●KAWASAKI Ninja 1000SX 車両解説
INTERMOTO 2016で発表されて話題を集めたカワサキのニューモデル群の国内発売が開始された2017年の春。Ninja 1000 ABS、Ninja 650 ABS、そしてZ1000 ABSの3モデル(これらはカワサキが2016年10月5日に「2017年春の国内市販に向けて調整中」と発表していたモデル)の第一弾として発売されたのがNinja 1000 ABSだった。
Ninja 1000は、Z1000をベースにフルフェアリングを装備した、スーパー・スポーツとツアラーの機能を併せ持つオールマイティの性格が与えられたモデルで、当時のカワサキの資料によれば、
『刺激や興奮は、時も場所も選ばない。
スーパースポーツの新しい形、Ninja 1000。
エキサイティングな運動性能と魅力的なフルフェアリングを持つスーパースポーツに、日常的に使える実用機能を持たせた、全く新しいマシンパッケージ。
パフォーマンスと実用性のベストバランスを追求したNinja 1000は、スーパースポーツ、スーパーネイキッド、ミドルクラススポーツなど、様々なモデルに満足できなかったライダーに向けた、新たなカテゴリーのニューモデルである。』
と説明されていた。
最高出力104kW(141PS)/10,000rpm、最大トルクは111N・m(11.3kgf・m)/7,300rpmを発生する直列4気筒DOHC4バルブ、総排気量1,043㏄エンジンを、シャープな旋回性能と安定感のあるハンドリングを実現した高剛性のアルミニウム製ツインチューブフレームに搭載する。基本構成はマイナーチェンジを受けた海外向けの2014年モデルの発展型といえ、パワーデリバリーの更なる向上や、空力デザインの熟成を図ったモデルだった。
そして2020年4月に新型Ninja 1000SXが登場する。まさにカワサキビッグマシン遣い達が望む“ド・ストライク”モデルの登場だった。
今やリッタークラスのマシンは、選択肢が多すぎて逆に1台のバイクに絞り込むことが難しくなってしまった。そんな中でこのNinja 1000SXは、かつてGPZ900Rが一手に引き受けていたポジションの現代版といったら言い過ぎか。当時のビッグバイクに求められていた“オールマイティ”性は、いつの時代にも通用するバイク本来の姿なのでは。
『本モデルは、スポーツツアラーモデルとして人気を博し、国内外で良好なセールスを記録してきた「Ninja 1000」の後継機であり、この度そのスポーツツアラーとしての性能を進化させ「Ninja 1000SX」として名称を変更。さらに魅力的なマシンへと変貌を遂げました。』(カワサキのリリースより)
ちなみに主な変更点は、
・片側1本出しマフラーや全灯LEDを採用した、よりスポーティ、よりダイナミックなスタイリング
・環境性能を高めた、全回転域で強力なパワーとトルクを発揮する水冷DOHC4バルブ並列4気筒1043cm3エンジン
・KTRC(カワサキトラクションコントロール)、パワーモード、それらを一元的に管理するインテグレーテッドライディングモード
・クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能にするKQS(カワサキクイックシフター)
・設定したスピードでの巡航を可能にするエレクトロニッククルーズコントロール
・シールドの形状変更によりさらに高められたウインドプロテクション性能
・快適性を高めたフロントシート
・軽快で高いグリップ性能を発揮するブリジストン社製BATTLAX HYPERSPORT S22タイヤ
・さまざまな車両情報を表示する、フルカラーTFT液晶スクリーンを搭載したインストゥルメントパネル
・Bluetoothでつながるスマートフォン接続機能
・標準搭載としたETC2.0車載器キット、グリップヒーター、DC電源ソケット
などとなっている。
同年9月には、2021年モデルとして、カラー変更が行われた。カラーラインナップは、「エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック」(GN1)と、「メタリックカーボングレー×メタリックディアブロブラック」(GY1)の2色。
2022年モデルはエメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック、メタリックマットグラフェンスチールグレー×メタリックディアブロブラックにカラーを変更。
2023年モデルは令和2年排出ガス規制への対応がおこなわれ、車体色はメタリックマットグラフェンスチールグレー×メタリックディアブロブラックに代わってメタリックマットソブリンレッド×メタリックディアブロブラックを設定。エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラックは継続された。
