーサー/TITAN(タイタン)です。ベースマシンはR1300R。エンジンはストックのまま。フレームは、サブフレームはワンオフしていますが、メインフレームはスタンダードのまま。エンジンECUや駆動系もスタンダードのままです。
 このマシンを製作したフィリップ・ルドウィングは、元BMWの四輪シャシーの開発エンジニア。現在はBMW Motorradに移籍し、同じくシャシーの開発エンジニアとして各種モデルの開発に携わっています。そのフィルは、かつて自作のBMW Motorrad製スプリントレーサーで、ストリートドラッグ選手権に参戦していたのです。このTITANは、3Dプリンターなども駆使し、短時間&低コストで製作されたそうです。

#EICMA2025
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■Royal Enfield

 いくつかのニューモデルを発表したロイヤルエンフィールド(RE)ですが、プレスリリースには掲載されていないモデルも展示されていました。それがこの2台。コンチネンタルGT750とヒマラヤ750です。
 インドのメディアを見ているとスパイショットが出まくっているので知ってる方もいるかもしれません。とくにヒマラヤ750に関してはREのCEOがコレに乗ってヒマラヤに行っちゃってるし、それがオフィシャル画像として公開されてますから。

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 750エンジンの詳細は発表されていませんが、見た目は現在発売されている排気量650ccの並列2気筒エンジンと変わりありません。しかしコンチネンタルGT750はリア2本ショック、ヒマラヤ750はモノショックなので、リアフレーム周りが違っているのかもしれません。
 現在ラインナップされているベア650が発売されたときに、倒立式フロントフォークの採用によってフレーム前周りとリア周りを強化していましたので(ベア650はリア2本ショック)、もしかしたらヒマラヤ750も見越してフレーム周りを強化したのだろうか、と勘ぐってしまいました。とはいえ、この2台についてはREから正式な発表を待つしかありません。

■CFMOTO

 個人的にはEICMA2025でもっとも輝いていたブランドだと思っているCFMOTO。イベント開催期間を通して来場者が多く、ブースの前を通ると常に人だかりで展示バイクが見えない状態でした。
 その要因が、この「V4 SR-RR PROTOTYPE」です。昨年EICMA2024で展示した排気量1000cc90度V型4気筒のコンセプトエンジンも発表。カウンターローテーティングクランクシャフト(要するに逆回転エンジン)を採用。エンジン単体で61.5kg、154kW@14,500rpm、114Nm@12,500rpmと発表されていました。
 この「V4 SR-RR PROTOTYPE」は、そのコンセプトエンジンを搭載したモデルと言うわけです。EICMA2025で配布されたプレスキットの中には、2024年に発表したコンセプトエンジンであるとは明確に書かれていませんが、エンジンは排気量997ccで最高出力210馬力を発揮とあるので、コンセプトエンジンとほぼイコール。しかもユーロ5+適合と書かれているし、プレスキットのなかにはサーキット走行写真も含まれているので、欧州メディアが騒いでいるスーパーバイク世界選手権参戦という噂も、完全に否定できないという感じですね。
 しかもプレスリリースによると、セミアクティブサスペンションをはじめとする各種先進的な電子制御アーキテクチャを搭載しているとのこと。なかでも注目を浴びたのは、電子制御のアクティブ・エアロウィング。詳細は発表されていませnが、走行状態に合わせて左右のフロントウイングが独自に動くというものです。展示車も時々ウイングが動いており、動くたびに「V4 SR-RR PROTOTYPE」を囲んでいた観客がざわついていました。

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■MV Agusta

 すでに各メディアに写真や詳細が出ていますのでご存じの方も多いと思いますが……これがMVアグスタの5気筒コンセプトエンジン/クアドラートです。プレスキットに含まれていたテキスト要約すると以下になります。
「スーパースポーツからネイキッド、ツーリングモデルを再定義するための新しいプラットフォーム。排気量850〜1150ccを想定。16000rpm以上で240馬力、8500rpmで135Nmのトルクを発生。エンジン単体重量は60kg未満。電動ウォーターポンプと電動オイルポンプを装備。独自の5気筒点火順序により、可変バルブタイミングを必要とせず卓越したトルク特性と乗りやすさを実現。特徴的な5気筒エンジンは、フロント3気筒、リア2気筒。フロントとリアのクランクシャフトを「U」字型に配置。直列4気筒よりスリムでV型4気筒よりコンパクト」。

 コンセプトモデルに冷たいEICMA来場者からは、さほど熱い視線を浴びていませんでしたが、クリアボックスに収められたエンジンはとにかく美しかったです。ただし、よく見るとエンジンはモックアップでした。それにシリンダーヘッドカバー上部の穴が吸気ポートであり、ここにスロットルボディやインジェクターがセットされるとどうなるんだろう……などなど、想像が追いつかない部分も多数ありました。

