- ■文・写真:毛野ブースカ
- ■協力:ホンダモーターサイクルジャパン https://www.honda.co.jp/motor//
レブル250の試乗車を借りてから2日後、Eクラッチに慣れてきたところでいよいよツーリングに出かける時が来た。行き先は悩んだ挙句、久しぶりに日本海を見たい気持ちが強まり、何度か訪れている新潟県の上越・中越地方に決めた。この地域は東京から行きやすく、走って気持ちいいのはもちろんグルメも充実しており、何度訪れても面白い。ここを訪れるたびに必ず食べているお気に入りのグルメもあり、今回も食べる予定だ、というよりも、食べるためにルートを設定した。どんなグルメなのかは後ほどのお楽しみ。
少しでも余裕を持って進みたいので、午前7時前に自宅を出発。通常だと国道20号線から都道311号線(環状八号線)を通って新潟方面に向かう関越自動車道に乗るのだが、朝の通勤ラッシュを避けるべく自宅から近い中央自動車道・調布ICから乗って八王子・甲府方面に進み、圏央道を利用して関越自動車道方面へ進むことにした。
国道20号線を10分ほど走って調布ICに到着。ここから3時間ほど高速を走ることになる。料金所から中央自動車道に合流して速度を上げる。Eクラッチなので加速時もシフトチェンジが楽だ。CL250と同様、トルク感はあるものの緩やかに加速する。90㎞/hに達したところで加速を止めて、90㎞/hを維持しながら巡航していく。アップライトなライディングポジションは高速走行でも見通しがよくリラックスして走れる。
ハンドルから伝わる振動はさほど気にならないが、高速道路を走行していて気が付いたのがサスペンションの硬さ。段差を乗り越える時に思っていたよりも車体がポンポン跳ねる。段差によっては身体が突き上げられて痛い思いをした。CL250ではあまり気にならなかったが、あまり整備されていない一般道を走行する際は気になるかもしれない。もう少し段差をいなすように走ると長距離走行が楽になるだろう。
中央自動車道から圏央道に入り、特に渋滞もなく快調そのもの。追い越し時に100㎞/h以上を出したが、基本は90㎞/h前後で走るのが理想的。群馬県の渋川伊香保IC付近まではフラットな道が続くので快適。Eクラッチの出番はしばらくなさそうだ。走行開始から1時間半ほど経過したところで、いつもより早くお尻が痛くなってきたので、関越自動車道・上里SAで一服。上里SAを出発して埼玉県から群馬県に突入。スズキ・バーグマンストリート125EXで訪れたばかりの地名を見つつ新潟県に近づくにつれて登坂車線が増えて徐々に標高が上がっていく。山々が連なる景色も見応えがある。登坂車線が連続しても90㎞/hを維持するのは意外と保ちやすい。群馬県と新潟県の県境にある全長約11㎞の関越トンネルを通過すると新潟県に入った。新潟県をバイクで訪れるのは約2年ぶりだ。
自宅を出発してから約3時間で関越自動車道・湯沢ICに到着。湯沢ICから国道17号線を長岡市方面に進み、津南町方面に向かう国道353号線に差し掛かったところで281.8㎞(自宅からは226.1㎞)走行して燃料ゲージが残り1目盛りなっていた。もう少し走れそうだったが、ここ最近燃料警告灯が点灯するまで走ってヒヤヒヤすることが多かったので、ここで給油することにした。7.36リットル給油して燃費はリッター38.3㎞となり、WMTCモードを上回る数値を叩き出した。ここからは流れのいい一般道を走るので、数値が上がるのを期待しつつ津南町方面に向けて出発。
国道17号線から国道353号線に入り、津南町方面に進む。冬は雪深くなる地域だが、この季節は米どころなので収穫時期が近付いている稲穂が風になびいている。たくさんお米が収穫されることを祈りつつ国道117号線に差し掛かったところで左折して、津南町にあるJR飯山線の津南駅を目指す。ここには駅舎に併設された日帰り入浴施設「リバーサイド津南」があることで知られている。以前訪れて入湯したが、営業時間が14時00分からということで駅の外観を撮影するだけとした。