2024年モデルはカラーを一新。エメラルドブレイズドグリーン×メタリックマットグラフェンスチールグレー、メタリックマットグラファイトグレー×メタリックディアブロブラック、メタリックディアブロブラック×メタリックファントムシルバーの3色となった。
2024年12月にはNinja誕生から40周年を迎えることを記念して、GPZのオリジナルカラーともいえるファイアクラッカーレッドとエボニーのNinja 1000SX 40th Anniversary Editionも発売。
2025年3月発売の2025年モデルはカラーがメタリックカーボングレー×メタリックディアブロブラック、パールブリザードホワイト×パールメテオグレーの2色となったものの、新たにブレンボのフロントブレーキ、オーリンズのリアサスサスペンションを装備したスペシャルエディションのSEが新たに設定された。
今回は共にカラーを変更。Ninja 1100SXは2025年モデルのW800でも採用されたメタリックブリリアントゴールデンブラックをベースにメタリックカーボングレーのツートーン。Ninja 1100SX SEは2026年モデルVERSYS 650 で採用されたメタリックディープブルーベースのメタリックディアブロブラックのツートーンと、2025年と同色のエメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラックはグラフィックをに一新した。
カワサキ ニュースリリースより (2025年12月18日)
Ninja 1100SX / Ninja 1100SX SE 新発売のご案内
- 車名
- Ninja 1100SX/Ninja 1100SX SE(カワサキケアモデル)
- マーケットコード
- ZX1100HTFNN/ZX1100JTFAN
- モデルイヤー
- 2026年
- 型式
- 8BL-ZXT10H
- 型式
- 21185(認可通知日:令和 7 年 2 月 12 日)
- メーカー希望小売価格
- 1,782,000/ 1,991,000円 (本体価格1,620,000 /1,810,000円、消費税162,000/181,000円)※カワサキケア、ETC2.0含む含む
- カラー(カラーコード)
- メタリックブリリアントゴールデンブラック ×メタリックカーボングレー(BK1)メタリックディープブルー ×メタリックディアブロブラック(BU1) 、エメラルドブレイズドグリーン ×メタリックディアブロブラック(GN1)/
- 発売予定日
- ※メーカー希望小売価格は消費税を含む参考価格です。価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は 含まれません。
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※当モデルは ABS 装着車です。
- ※当モデルは ETC2.0 標準装備車です。
- ※当モデルの販売はカワサキプラザのみとさせていただきます。
- ※当モデルは「カワサキケアモデル」です。
2026年1月17日(土)
- 【Ninja 1100SX】
-
Ninja 1100SX は妥協のない個性を備えています。熟練のソロスポーツライダーが求める Ninja シリーズのスピリットを 受け継ぎながら、仲間たちと旅を楽しむことが出来るスポーツツーリング性能を獲得。トラクションコントロールやクルーズコン トロールなど、ライディングシーンで求められる、さまざまなテクノロジーを搭載しています。 また、優れた走行性能と、ライダーサポート機能の充実を実現。1,098cm3 のエンジンは、最適化されたギヤ比との組み 合わせにより、低中速域の心地よいパワーフィーリングを獲得しています。
また、KQS、USB Type-C ポート、 グリップヒーター、ETC2.0 を標準装備。高い快適性を獲得しています。さらにスマ ートフォン用アプリケーション「RIDEOLOGY THE APP」を使用することで、音声コマンドコントロール機能やナビゲート機 能等が利用可能。より充実したライディング体験を提供します。 - ■従来モデルから主な変更点
- 【Ninja 1100SX
- ・カラー&グラフィックの変更
- メタリックブリリアントゴールデンブラック×メタリックカーボングレー(BK1)
- ※メタリックブリリアントゴールデンブラックは 2025 年モデル W800 で採用
- 【Ninja 1100SX SE】
- SE モデルは、ブレンボ製フロントブレーキコンポーネント、オーリンズ製リヤサスペンションを装備。上質なスポーツライディン グを可能にします。
- ■従来モデルから主な変更点
- ・カラー&グラフィックの変更
- メタリックディープブルー×メタリックディアブロブラック(BU1)
- ※メタリックディープブルーは 2026 年モデル VERSYS 650 で採用
- エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック(GN1)