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■BENDA

 中国発のもうひとつの注目ブランドがBENDA(ベンダ)です。ここ数年、EICMAで見る車両やSNSで流れてくる車両映像が、なかなかに良い。全モデルクルーザースタイルなのですが、エンジンのバリエーションが豊富でデザインもモダンなのです。そしてEICMA前の重慶モーターショーで、水平対向2気筒エンジンをハイブリッド化したコンセプトモデル/P51を発表。EICMA2025にも展示されていました。P51の水平対向エンジンは、排気量250ccの水冷DOHC。モーターと合わせて最高出力62hp(46kW)、最大トルク100Nmを発揮。ハイブリッドシステムも独自開発しているそうです。

 今回BENDAの欧州のマーケティング担当者と話すことができたので、BENDAについて聞いてみました。
「創業は2016年で、我々はテクノロジーカンパニーであり、高品質を求めて開発を行っている」とのこと。
「中国・浙江省の杭州の本社のほかオーストリアにR&Dセンターを持ち、その両拠点で車両開発を行っている。現在はクルーザースタイルにフォーカスし、その車体に自社開発した多様な形式のエンジンを搭載している。クルーザーに注力する理由は、ハーレーダビッドソンを中心に多くのブランドが世界中にモデルを投入し市場が開拓されているから。そこにBENDA独自のデザインと技術を持ち込み、多くの市場で信頼を得ている。今回発表したP51に搭載したハイブリッドのモーターやシステムはすべて自社開発。自社初のハイブリッド、初の電動系プロダクトである。フラットツインエンジンを採用したのは、車体に強い個性を与えることができるから」と答えてくれました。

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 そのコメントを裏付けるかのように「DARK FLAG 500 Commander」は水冷V4エンジンを搭載しているし、「ROK707」は油圧クラッチもクラッチワイヤーも使わない電子制御クラッチを使用した、独自開発のE-クラッチ・システムを搭載していました。
 ここのところ、インドや中国のメーカーが500ccを中心としたスポーツモデル、アドベンチャーモデル、クルーザーモデルを多数開発しています。そしてそれが、徐々に世界中の市場に浸透しつつあります。BENDAは、その浸透しつつある新興ブランドのひとつなのです。

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■ITALJET

 フロントハブステアの過激なスクーターで人気のイタルジェットの新型車/ロードスター400を見たときは、映画「風の谷のナウシカ」に出てきた巨神兵を思い浮かべました。丸型フレームに収められたLEDプロジェクターヘッドライトと、新しいカタチのフロントハブステア、それにシート下のフレームワークやテールエンドに見えるリンク式リアサスペンションが、未完成のまま目覚めさせられ、ゆえに体が崩れ落ちて骨が見えた巨神兵に見えたのです。
 しかしこのロードスター400は、すでにイタルジェットのHPに掲載され市販予定車となっています。排気量を394ccにまで高めた水冷単気筒エンジンを搭載していることから、イタルジェットらしい過激な走りも期待できそうです。

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■Quin

 ヘルメット周りの新しいテクノロジーも紹介します。英国のヘルメットブランド/HEDON(ヘドン)に装着されていたQUIN(クゥイン)です。これはヘルメットに貼り付けるチップや、ヘルメットに内蔵する小型ユニット、そしてそれらと連携するアプリによって、アクシデントが起きたときのSOS発信やアクシデントの状況、アクシデント対象者の医療情報を提供するというもの。
 HEDONは「QUIN TAG」という薄型チップをヘルメットに装着。アプリを通してオーナーの医療情報を入力しておけば、アクシデント時に医療スタッフに個人情報や医療情報をスムーズに提供できるというもの。このタグは小型であることから衣類やヘルメット、シューズやさまざまなデバイスに貼り付けることができることから、さまざまなスポーツ用品や工事現場用品などにも装着されているそうです。
 小型デバイスである「QUIN POD」は小指大のデバイスをヘルメットに内蔵。アクシデントを検出すれば救急システムに自動的にアクセスし、アクシデントの場所を送信。オーナーの医療データのほか、衝撃度などのアクシデントの度合いも計測し提供するそうです。
 現在一部二輪車メーカーの車両にはSOSシステムが搭載されていて、アクシデントを関知したりSOSボタンを押したりすることでさまざまなサポートを受けることができます。この「QUIN」は、それをヘルメットなどライダーが身につけるアイテムと連動するというものです。

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 ついでと言っては何ですが、そのHEDONがクラシカルなアドベンチャーヘルメットも発表していました。

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■SILK ROAD

 イギリス生まれの新しいライディングギアブランドも発見しました。シルクロードというブランドです。彼らが東南アジアのバイク旅を行ったときに、自分たちが着たいと思うデザインと安全性を併せ持ったライディングウエアがなかったことから、自分たちでブランドを起ち上げ。そしてこのEICMAが、その起ち上げの場となったそうです。
 アイテムは、デザインはシンプルながら、素材にコーデュラやケブラーを使用。プロテクターにはD3Oを採用していて、そのままでもカジュアルウェアとして活用できそうです。

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 それでは、レポートはコレで終わりです。ありがとうございました。最後に少しだけ、EICMAを彩ったキャンギャルの皆さんも紹介します。

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2026/02/06掲載