HONDA スーパーカブ110 プロ 車両解説
2017年に世界生産累計台数1億台を突破、2018年にはスーパーカブシリーズの誕生60周年を記念したモデルも発売されるなど、今もって世界の名車“スーパーカブ”の人気は衰えを知らない。今回は、そのスーパーカブシリーズの中でも、業務用途向けの定番、スーパーカブ110 プロのモデルチェンジのニュースだ。
メインの変更といえるのが、最大トルク値と燃費性能の向上を図りつつ平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応を行った新エンジンの搭載で、同時に業務用途に応じてクラッチなどの内部部品のタフネス性を高める改良も施されている。
この他足周りでは、前輪にディスクカバーを採用したディスクブレーキを標準装備、また、フロントブレーキに作用するABSも採用、14インチの前後輪キャストホイールとチューブレスタイヤなどグレードアップが図られている。またメーター内の液晶部にはギアポジションや時計などの表示を行う機能が採用された。
★ホンダ ニュースリリースより (2022年4月15日)
「スーパーカブ110プロ」をモデルチェンジし発売
Hondaは、「スーパーカブ110プロ」に新エンジンを搭載するとともに、前輪ディスクブレーキや前・後輪にキャストホイールを標準装備するなどモデルチェンジを図り、5月19日(木)に発売します。
●業務用途に合わせ、高いタフネス性を備えた新エンジンを搭載
●前輪に、ディスクカバーを採用したディスクブレーキを標準装備
●フロントブレーキに作用するABS※1を採用
●前後輪に14インチのキャストホイールとチューブレスタイヤを採用
●メーター内の液晶部にはギアポジションや時計などを表示する機能を搭載
スーパーカブ110プロは、新聞配達や宅配用途で求められる取り回しの良さと優れた積載性を備えたビジネスモデルとして、小径14 インチタイヤの採用や大型のフロントバスケットおよびリアキャリア、手元灯にもなるポジションランプを標準装備しています。
今回、最大トルクと燃費性能の向上を図りながら最新の排出ガス規制※2に対応し、業務用途に合わせクラッチなどの内部部品のタフネス性を高めた新エンジンを搭載。足まわりには、制動時の安心感に寄与するABSを採用した、カバー付きの前輪ディスクブレーキと、駐停車時に便利なリアブレーキのロック機構を採用。メンテナンス性をより考慮した、14 インチの前後キャストホイールおよびチューブレスタイヤを装着しています。また、メーター内の液晶部には、ギアポジションや燃料計を常時表示し、切り替えによって時計や平均燃費、距離計を表示するなど、使い勝手をより高める仕様としています。
また、バックミラーの締結部は工具を使用せずに位置の調整が可能です。
※1 ABSはライダーのブレーキ操作を補助するシステムです。ABSを装備していない車両同様に、コーナーなどの手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは対応できません。ABS作動時は、キックバック(揺り戻し)によってシステム作動を知らせます
※2 平成32年(令和2年)排出ガス規制
- ●販売計画台数
- ●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- スーパーカブ110 プロ 346,500円(消費税抜き本体価格 315,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
スーパーカブ110 プロ 合計 1,700台
主要諸元
車名型式 | 8BJ-JA61 | |
---|---|---|
スーパーカブ110 プロ | ||
発売日 | 2022年5月19日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.860×0.730×1.065 | |
軸距(m) | 1.225 | |
最低地上高(m)★ | 0.130 | |
シート高(m)★ | 0.740 | |
車両重量(kg) | 111 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費消費率(km/L)※3 国交省届出値 | 68.5(定地燃費値 60km/h定地走行テスト値 1名乗車時)※4 | |
67.4(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時)★※5 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 1.9 | |
エンジン型式 | JA59E | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 109 | |
内径×行程(mm) | 47.0×63.1 | |
圧縮比★ | 10.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 5.9[8.0]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 8.8[0.90]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式★ | セルフ式(キック式併設) | |
点火方式★ | フルトランジスター式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 4.1 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板ダイヤフラムスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※5 | |
変速比 | 1速 | 3.142 |
2速 | 1.833 | |
3速 | 1.333 | |
4速 | 0.071 | |
変速比 | 3.421/2.142 | |
キャスター(度)★ | 26°30′ | |
トレール(mm)★ | 57 | |
タイヤサイズ | 前 | 70/100-14M/C37P |
後 | 80/100-14M/C49P | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク(ABS) |
後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
※3 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります※4 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※5 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※6 走行中はリターン式で、停車時のみロータリー式になるチェンジ機構です