- ※エメラルドブレイズドグリーンは 2025 年モデル Ninja 1100SX SE で採用
- ■カワサキケアモデルとは
- 安全・安心なモーターサイクルライフをサポートするため、1ヶ月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償でお受けいただけるモデルです。https://www3.kawasaki-motors.com/after-service/kawasakicare/
- ※ホイールリムテープは別売りのRIM STRIPE APPLICATOR(57001-1752)を使用して貼り付けてください。
- ※パニアケース:片側28L、フルフェイスヘルメットが収納可能、トップケースとの併用はできません。 積載重量5kg。
- ※トップケース:47L、パニアケースとの併用はできません。 積載重量5kg
】
■アクセサリーパーツ一覧表
| 項目 | 車名 | 車名 | 備考 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 用品名 | カラー | 用品・部品番号 | 希望小売価格(税込) | 取付時間 | 備考 | |
| 1 | フロントアクスルスライダー | 99994-1276 | ¥111,110 | 0.1h | ||
| 2 | フレームスライダー | 99994-1411 | ¥19,470 | 0.6h | ||
| 3 | DC電源ソケット12V | 99994-1413 | ¥11,330 | 0.7h | ||
| 4 | メーター耐傷フィルム | 99994-1472 | ¥2,904 | 0.1h | ||
| 5 | クランクケースリングキット | 99994-2043 | ¥7,590 | 0.1h | 一台分 | |
| 6 | タンクパッド | 99994-2052 | ¥8,580 | 0.1h | ||
| 7 | ニーパッド | 99994-2053 | ¥8,580 | 0.1h | ||
| 8 | ホイールリムテープ | ゴールド/ブラック | 99994-2055 | ¥4,840 | – | |
| 8 | ホイールリムテープ | レッド/ブラック | 99994-2056 | ¥4,840 | – | |
| 9 | ウィンドシールド(スモーク) | シルバー | 99994-2057 | ¥17,270 | 0.1h | |
| 10 | ラージウィンドシールド(クリア) | 99994-2058 | ¥24,420 | 0.1h | +24mm | |
| 11 | ラージウィンドシールド(スモーク) | 99994-2059 | ¥26,510 | 0.1h | +24mm | |
| 12 | ハイシート(フロント) | 99994-1581-12Y | 99994-1048 | ¥25,410 | 0.1h | 標準シートから+16mm |
| 13 | ローシート(フロント) | 99994-1576 | ¥18,260 | 0.1h | 標準シートから-8mm | |
| 14 | ハイシート(リヤ) | 99994-2061 | ¥28,490 | 0.1h | ||
| 15 | シングルシートカバー | BK1 | 99994-0897-76B | ¥27,060 | 0.2h | |
| 15 | シングルシートカバー | BU1/GN1 | 99994-0897-17K | ¥27,060 | 0.2h | |
| 16 | パニアケース28L(左右セット) | J99994-0922 | ¥133,100 | – | パニアケースカバー、ストライプ、ワンキー、フィッ ティングキットは別途ご注文ください。 | |
| 17 | パニアケースカバー(左右セット) | BK1 | J99994-0422-17K | ¥35,530 | – | |
| 17 | パニアケースカバー(左右セット) | BU1 | J99994-0422-79L | ¥35,530 | – | |
| 17 | パニアケースカバー(左右セット) | GN1 | J99994-042260RB | ¥35,530 | – | |
| 18 | パニアケースストライプ(左右セット) | BK1 | J99994-0423-51A | ¥9,900 | – | |
| 18 | パニアケースストライプ(左右セット) | BU1 | J99994-0423-79L | ¥9,900 | – | |
| 18 | パニアケースストライプ(左右セット) | GN1 | J99994-042360RB | ¥9,900 | – | |
| 19 | バッグフィッティングキット | 99994-0867B | ¥2,508 | 0.1h | ||
| 20 | ワンキーシステムローター(パニアケース用) | J99994-1566 | ¥6,270 | 0.4h | ||
