SUZUKI DR-Z4S/DR-Z4SM 車両解説
スズキ400クラスのデュアルパーパスモデルといえば、徹底した軽量化を追求し、乾燥重量129kgの車体にコンパクトでパワフルなDOHC4バルブ水冷単気筒エンジンを搭載し、オフロードスポーツ走行からツーリングや街乗りまで多用途に対応するモデルとして2000年4月に発売を開始したDR-Z400S。公道走行不可のエンデューロモデルDR-Z400も同時に発売された。
2004年にはモトクロッサーRMと同様のフロント倒立サスや、17インチホイールとハイグリップタイヤなどを採用したモタードタイプのDR-Z400SMも追加された。DR-Z400S/SMの国内仕様は2009年モデルで販売をを終了、以後400クラスのデュアルパーパス空白時代が続いていた。
復活は2024年11月イタリアのミラノにおいて開催されたEICMA(ミラノショー)2024。スズキは新たな400クラスのデュアルパーパスモデルであるDR-Z4Sと、モタードモデルのDR-Z4SMを発表した。DR-Z4Sはフロント21インチ、リア18インチのオフロード仕様、DR-Z4SMは前後17インチのモタード仕様で、共通のスタイリングはDR-Z400Sを更にアグレッシブかつシャープなイメージに。エンジンは水冷単気筒DOHC4バルブのDR-Z400系をベースだが、実際には90%以上を見直したほぼ新設計といえるもので、もちろん最新の電子制御システムS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)も装備、STCS(スズキトラクションコントロールシステム)、SDMS(スズキドライブモードセレクター A、B、Cの3モード選択可能)、解除モード付ABS(DR-Z4Sはフロントとリアまたはリアのみ。DR-Z4SMはリアのみ解除可能)により状況や好みによってモード選択が可能になった。ヘッドライトはコンパクトなバイファンクション LED ヘッドランプ、メーターはLCDを採用した。海外では2025年春頃から販売を開始していたが、2025年10月8日よりいよいよ国内販売が開始される。
★スズキ ニュースリリースより (2025年10月1日)
スズキ、新型「DR-Z4S」 、「DR-Z4SM」を日本で発売
ショー)」 で発表したデュアルパーパスモデルの新型 「DR-Z4S」 及びスーパーモトモデル※1 の新型「DR-Z4SM」を 10 月 8 日より日本で発売します。
新型「DR-Z4S」は、街乗りやワインディングなどのオンロードから本格的なオフロードまで
幅広く楽しめるデュアルパーパスモデルです。新型「DR-Z4SM」は、「DR-Z4S」の走行性能
を活かしつつ、日常使いからサーキット走行まで多様なライディングを楽しめるスーパーモト
モデル※1です。 新搭載の電子制御システム S.I.R.S. (スズキインテリジェントライドシステム)
には、 G (グラベル)モードを含む STCS (スズキトラクションコントロールシステム) 、 SDMS(スズキドライブモードセレクター)、解除モード付 ABS※2 を採用し、ライダーのスキルや路面コンディションに応じた多様なライディングが可能となりました。さらに、アグレッシブなスタイリングデザインに加え、LED 灯火類や LCD メーターを備え、先進的な外観としました。
※1 オフロードバイクにオンロードタイヤを装着して舗装路面とダート路面の混在したコースを走行してスピードを競うレースから生まれたカテゴリーです。
※2 DR-Z4S はフロント・リヤまたはリヤのみ解除可能、DR-Z4SM はリヤのみ解除可能です。
- ● 年間目標販売台数
- DR-Z4S 400 台(日本国内)
- DR-Z4SM 800 台(日本国内)
- メーカー希望小売価格
- 1,199,000円
- 車体色
- DR-Z4S
- C1C: チャンピオンイエローNo.2/ソリッドスペシャルホワイトNo.2
- YUD: ソリッドアイアングレー
- DR-Z4SM
- Q1T: スカイグレー
- 30H: ソリッドスペシャルホワイトNo.2
- * 価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれません。
- ●「DR-Z4S」「DR-Z4SM」の主な特長
- デザイン
- ・厚マシンの進化と存在感を具現化した、アグレッシブでフレッシュなスタイリング
- ・俊敏な走りを強調する水平基調のサイドライン
- ・シャープでフラットなラインを強調し、余分な要素をそぎ落とした本格的なギアであることを表現
- ・ハイビームとロービームの切り替えができるコンパクトな「バイファンクション LED ヘッドランプ」を採用
- 装備
- ・新搭載の SDMS(スズキドライブモードセレクター)は、スロットルレスポンスの特性が違う 3 つのモードを設定。最もシャープな「モード A」、適度な「モード B」、マイルドな「モード C」とし、走行シーンや路面状況、好みのライディングスタイルに合わせて選択が可能
- ・「フューエルインジェクションシステム」を採用し、電子制御スロットルと合わせて、始動性や加速性を向上
- ・操作力軽減と減速時の車体安定性の向上に貢献する「スズキ・クラッチ・アシスト・システム」を採用
- ・「DR-Z4S」はオフロードでの使用を想定したフロント 21 インチ、リヤ 18 インチの「IRC 製 TRAILWINNER GP-410」を採用
- ・「DR-Z4SM」はスーパーモトのポテンシャルを最大限引き出す、前後17インチの「ダンロップ製SPORT MAX Q5A」を採用
- エンジン/車体
- ・398 ㎤水冷4サイクル単気筒 DOHC エンジンを搭載し、最新の排出ガス規制に対応しながら走行性能を向上
- ・新設計のシリンダーヘッドの採用により、低回転走行時の粘り強さ向上と高回転域の出力向上を実現
- ・「デュアルスパークプラグ」を採用し、エンジン全域での燃焼効率とパフォーマンスを最大化
- ・新設計のピストンとクランクケースでメカニカルロスを提減し、スムーズな出力特性と高い燃費性能を両立
- ・車体には新設計の「スチールパイプ製セミダブルクレードルフレーム」を採用
主要諸元
車名型式 | 8BL-ER1AH | |
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DR-Z4S[DR-Z4SM] | ||
発売日 | 2025年10月8日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 2,270[2,195]×885×1,230[1,190] | |
軸間距離(mm) | 1,490[1,465] | |
最低地上高(mm) | 300[260] | |
シート高(mm) | 890 | |
装備重量(kg)※1 | 151[154] | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 34.9[36.1](国交省届出値 定地燃費値※3 60km/h 2名乗車時) | |
27.7[28.8](WMTCモード値※4 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.4[2.3] | |
エンジン型式 | GKA1 | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 398 | |
内径×行程(mm) | 90.0×62.6 | |
圧縮比 | 11.1 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※5 | 28[38]/8,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※5 | 37[3.8]/6,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | 圧送式ウエットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 1.9 | |
燃料タンク容量(L) | 8.7 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.285 |
2速 | 1.733 | |
3速 | 1.375 | |
4速 | 1.090 | |
5速 | 0.863 | |
6速 | – | |
減速比1次/2次 | 2.960/2.866[2.733] | |
キャスター(度) | 27°30′[26°30′] | |
トレール(mm) | 109[95] | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21M/C 51P[20/70R17M/C 58H ] |
後 | 120/80-18M/C 62P[140/70R17M/C 66H] | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク(ABS) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
※平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
※1:装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります
※2:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。実際の燃費は、使用環境(気象、渋滞等)や 運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※5:エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。
車体色YSF :
C1C: チャンピオンイエローNo.2/ソリッドスペシャルホワイトNo.2 YUD: ソリッドアイアングレー
[Q1T: スカイグレー 30H: ソリッドスペシャルホワイトNo.2]