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名車図鑑






 

高山さんのバイク承前啓後 第61回 「2輪感覚。」の広告に見るライダーへのいざない その3 CB、CL編

■協力 (株)東京グラフィックデザイナーズ

 
「2輪感覚。」をテーマとした広告は、1970年代に専門誌ではなく週刊誌に掲載されたホンダの広告です。その1では、ベンリイCB50やCB90編を、その2ではSL編を紹介させていただきました。
 今回は、ロードスポーツのCBとストリートスクランブラーのCLシリーズの広告です。たった1枚の写真と短いコピーの組み合わせは、2輪の魅力をまだ知らないひとたちにもアプローチして、興味を喚起し2輪の魅力を伝えるのにふさわしい内容だと思います。
 日本の四季のうつろいを五感で感じ取れるのは、ライダーの特権のような表現にも思えます。広告は、ホンダの二輪製品の広告やカタログの制作に長く携わっている東京グラィックデザイナーズ社の協力をいただきました。忘れかけていた2輪感覚を呼び覚まされるかもしれません。

ドリームCB500 FOUR
1971年 ドリームCB500FOUR 空冷4ストロークOHC 4気筒エンジンを搭載した、ロードスポーツモデル。
“静かなる男のための500”というカタログコピーが、このマシンの性格を現わしていました。夕暮れに、異国情緒が漂う懐かしい景色に遭遇することがあります。そんな時、自分がいる場所を一瞬忘れてしまうことがあります。2輪の旅ならではの情景かもしれません。

ドリームCB450 セニア
1970年 ドリームCB450セニア 空冷4ストロークDOHC 2気筒エンジンを搭載。
セニアは、フロントにディスクブレーキを装備しました。ハンドルを西に向けて走り出す。日没が少しばかり待ってくれるように。

ドリームCB350 セニア
1972年 ドリームCB350セニア 空冷4ストロークOHC 2気筒のロードスポーツ。
旅で通りかかった集落で見つけた鯉のぼりでしょうか。ライダーも一緒に、五月晴れの澄んだ空気を体いっぱいにとり入れます。

ドリームCB500 FOUR
1971年 ドリームCB500FOUR。
見上げると、まばゆいほどの緑がライダーにふりそそぐ。暖かな光とともに、ライダーが幸福を感じることができる瞬間です。

ドリームCB350 エクスポート
1972年 ドリームCB350エクスポート。
星空がきれいな晩秋でしょうか。大都会のネオンがまるで流星のように流れていくようです。

ドリームCB350 セニア
1972年 ドリームCB350セニア。
色とりどりのファッションで街を行く人たちに、四季を感じたのでしょう。軽やかな歌声が聞こえてきそうです。

ベンリイCB125S
1970年 ベンリイCB125S 空冷4ストロークOHC 単気筒エンジンのロードスポーツ。
久しぶりに2輪で出かけたのでしょうか。目に映る並木までが歓迎してくれているようです。

ドリームCL250
ドリームCL250 ドリーム CB250をベースにしたストリートスクランブラー。
目的地の海はまだ見えませんが、鳥たちの様子で海までの距離が分かるのでしょう。

ドリームCL350
1971年 ドリームCL350 ドリーム CB350をベースにしたストリートスクランブラー。
2輪の走りに合わせるように、大空の雲たちも加速しています。

ドリームCL350
1971年 ドリームCL350。
朝日が一日の始まりを告げて、マシンを黄金色に染めていく時です。

ドリームCL450
1970年 ドリームCL450 ドリーム CB450をベースとしたストリートスクランブラー。
夜明けを待ちきれずに旅をスタートさせたライダーの心境なのでしょう。


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2025/10/07掲載