YAMAHA WR125R 車両解説
セローの販売終了以降、ミドルクラスのデュアルパーパスモデルがなかったヤマハだが、2026年1月30日からのWR125R ABSの国内発売が発表された。
ヤマハは1968年にDT1を発売、デュアルパーパースモデルに先鞭を付けた。1970〜1980年代は2ストロークのDTシリーズや4ストロークのXTシリーズが登場、1985年に登場したセローは圧倒的な人気を博した。
4ストロークの250ccクラスはXT250、セロー、ブロンコ、TT250R、WR250R、トリッカー、XT250R、TW225など多彩なラインナップであった。125ccクラスのモデルとなると1982年にXT125が登場したものの、高性能高機能が中心の過熱したバイクブームの中に埋もれ短命に終わっている。海外では人気のある4ストローク125ccクラスのヤマハデュアルパーパースモデル、国内では公道走行が出来ないTTR125を除けばXT125以発売されていないのは意外かもしれない。
今回発売されるWR125Rは、低速と中速向けの吸気側カムが7000〜7400rpmで切り替わる可変バルブVVA(Variable valve actuation)を採用した4ストローク水冷単気筒OHC4バルブエンジンを搭載。発進時の加速から高速域までスムーズなフィーリングを実現したという。コンパクトな車体はオフロード走行も考慮した前後サスや、フラットで足着き性やポジション移動のしやすいフラットな形状のシートを採用。メーターはLCDマルチファンクションで時計や瞬間、平均燃費、ギアポジション、VVAインジケーターなど多機能に表示し、専用アプリY-Connectと連携すれば、電話やメール着信表示も可能。
日常使いはもちろん、オフロードへの入門モデルとしても扱いやすく親しみやすい車格と性能を狙ったWR125R ABSは、セローが開拓したように、新たなファンを獲得する可能性を秘めたニューモデルだ。
YAMAHA ニュースリリースより (2025年12月18日)
原付二種クラスのオン・オフモデル「WR125R」新登場 ~ヤマハオフロードワールドへ誘う入門モデル~
ヤマハ発動機販売株式会社は、幅広い路面状況に適応するマルチポテンシャルを備えたオン・オ フモデルの新製品「WR125R ABS」を2026年1月30日に発売します。
“オフロードの世界に飛び込める青い相棒”をキーワードに、タウンユースやオンロードツーリングで の扱いやすさはもちろん、舗装路からオフロードへシームレスに駆け抜け楽しめる、ファンライド性能 を追及したモデルです。主な特徴は、1)日常使いからオフロード走行まで、幅広いフィールドでさまざ まな乗り方に呼応する水冷・SOHC・4バルブ・VVA(可変バルブ)・FI・124cm3エンジン、2)フルサイズ (250ccクラス)同等のフロント21インチ・リア18インチホイールやオフロードでの高い走破性を発揮す る前後サスペンションなどの足回り、3)自由度の高いライディングポジション、4)ヤマハオフロードモ デルらしい特色を備えたデザイン、5)着信通知/燃費管理が可能なスマートフォン専用アプリ「Y- Connect」との連携などです。
- 名称
- WR125R ABS
- カラー
- ・ディープパープリッシュブルーソリッド E (ブルー/新色)/dd>
- ・ヤマハブラック(ブラック/新色)
- 発売日
- 2026年1月30日
- メーカー希望小売価格
- 539,000円
- 本体価格 490,000円 消費税 49,000円
- 販売計画
- 1,300台(年間、国内)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、バッテリー、充電器、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
- ※本モデルはデジタル化推進および、環境配慮の観点から紙のカタログを製作しておりません。製品情報は下記 Web サイトよりご確認ください。 ■■製造事業者:PT.YamahaIndonesiaMotorManufacturing ■製造国:インドネシア ■輸入事業者:ヤマハ発動機株式会社
- WR125Rサイト: https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/wr125r/
- 【企画の狙い】
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今回の「WR125R」は、“オフロードの世界に飛び込める青い相棒”をキーワードに、タウンユースや オンロードツーリングでもファンライドを楽しめるモデルとして企画開発しました。免許取得したばかり のエントリーの方にとっての扱いやすさや用途にも配慮、ヤマハオフロードワールドへいざなう登竜門 モデルとして位置づけています。