| 21 | トップケースV47(47L) | J99994-0899 | ¥49,060 | – | トップケースカバー、プレート、ワンキー、パッド、ブ ラケット、取り付けベースは別途ご注文ください。 | |
| 22 | トップケースカバー | BK1 | J99994-0577-17K | ¥24,310 | 0.2h | |
| 22 | トップケースカバー | BU1 | J99994-0577-79L | ¥24,310 | 0.2h | |
| 22 | トップケースカバー | GN1 | J99994-0577-60RB | ¥24,310 | 0.2h | |
| 23 | トップケースプレート | J99994-0656 | ¥8,250 | 0.2h | ||
| 24 | トップケースブラケット | J99994-0902 | ¥80,190 | 0.75h | ||
| 25 | トップケース取付ベース | J99994-0662 | ¥11,660 | 0.2h | ||
| 26 | トップケースパッド | J99994-0494 | ¥9,350 | 0.2h | 穴あけ加工が必要です。 | |
| 27 | ワンキーシステム(トップケース用) | J99994-1496 | ¥3,960 | 0.2h |
主要諸元
| 車名型式 | 8BL-ZXT10H | |
|---|---|---|
|
Ninja 1000SX |
||
| 発売日 | 2026年1月17日 | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 2,100×805×1,190mm(1,225) ※()内はハイポジション | |
| 軸間距離(mm) | 1,440 | |
| 最低地上高(mm) | 135 | |
| シート高(mm) | 820 | |
| 車両重量(kg) | 236<235> | |
| 乾燥重量(kg) | – | |
| 乗車定員(人) | 2 | |
| 燃費消費率(km/L)※1 | -(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
| 18.6(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※2 | ||
| 登坂能力(tanθ) | – | |
| 最小回転小半径(m) | 3.1 | |
| エンジン型式 | ZXT10HE | |
| 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ | ||
| 総排気量(cm3) | 1,098 | |
| 内径×行程(mm) | 77.0×59.0 | |
| 圧縮比 | 11.8 | |
| 最高出力(kW[PS]/rpm) | 100[136]/9,000 | |
| 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 113[11.5]/7,600 | |
| 燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
| 始動方式 | エレクトリックスターター | |
| 点火方式 | バッテリー&コイル(トランジスタ点火) | |
| 潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
| 潤滑油容量(L) | 4.0 | |
| 燃料タンク容量(L) | 19 | |
| クラッチ形式 | 湿式多板 | |
| 変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
| 変速比 | 1速 | 2.600 (39/15) |
| 2速 | 1.950 (39/20) | |
| 3速 | 1.600 (24/15) | |
| 4速 | 1.388 (25/18) | |
| 5速 | 1.217 (28/23) | |
| 6速 | 1.068 (31/29) | |
| 減速比1次/2次 | 1.528(81/53)/2.800(42/15) | |
| キャスター(度) | 24°0′ | |
| トレール(mm) | 98 | |
| タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C (58W) |
| 後 | 190/50ZR17M/C (73W) | |
| ブレーキ形式 | 前 | φ300mm油圧式デュアルディスク |
| 後 | φ260mm油圧式シングルディスク | |
| 懸架方式 | 前 | 倒立テレスコピック式(インナーチューブφ41㎜) |
| 後 | スイングアーム式(ホリゾンタルバックリンク) | |
| フレーム形式 | ダイヤモンド | |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。






