イタリア・ミラノで11月上旬に開催された国際二輪展示会・EICMA(エイクマ)で、「2X リアリスティック モーターサイクルシミュレーター」が発表された。同展示会はミラノショーとも呼ばれ、多数のニューモデルや関連パーツの新作が披露される世界最大級のイベントだ。
このシミュレーターは、新チーム「HICity Racing Aprilia」を今季立ち上げた岡谷雄太が、開発プロジェクト『PROTOTYPE』のテストライダーとして参加していることがシーズン序盤に公表されていたもの。開発を主導する渡辺光章CEOは「シミュレーターの精度を高め、バイクメーカーのテスト走行への活用や、憧れのバイクを操作できるリアルな体験をエンターテインメントとして提供したい」と述べ、研究を進めてきた。岡谷は筑波サーキットなどでセンサーを装着して実走し、データ収集を実施。シミュレーター上での走行とフィードバックを繰り返し、その内容が開発に反映されている。
今回発表されたモデルは、漫画『バリバリ伝説』(1983〜91年/ヤングマガジン掲載)の世界観をベースにしており、体験可能なコースは主人公・巨摩郡が走った「いろは坂」のほか、筑波サーキット、デイトナの3種類となっている。
岡谷は「筑波サーキットは自分がテストしたコースでもあり、かなりリアルに再現されています。いろは坂も面白いですし、デイトナのバンクも迫力があります。現在は3コースですが、今後追加されていくのが楽しみです。個人的に体験して、めちゃくちゃ楽しく、感動しました」とコメントした。
商品化は現時点で未定だが、岡谷は「大きな一歩を踏み出せたと感じています。開発に関われて光栄ですし、この『2X リアリスティック モーターサイクルシミュレーター』を通じて、多くの人にバイクの楽しさやレースの魅力を知ってもらえたらうれしいです」と話している。
(文:佐藤洋美)