ヤマハのオフロードスピリットを感じさせるデザインに、さまざまな路面状況に応えるマルチなポテ ンシャルを備え、オフロードの世界のワクワク感、自然との一体感、新たな仲間とふれあう楽しみを提 供します。 - 【「WR125R」の新しい特徴】
- 1)オンからオフまで全域で扱いやすく軽快な走りを発揮する VVA(可変バルブ機構)搭載の水冷・SOHC・4 バルブ・FI・124cm3 水冷エンジン
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オフロード走行から日常使いのオンロード走行まで、幅広いフ ィールドでさまざまな乗り方に呼応する水冷・SOHC・4 バルブ・ FI・124cm3 エンジンを搭載。52.0mm×58.7mm のボアストローク、 11.2:1の圧縮比から11kW(15PS)/10,000r/min の最大出力と11 Nm/6,500 r/min の最大トルクを発揮します。低速向けと中高速向けのカム(吸気側)が 7,000~7,400r/minで切り替わる VVA(Variable valve actuation=可変バルブ)の搭 載により、全域で優れた出力・トルク特性を発揮。オフロードでのファンライディングのみならず、オン ロードにおいても交通の流れにスムーズに順応できるような加速から高速域での性能を実現していま す。
また、低速トルクを充実させた 2 次減速比との相乗効果により、発進・停止を繰り返すような場面で も発進しやすく、余裕を持って交通の流れに乗ることができます。
なお、40km/L※以上の高い燃費性能を誇り、8.1L の燃料タンクと相まって、日常の通勤・通学はも ちろん、オフロード走行を含むツーリングなどでも安心の航続距離です。 - ※WMTC モード値
- 2)オフ走行にも適した前後サスペンション
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フロントには、インナーチューブ径 41mm のサスペンションを 採用。減衰特性とバネ定数のバランスを取ることに加え、アウタ ーチューブの底部分にオイルロックピースを採用。ストロークは 215mm とし、優れたクッション性と足つき性の両立を図っていま す。
リアには、リンク式のモノクロスサスペンションを採用。リアア ームとクッションユニット間にリンク構造を組み込むことで、レバ ー比を変化させ、ソフトな乗り心地と高荷重時での優れたダンピ ング特性を合わせて実現しています。また、ショックアブソーバ ーはガス封入式としてキャビテーション発生を抑止し、連続走行 時の性能を安定化。ホイールトラベルは 187mm です。
オフロード走行を気負わず楽しめるよう、路面の凹凸をしなや かに吸収することと、底付き付近の踏ん張りを両立させ、安定し た操縦性を実現させています。 - 3)コントロール性に優れた前後ディスクブレーキ
- フロントブレーキはφ267mm ディスクローターと 2 ポットキャリ パー、リアはφ220mm ディスクローターとシングルポットキャリパ ーを組み合わせています。いずれも、パッド材質など摩擦系と、 レバー比などの入力系との相互バランスを整えており、オフロー ドからオンロードまでさまざまなシーンで、コントロール性に優れ た制動力を発揮。なおフロントブレーキには ABS を装備していま す。
- カラーリングは、“ダークグレー”と“ライトグレー”の 2 色です。“ダークグ レー”は、汎用性を考慮したブラックの車体色に、E-Vino や E01 から引き 継がれたシアンを差し色としてグラフィックに採用。ヤマハ EV スクーター の系譜を継承したカラーです。一方“ライトグレー”は、ソリッドなグレーで 素材感を演出。個性を主張しながらも、加飾を排したパッケージングで幅 広い層に受け入れられるカラーです。
- 4)自由度が高く安定感のあるライディングポジション
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前後・左右にポジション移動しやすいフラットシートを採用しま した。外装カバーは凹凸が少ない形状に作り込み、ライディング ポジションの自由度の高さと、スタンディング・シッティングポジシ ョンの移行をスムーズにしています。
さらに、ステップワークを使ってのコントロール性に配慮して、 左右幅の広いフートレストを採用しています。 - 5)ヤマハオフロードモデルらしい特色を備えたデザイン
- “Feel the YAMAHA offroad spirit!”をデザインコンセプトとし、 水平基調をベースに、時代に合わせた広い面を大胆に使ったデ ザインを施しました。さらにエンジンの腰上(シリンダー、シリンダ ーヘッド)をブラック塗装し、ヘッドランプとポジションランプを上下 に 2 分割したヘッドライトカウルを採用することで、凝縮感を強 調。なおヘッドランプには LED を採用し、コンパクトながらも高い 視認性を有しています。
