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公益性の審査&認定を受け2025年4月1日に一般社団法人から公益社団法人に法人格の変更を行ったサイドスタンドプロジェクト(SSP)。その公益法人として最初の『パラモトライダー体験走行会』が4月21日(月)、神奈川県川崎市にある向ヶ丘自動車学校で開催された。
■文・写真:青山義明
■協力:公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)

『パラモトライダー体験走行会」』は2度のWGP(GP125)世界チャンピオンを獲得した青木治親が理事を務める公益社団法人SSPが行っているもので、身体に機能障がいを持つ方々を対象に「バイクに乗る体験の場」を提供している。すでに過去6年にわたって多数のパラモトライダーを輩出しているが、この場でのバイクに再び乗ることを経験したライダーの中には、ミニバイクの耐久レースである「Let’sレン耐」に自主的に参戦しているメンバーもいる。そしてSSPが主催している『やるぜ!! 箱根ターンパイク』と題した箱根ターンパイクを占有してのバイクツーリングにもSSPが認定した一部パラモトライダーが参加をしている。

#サイドスタンドプロジェクト
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代表理事を務めるのは青木三兄弟の三男・治親。長男の宣篤はSSPテクニカルアドバイザー。次男の拓磨はSSP専属パラモトライダーとしてこの活動にかかわっている。今回は治親・宣篤が参加した。

『パラモトライダー体験走行会』は、広い駐車場やサーキット、そして今回のように休校日の自動車学校などを貸し切りにして完全にクローズドな状態でバイクに乗る練習をし、実際に自らバイクを走らせるということを実現する機会となっている。バイクはもちろん、ヘルメットやプロテクターなどのライディングギアもSSPが用意し、車両への移乗やバイクの発進と停止のタイミングではボランティアスタッフがサポートをする。ヘルメットにはサインハウスのインカム「B+COM」を装着し、スタッフと会話をしながら走行を行うこととなる。

#サイドスタンドプロジェクト
ボランティアとして多くの参加者がサポートする。今回は、二輪の高度交通システム(ITS)の研究を行っている静岡大学の木谷友哉教授以下「二輪車情報学研究室」のメンバーもやってきた。
#サイドスタンドプロジェクト
ボランティアスタッフはグループ分けをし、各グループごとにパラモトライダーのバイクへの乗降(移乗)のサポートから、走行中に何かあった場合、車両を支えるためにバイクに付いて走ってサポートする。

 今回は4名の参加者が体験をした。通常ならばまずエンジンを掛けずボランティアスタッフが手押しで動かすバイクでバランスを取るという練習から始まるわけだが、参加者全員が2回目の参加ということもあって、最初からエンジンを掛けて自らの操作でバランスを取りながらの走行からスタート。各自がそれぞれの課題をクリアすべくステップアップを目指す内容となった。この日は好天に恵まれており、体温調節の難しい参加者はもちろん、ボランティアスタッフにも配慮し、休憩をはさみつつ行ったため、カリキュラムは予定よりも少し時間が延びてしまった。それでも無事に4名のパラモトライダーが事故なくカリキュラムをこなすことができた。

#サイドスタンドプロジェクト
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今回持ち込まれた大型バイクは自動補助輪を装着したスズキGSX-S1000 GT。格納された補助輪はバンク角も確保されており、補助輪がしっかり出てくればバイクが停止していく際に車体を支えることができる。ハンドル左側にはシフト操作のボタンも設けているため多少煩雑になるが手元のスイッチで補助輪を出し入れすることができ、自らの足で車両を支えられなくても介助者のサポートなしに発進と停止ができる。今回は3名のパラモトライダーがこれを使用して練習走行を行った。

#サイドスタンドプロジェクト
先導車に引っ張ってもらいながら、走行と停止を繰り返し、箱根に向けて各ライダーのモチベーションも上がってきたようだ。また「体験走行会」に参加していたパラモトライダーも同敷地内での大型バイクの走行を見せつけられ「自分も箱根ツーリングを目指そうかな」とも。
#サイドスタンドプロジェクト
インフィールドの交差点周辺を使用する「体験走行会」とは別に、大型バイクは自動車学校の外周路を使用して走行を行うことで、同時に二つのプログラムを並行して行うことができた。

 そして、今回は新たな試みとして、箱根でのツーリングイベント『やるぜ!! 箱根ターンパイク』に向けての練習を行う機会も設けられた。SSPが一定以上のレベルにあると認定したパラモトライダーを招待する形でこの箱根ツーリングに参加できるわけだが、それら参加予定のパラモトライダーの「箱根の前に練習する時間が欲しい」というオーダーに応えたもの。ボランティアスタッフの一部がこの練習会のサポートを行うこととなった。といっても、使用する大型バイクは自動補助輪を装着したもので、パラモトライダーも経験者ということもあり、ボランティアスタッフは必要最小限のサポートを行うだけ。今回は3名の箱根経験パラモトライダーが走行を重ねることとなった。

 公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)の今後の予定だが、2025年5月31日(土)~6月1日(日)の2日間、名古屋市栄にある久屋大通公園内で行われる「手羽先サミット2025」にもブース出展予定だ。
(文・写真:青山義明)

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SSPではオリジナルの手押し自転車を用意しているが、脊髄損傷の赤澤賢一郎さんは体験試乗の前にまずそれに乗ってバランスのとり方を確認してから試乗に臨んでいた。「一年半ぶりの参加ということで正直不安でしたし、前回の時と違って最初からエンジンを掛けての走行でしたのでドキドキでした。前回は身体が傾いてしまったら戻せなかったのですが、事前に手押し自転車で練習をして、ハンドルで操作をする感覚をつかんでいたので、ハンドルを切って傾きを直して走行することができました」と赤澤さん。

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第一腰髄損傷の岡野善記さんは4か月ぶりのバイク乗車となった。「今日も一日皆さんにお世話になりました。ありがとうございます。すごく楽しかったし、多分うまく乗れたと思います。『次は(ステップアップで)外周路ね』と言われたことがうれしく、次回の参加が楽しみになってきました。早くギア操作(シフトアップ)をしてみたいです」と語ってくれた。

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赤澤さんと同じく一年半ぶりの体験走行会となった脊髄損傷の野島弘さん。「バイクの楽しみの一つに風を感じるっていうことがあると思いますが、ほんの少し風を感じることができましたので非常に満足しています。今回はすぐ横でGSX-S1000 GTが走っていましたが、あれだけ見せつけられたら、やっぱ乗りたくなりますよね。(大型バイクにステップアップできるよう)また遊びに行きたいと思います。よろしくお願いします」とコメント。

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脊髄損傷の吉富大祐さん、最後は熱中症気味になっていたものの、無事に走行を終えた。「冬の間に筋トレしてきたこともあってうまく乗れたかなと思います。また身体のバランスがずれているので、そのあたりをもう少しうまく調整して乗れるようにしていきたいです」とコメントしてくれた。


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2025/05/24掲載