JR津南を出発して国道117号線を野沢温泉方面に10分ほど進んだところにある、津南観光物産館の駐車場に併設されている「越後双輪オートバイ神社」に行ってみた。ここは宗教施設ではなく「オートバイライダーの交通安全と地域がともにつくるツーリング文化の創生」を基本理念として設置されたものだという。国道117号線側の駐車場の一角にこじんまりとしたお社があり、お社の前で写真が撮れるようになっている。物産館内にはお守りなども販売されており、この地域を訪れた方は立ち寄ってみてほしい。
越後双輪オートバイ神社をあとにして、いったん国道117号線をJR津南駅方面に戻り、そこから国道405号線を走って「道の駅 雪のふるさとやすづか」に向かう予定だった。しかし、県道49号線に進んで国道353号線に入り、道を間違えていることを気付かないまま国道353号線から国道403号線に進んでしまった。途中レブル250の撮影をして、さあ道の駅で昼飯を食べるぞ! と意気込んで走り始めるも道の駅は見つからず。スマートフォンで検索したところまったく違うところを走っていることがわかり万事休す。周囲にコンビニや食堂、ファミレスはなく、昼飯は諦めることにした。
落胆しつつ道の駅の次に向かう予定だった「風巻(かざまき)神社」の場所を検索したところ、現在地からそんなに離れていないことが判明。不幸中の幸いというか、気を取り直して風巻神社に向かうことにした。国道403号線から県道13号線をしばらく走り、山あいの小さな集落の奥に目的地である風巻神社があった。新潟県上越市三和区岡田にある風巻神社は1,000年以上前まで歴史が遡る由緒ある神社で、ここの宮司さんがバイク好きということから「バイク神社」として全国的に知られている。
駐車場にレブル250を停めて、緩やかな登り坂が続く山道を進んだ先あるに神社にお参りした後、駐車場近くの授与所(売店)に行ってお守りを買おうと思ったが誰もいなかった。諦めて帰ろうとしたところ宮司さんが自宅と思われる建物からいきなり出てきて、私とバイク、ヘルメットをお祓いしてくれた。この日は私だけだったが、宮司さんによると週末だと100台くらいのバイクが集まるという。猫好きな私は、この神社のアイドル猫「ちょろ美」が気になったが、残念ながらその姿を拝むことはできなかった。ハンドルに巻き付ける「道楽守り」を購入して風巻神社を後にした。
風巻神社からは上越市内にある今日の宿泊地に向かう前に高田城址公園内にある高田城三重櫓に立ち寄った。県道13号線を走って県道302号線を進んで国道18号線に入り、国道18号線を妙高市方面に少し進んで県道38号線を高田城址公園方面に向かったところに高田城三重櫓があった。ここは10年以上前に訪れたことがあり、その時も8月下旬に訪れて暑かった記憶がある。今回も猛暑の中、高田城三重櫓を見学した。高田城三重櫓からは県道579号線を直江津方面に進んで上越市内にある宿泊地に到着。昼飯抜きだったのでホテルに併設されているレストランで夕食を摂り、明日の移動に備えて早めに床に就いた。
翌朝の天気は晴れ。ここまで総走行距離は413.9㎞。湯沢町で給油して約132㎞走行して燃料ゲージは1目盛りしか減っていない。流れのいい一般道がメインなので、しばらく給油の心配はなさそうだ。上越市内に入ってからはストップアンドゴーが多くなり、まとまった距離を走ってくると疲労が溜まってきて、さらに暑さも加わってクラッチを操作するのが面倒になる。そんなシチュエーションでEクラッチは大変便利。シフトミスや半クラッチをミスしてエンスト、立ちゴケというトラブルも防げる。ライディングポジションや車体の軽さも疲労感を和らげてくれる。(続く)
(文・写真:毛野ブースカ)
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