- 6)スマートフォン連携機能と LCD マルチファンクションメーター
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LCD マルチファンクションメーターには、速度計/ タコメーター のほか、オドメーター、トリップメーター、燃料計および瞬間/平均 燃費表示、時計、ギアインジケーター、VVA 作動インジケーター などをコンパクトにレイアウトしています。
専用アプリ「Y-Connect (Yamaha Motorcycle Connect)」をイン ストールしたスマートフォンと車両を接続することで、電話着信、 メール受信、バッテリー残量などの情報をメーターに表示できます。
主要諸元
| 車名型式 | 8BJ-DE14J | |
|---|---|---|
| WR125R ABS | ||
| 発売日 | 2026年1月30日 | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 2,160 x 840 x 1,195 | |
| 軸間距離(mm) | 1,430 | |
| 最低地上高(mm) | 265 | |
| シート高(mm) | 875 | |
| 車両重量(kg) | 138 | |
| 乾燥重量(kg) | – | |
| 乗車定員(人) | 2 | |
| 燃費消費率(km/L)※1 | 49.8(国交省届出 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
| 44.8 WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
| 登坂能力(tanθ) | – | |
| 最小回転半径(m) | – | |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ | |
| 総排気量(cm3) | 124 | |
| 内径×行程(mm) | 52.0×58.7 | |
| 圧縮比 | 11.2 | |
| 最高出力(kW[PS]/rpm) | 11(15)/10,000 | |
| 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 11(1.1)/6500 | |
| 燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
| 始動方式 | セルフ式 | |
| 点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
| 潤滑油方式 | – | |
| 潤滑油容量(L) | ウェットサンプ | |
| 燃料タンク容量(L) | 8.1 | |
| クラッチ形式 | 湿式多板 | |
| 変速機形式 | 常時噛合式6速リターン式 | |
| 変速比 | 1速 | 2.833 |
| 2速 | 1.875 | |
| 3速 | 1.363 | |
| 4速 | 1.142 | |
| 5速 | 0.956 | |
| 6速 | 0.840 | |
| 変速比 1次/2次 | 3.041 (73/24)/4.214 (59/14) | |
| キャスター(度) | 28°20′ | |
| トレール(mm) | 117 | |
| タイヤサイズ | 前 | 2.75-21 45P (チューブタイプ) |
| 後 | 4.10-18 59P (チューブタイプ) | |
| ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
| 後 |
油圧式シングルディスク | |
| 懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
| 後 | スイングアーム | |
| フレーム形式 | セミダブルクレードル | |
※1 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条 件により異なります。
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走
行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※ WR125Rは第二種原動機付自転車(原付第二種)です。『小型限定普通二輪免許』以上の二輪免許で運転可能です。2025年4月に施行された新
基準原付(排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下へ制御した車両)には該当しない為、原付免許(原動機付自転車免許)や四輪免許(普通自 動車免許)では運転できません。




