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バイク承前啓後






 

高山さんのバイク承前啓後 第58回 浅間ミーティング続編 「浅間二輪車記念館訪問記」

 
 2025年5月25日(日)、第99回浅間ミーティングにスーパーカブ110で参加しました。この様子は前回で紹介いたしましたが、帰路の途中で浅間二輪車記念館を1年ぶりに訪れました。浅間レーサーヤマハYDS1を復元した鈴木飛雄さんに、「記念館にはお爺ちゃんが獲得したトロフィーが展示されているので、ぜひ見て帰ってください」と教えてもらいました。

ヤマハYDS1 浅間レース出場車
ヤマハYDS1 浅間レース出場車
1959年 ヤマハYDS1 浅間レース出場車 (2ストローク2気筒250cc)。第2回全日本モーターサイクルクラブマンレースのベテランクラスで鈴木三郎氏が乗って優勝を獲得したマシン。お孫さんにあたる鈴木飛雄さん(写真左)が復元して、66年ぶりに浅間の地でお披露目されました。写真右は、鈴木三郎氏とYDS1浅間レーサー(ミーティング会場の写真パネルより)。

【浅間二輪車記念館の展示物】


※展示物の年式や車名などは、説明パネルを基本にしています。

第1回浅間高原レースの横断幕
第1回浅間高原レースの横断幕
1955年の第1回浅間高原レースで使用したスタートとゴールの横断幕の展示は健在です。昨年と比べると、展示車両の入れ替えがありました。

鈴モナークF1(浅間仕様)
1955年のモナーク工業製「モナークF1(浅間仕様)」は見応えがある車両です。4ストローク単気筒250ccバーチカルタイプのエンジンを搭載。
鈴木三郎氏の賞状
1959年の浅間レースで優勝を獲得した鈴木三郎氏の賞状がありました。ミーティング会場のマシンを思いだしながら見ると、格別なものがあります。

ヤマハYDS1
1959年 ヤマハYDS1。
ヤマハ陣営のピット
1959年 浅間火山レースのヤマハ陣営のピット。浅間火山レースで活躍した、ヤマハYDS1(2ストローク2気筒250cc)のノーマル車とその年のヤマハ陣営のピットの様子が分かる貴重な写真がありました。

ベンリイCB92スーパースポーツ
1963年 ホンダ ベンリイCB92スーパースポーツ。4ストローク2気筒125cc。CB92は、1959年の浅間火山レースで北野元選手が鮮烈な優勝を飾るなど、さまざまなエピソードを残してきました。
ライナーTW
左 1955年 北川自動車工業 ライナーTW 4ストロークOHC縦置き2気筒250cc。縦置きエンジンのため右側から2本のエキゾーストパイプが見えます。シャフトドライブを採用したユニークな高級モデルです。右 1958年 山田輪盛館(日本高速機関製) HOSK ロードクインDB。英国車を思わせるスタイリングに、4ストロークOHC2気筒500ccエンジンを搭載。車名のHOSKは、設計製作者の堀、大関、清水、木村各氏の頭文字から命名されました。

ベビーライラックSF
ベビーライラックSF
1953年 丸正自動車製造 ベビーライラックSF 4ストローク単気筒90cc。パネルは、1955年の浅間高原レースのウルトラライトクラス(125cc)でベビーライラックがメーカー賞2等を獲得したことを伝えるライラックタイムス。この浅間高原レースでは、ライトクラス(250cc)にライラックSYで出場した16歳の天才ライダー伊藤史朗(ふみお)選手が衝撃の優勝を果たしたことも大きく報じています。

【1950年代から70年代の実用車を見る】


 今年に展示車両の入れ替えがあり、これまでのスーパーカブなどのモペッドタイプから、希少な実用車の展示に変わりました。

トヨモータース センター号
1953年 トヨモータース センター号 2ストローク単気筒90cc。軽量な車体に大型のリアキャリアを備え、運搬に活躍した実用車。駆動はベルト式。

ブリヂストン 41モーター
1955年 ブリヂストン 41モーター。2ストローク単気筒50cc自転車用補助エンジンは、さまざまな自転車に取り付け可能ですが、この展示車はブリヂストン製の自転車というのが特徴。説明パネルには、ブリヂストン自転車と記載されていますが、1953年にはブリヂストンタイヤに社名が変更されました。
スズキ K125
左 1967年 スズキ K125 2ストローク単気筒125cc。単気筒ながら2本マフラーを採用。右 1968年 ホンダ ドリームCD250 4ストロークOHC2気筒250cc。実用車CDシリーズの最大排気量車でローターリー式ミッションを採用。

赤バイ
1970年 ホンダ ドリームCD250 赤バイ 4ストロークOHC2気筒250cc。寄居消防署で使用されていた通称「赤バイ」。リアに2本の消火器を装備しています。
メグロ 500K1P
1964年 メグロ 500K1P (白バイ) 4ストロークOHV2気筒500cc。東京オリンピック用に500台生産された中の1台。当時は、日本を代表する大型二輪車として白バイに採用されていました。

説明パネル
説明パネル
記念館には、施設設立の意義や展示に込められた思い、そして浅間で繰り広げられた日本最大のオートバイレースのコース説明パネルを見るのも、一つの楽しみです。

 浅間二輪車記念館は有料です。季節によって閉館になりますので、事前に確認されることをお勧めします。日本のオートバイメーカーが威信と技術力を賭けて挑んだ浅間火山レースの歴史には、感動する数々のストーリーに出会えます。
<ご参考> 浅間二輪車記念館の紹介サイト
https://www.asamaen.tsumagoi.gunma.jp/kinen.html


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2025/06/26掲載