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バイク承前啓後






 

高山さんのバイク承前啓後 第57回 スーパーカブで駆けつけた17年ぶりの浅間ミーティング

 
 5月25日(日)、第99回浅間ミーティングにスーパーカブ110で参加しました。
 浅間ミーティングクラブに加入したのは、中沖満さんと交流させていただいた縁で、1988年頃だったと思います。年2回開催されるミーティングは、仕事の関係で参加する機会が少なかったのですが、浅間記念館には、1年に1回訪問して「浅間の空気」を満喫していました。今年は、2008年にホーネット(250)で参加以来17年ぶりのミーティングになりました。では、ほんの一部ですが、会場で気になった車両を紹介いたします。

フライバードTN
1951年 土井産業 フライバードTN (4ストロークOHV 150cc) 。


 この車両は、現在76歳となる津島イトーモータース社長の伊藤徳尚さんが、6歳の時に愛知県津島市の天王川レースにデビューし少年の部で優勝したマシンを再現。オーナーの冨成さんは、愛知県で名古屋郷土二輪館の館主をしている有名人です。

ヤマハYDS1 浅間レース出場車
ヤマハYDS1 浅間レース出場車
1959年 ヤマハYDS1 浅間レース出場車 (2ストローク2気筒250cc) 。

 第2回全日本モーターサイクルクラブマンレースのベテランクラスで鈴木三郎氏が乗って優勝を獲得したマシン。お孫さんにあたる鈴木飛雄さん(写真)が復元して、66年ぶりに浅間の地に甲高い2ストロークエンジンのエキゾーストノートがこだましました。

ヤマハYD1
1957年 ヤマハYD1 (2ストローク2気筒250cc) 。

 ゼッケン533は、1959年のクラブマンレースに出場した古山長治(こやま ちょうじ)氏が付けていたゼッケンプレート。同じ時に出場していた鈴木三郎氏の遺品に残されていたものでした。66年の時を超えて2台のゼッケンプレートが浅間の地で披露されました。

マーチン号H型
1957年 マーチン製作所 マーチン号H型 (2ストローク2気筒250cc) 。
ブリヂストン350GTR
1967年 ブリヂストン350GTR 輸出車 (2ストローク2気筒350cc)。

 マーチン号H型は国産二輪車として初めて2ストローク2気筒エンジンを搭載したモデルです。
 ブリヂストン350GTRはブリヂストンのフラッグシップに相当するスーパースポーツモデル。1967年当時、国産の2ストローク2気筒エンジンは350ccが最大クラスで、BSの350GTR、ヤマハR1、カワサキA7の3車種がありました。

ドリームCⅢ72
1963年頃 ホンダ ドリームCⅢ72 営林署仕様 (4ストロークOHC 2気筒250cc) 。
ホンダ スポーツカブC111
1960年 ホンダ スポーツカブC111 (4ストロークOHV単気筒50cc)。

 1963年に発売されたCⅢ72は、前後16インチタイヤを装着したビジネスモデルです。こちらは、営林署仕様の希少車で営林署オリジナルカラーとなっています。当時は、このバイクで山々を巡回していた様子がうかがえます。
 スポーツカブC111はスーパーカブのエンジンを搭載したスポーツモデル。スポーツカブには、アップマフラー、ロングシートのC110と、こちらのダウンマフラー、ショートシートのC111がありました。

ベンリイCD125S
1970年 ホンダ ベンリイCD125S (4ストロークOHC単気筒125cc) 。
セルペット80K10
1962年頃 スズキ セルペット80K10 (2ストローク単気筒80cc)。

 スポーツモデルのCB125Sと同時に新発売されたビジネスモデルのCD125S。ローターリー式4速ミッションやフルカバードチェンケースを装備しています。若いオーナーは、ベンリイのビジネスモデルにこだわっている方でした。
 セルペット80K10は50cc並みのコンパクトな車体に、力強い80ccのエンジンを搭載したビジネスモデル。混合給油のため、2ストロークオイルを携帯しながらGASスタンドではタンクの中で上手く混ぜ合わせているとの事。こちらも若いオーナーでした。

スーパーカブ110・60周年記念車
2018年 ホンダ スーパーカブ110・60周年記念車 (4ストロークOHC単気筒110cc)。
100回年記念ワッペン
100回年記念ワッペン。

 こちらのスーパーカブ110は、私の相棒で、背景は浅間山です。浅間ミーティングではとても新しい部類になります。往復320キロを快調に走ってくれました。峠道が多いにも関わらず、燃費は68km/Lと家計にも優しく交通費は800円のガソリン代のみでした。
 10月には、第100回の浅間ミーティングが開催されます。初代理事長の中沖満さんらが立ち上げた浅間ミーティングクラブは50周年を迎えます。参加するときは、会員にプレゼントされた100回年記念ワッペンを身に着けて浅間を目指したいと思います。
 新旧、日本、海外メーカー、排気量問わず、そしてテクニックの上手い下手も関係なし。違反と怪我なく無事に帰ることを一番大切にしているミーティングですから、長く継続できているのだと思います。そして、企画と運営に携わっているクラブ員の方々の努力の成果です。


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2025/06/11掲載