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試乗・解説

細部熟成&スマホとリンク アップデートされた新形CB1000Rを現物チェック! Honda CB1000R
CB1000Rが新型になったのは既報( https://mr-bike.jp/mb/archives/18946 )の通りだが、実際に現車に接した印象を、詳細写真を添えてレポートしておこう。新たな『ホンダCB』の血筋は確かに進化し、今回のマイナーチェンジでホンダの決意を感じたように思う。
■解説:ノア セレン ■撮影:松川 忍 ■協力:ホンダモーターサイクルジャパン https://www.honda.co.jp/motor/




新生CBブランド

 最初のCB1000Rは国内で販売されなかった、あの抹茶色がメインカラーのオチョボ口ヘッドライトのモデル。今でも逆輸入車は高値で取引されていることを思うと、こういったニュースタンダードCBを求めるユーザーは、実はかなり前からいたのではないかということになる。
 正規に国内でも販売してくれることになった現行CB1000Rの登場は2018年。最近の話であって、それまでホンダのCBといえばスーパーフォアか、空冷の1100シリーズ。業界・市場は新世代CBの投入に沸いたのであった。新たなCBとして「ネオスポーツカフェ」というコンセプトを掲げ、こだわった上質なフィニッシュやCBらしさを追求した結果、はっきりとプレミアムな新路線となった新生CB。国内では受注生産車になっているなど、既存CBモデルとは一線を画すハイエンドなCBとなっている。
 

 

新型の決意

 クオリティも価格もプレミアムなCB1000R、どのような進化をしていくのか楽しみな機種だったが、今回のマイナーチェンジではますます上質さを纏ったと感じた。外装上の変更はヘッドライトとラジエターシュラウド、エアクリーナーカバーのデザイン変更、およびホイールのデザイン変更なのだが、各パーツに目を凝らすとそれぞれの精度の高さ、ヘアライン加工の美しさ、フィニッシュの上質さに改めて気づかされる。
 他のCBラインナップももちろん、それぞれがフラッグシップとして上質ではあるのだが、CB1000Rは全体像というよりはパーツ一つ一つに並々ならぬ情熱が注ぎ込まれているようなイメージ。それらパーツが集合することでハイクオリティなフィニッシュとなっていると感じる。
 

 
 国内においてはいわゆる「バカ売れ」機種ではないCB1000Rだが、それでも確実にその上質さをアップグレードさせ、またスマートフォンとリンクさせる「HSVCS」を搭載するなどして進化してきた。この新たなCBブランドを確実に大きくしていくのだ、というホンダの決意を感じさせてくれる。
 新世代CBとして静かにかつ確かに進化をしてきているCB1000R。全国のホンダドリーム店にて3月25日(木)より販売開始だ。
 

バックボーン型のフレームを使っていることもあって車体はかなりスリムな印象で、その接しやすさは先代同様だ。スーパーフォアシリーズに比べるとややシートが高くハンドルも前傾を促すイメージだが、より現代的でスポーティな設定であり違和感はない。また一部ライバルのように腰高なストリートファイターというイメージでもなく、長距離ツーリングも十分こなすのは、以前山陰地方までロングツーリングした本サイト企画でも実証済みだ(http://www.mr-bike.jp/?p=151773 )。新型もその印象はそのまま。コンパクトで接しやすい、スポーティな気持ちにさせてくれるようなイメージはスーパーフォアシリーズなどよりも大きいと思う。ライダーの身長は185cm。

 

各社共に非常に凝った多角形ライトを採用する傾向があるこのカテゴリーにおいて、CBは先代からコンベンショナルな丸ライトをモダンなデザインにうまく融合させている。特にCB650Rでは先代650のスラントしたヘッドライトよりも丸型ライトの方が防風性が高いと感じたこともあり機能的にも優れていると実感したが(CB650Rの試乗インプレッション記事はコチラ→ http://www.mr-bike.jp/?p=160083 )、新型の1000ではさらに丸型ベースで上部を一部変形。ライト上部にETC2.0の受信機を埋め込むデザインとなっている。点灯時は先代同様イカリング形状にポジション灯が点く。

 

エンジン周りは先代を踏襲するが、ラジエターシュラウドとエアクリーナーカバーは少しスリムになってさらに軽快に。仕上げのクオリティや車名ロゴの入り方が上質だ。
スリムで16Lの容量を確保するタンクは先代から引き継ぐ。このカラーは新たに設定されたマットバリスティックブラックメタリック。この他マットベータシルバーメタリックが新色で、キャンディークロモスフィアレッドは継続販売。計3色展開となる。

 

先代ではコンパクトで左側に丸型のタコメーター形状がデザインされていたモノクロメーターだったが、新型では大型となりカラーを採用。スピード表示も大型化され、見やすく、また安全性も高まっていると感じる。左スイッチボックスでの操作が楽しみである。

 

各種電子制御は先代から引き継ぐようで、それに加えてスマートフォンとBluetoothで接続も可能なHSVCSも搭載。それら機能を操作するため左スイッチボックスは大型化&多スイッチ化。先代ではグリップ根元にあったグリップヒーターのスイッチが新型ではなくなっているため、これもスイッチボックスとメーター内表示に集約されたと思われる。
先代まではオプション設定となっていたシフトアップ&ダウン対応のクイックシフターが、新型では標準装備に。

 

先代では5本スポークがそれぞれY字に分岐した10本スポークホイールだったが、新型ではさらにスポークが細くなり本数が増えた。ハブ部から生えるスポークは7本、そこからさらに枝が生え、実に21本ものスポークがリムに届いている。ホンダはこの変更で軽快さもアピールするとしているが、まるで4輪のカスタムカーのようで高級感があふれる。フロントフェンダーは、先代にあったアルミ調パーツは省略されているようで、足周りはブラックで統一する意図が見られる。なおタイヤは今回、本サイトでレビュー済み( https://mr-bike.jp/mb/archives/10522 )のミシュラン パワー5を標準装備。サイズに変更はない。

 

テールの基本形状や、ヘッドライトと同イメージの変形丸型テールライトは先代から引き継ぐ部分。テールカウルを持たないミニマムな設定だがタンデムライダーを許容するタンデムシート面積は確保する。シートレールのデザインも変更され、またリアショックのスプリングをレッドからブラックとしたのも精悍さを増しているポイントだろう。

 

●CB1000R 主要諸元
■型式:ホンダ・8BL-SC80 ■エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ ■総排気量:998cm3 ■ボア×ストローク:75.0×56.5mm ■圧縮比:11.6 ■最高出力:107kw(145PS)/10,500rpm ■最大トルク:104N・m(10.6kgf・m)/8,250rpm ■全長×全幅×全高:2,120×790×1,090mm ■ホイールベース:1,455mm ■最低地上高:135mm ■シート高:830mm ■車両重量:213kg ■燃料タンク容量:16L ■変速機:6段リターン ■タイヤ(前・後):120/70R17M/C・190/55R17M/C ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク■車体色:マットバリスティックブラックメタリック、マットベータシルバーメタリック、キャンディークロモスフィアレッド ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):1,670,900円

 



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2021/02/12掲載