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レース・イベント

第40回 =バイアルスTL125誕生、木村治男氏チャンピオン獲得50周年記念= 
10月22日(日)、スポーツランドSUGOでヴィンテージ・トライアル・ミーティングを開催

 
 2023年は、1月にホンダからバイアルスTL125が発売され、11月にはMFJによる全日本トライアル選手権第1回大会が開催されてから、ともに50周年を迎えました。
 記念すべき第1回大会は、全国の各ブロックから選抜された126名がエントリーし、神奈川県の早戸川会場で開催されました。激戦を制したのは、ヤマハTY250を駆る19才の木村治男選手で、初代の全日本チャンピオンに輝きました。

 
 この記念すべき年に何かできないか? と、イベントプロデュースを手掛ける小沢和之さんと思案していました。結論に達したのは、10月22日にスポーツランドSUGOで開催されるMFJトライアル全日本選手権の時に、トライアル愛好家が集まって楽しむ企画でした。
 行動派の小沢さんは、スポーツランドSUGOを訪ねて交渉してくれました。検討いただいた結果、スポーツランドSUGOにて参加者募集と会場の提供を快く引き受けてくださいました。そして、木村治男氏の招聘と初代チャンピオンマシン「TY250」の展示にも協力いただけることになったのです。
 事前の舞台は整いました。小沢さんは現場責任者、私は広報担当と木村さんステージの進行役となり、前日に菅生入りし会場の準備に取り掛かりました。

SUGOのピット
借用したSUGOのピットでは、小沢さんがパネルや案内板などを作成中。

 
 イベント当日の10月22日(日)は、寒波により気温は低いものの、晴天に恵まれました。早朝7時に、川崎市から参加のトライアルレジェンド、成田省造氏が一番乗り。トランスポーターから降ろされたマシンは、1973年にSSDTに出場したバイアルスTL125です。木村氏のTY250とともに、50周年を飾る豪華な共演となりました。

成田省造氏
成田省造氏と1973年のSSDTに出場したバイアルスTL125。マシンには激戦の跡が多数残っています。当日は、一発でエンジンが始動しました。

木村治男
木村治男
1973年 木村治男氏のライディングで、MFJ初代チャンピオンマシンに輝いたヤマハTY250。

ヤマハニュース
50年前の大会の様子を紹介したヤマハニュースをパネルにして展示。(スポーツランドSUGO提供)
9台の希少なヴィンテージトライアルマシン
29台の希少なヴィンテージトライアルマシンとオーナーが集まってくださいました。

成田氏のTL125を前に
成田氏のTL125を前に、木村治男氏、そして三谷正次氏(左端)もトライアル談義に花を咲かせているようです。こんな光景はめったに見られません。。

 
 会場に展示されたヴィンテージトライアル車の中から数台紹介いたします。日本の4メーカーが生産したトライアル車が集まってくれました。

TL125改150
三谷氏のTL125改150。解説文には、ホンダと契約したサミー・ミラー氏用に製作された150ccエンジンが搭載と紹介されています。

スズキ RL250 公道仕様車 
スズキ RL250 公道仕様車。
カワサキ KX250
カワサキ KT250。

ホンダ バイアルスTL50
ホンダ バイアルスTL50。
ホンダ バイアルス TL250
ホンダ バイアルス TL250。

1980年 OSSA 350cc
1980年 OSSA 350cc。
1966年 グリーブス 250cc
1966年 グリーブス 250cc。

小沢コレクション
本部テントには”小沢コレクション”が並びました。
三谷コレクション
“三谷コレクション”のサミー・ミラーブーツなど。

【スペシャルゲスト 木村さんトークステージ】

 
 木村治男さんに、50年前の全日本選手権のエピソードや、その後のトライアル活動との関りなどを語っていただきました。
 第1回大会の2位はカワサキに乗る山本隆氏、3位はホンダに乗る万沢安夫氏でした。山本氏と万沢氏はともに今年に逝去されました。木村さんは、山本氏から背中を押されてトライアルの世界に入ったこと、そして万沢氏からさまざまな理論を学んだエピソードを紹介してくれました。イベント参加者全員で、両氏のトライアルへの功績を改めて理解するとともに、ご冥福お祈りしました。

第一回大会優勝の記念盾
第一回大会優勝の記念盾
秘蔵の第一回大会優勝の記念盾を持参してくれました。とても立派な優勝盾でした。

 
 ヴィンテージトライアルミーティングのゲーム大会は、タイムトライアル。自身のマシンで、一本橋などのセクションを走り、規定タイムに一番近い人が優勝。普段乗っているマシンでも、決められた時間内で走るのは難しいです。

タイムトライアル
タイムトライアル
タイムトライアルの1位から3位までの人には、スポーツランドSUGOが用意してくれたシャンパンを木村さんから贈呈しました。

TL125改150
タイムトライアルに参加された皆さん。

【ヤマハトライアルマシンの50年】

 
 スポーツランドSUGOは、ヤマハのホームグラウンドです。今シーズン、黒山健一選手と電動トライアルマシン「ヤマハ TY-E 2.2」が参戦しています。優勝まであと一歩のところまで仕上げられてきました。ここ菅生では優勝の期待が高まっていました。途中経過の1ラップ終了時点では、黒山選手がオールクリーンでトップを快走。この日ばかりは、私も黒山選手の優勝を願っていました。結果は優勝がホンダに乗る小川友幸選手。黒山選手はマシントラブルなどもあり残念な3位でした。

 50年のトライアルの歴史を凝縮したヴィンテージトライアルミーティングは無事終えることができました。企画から運営まで、全面的に協力いただいたスポーツランドSUGO様に感謝するとともに、遠方から駆けつけてくださった木村さんや成田さんなど、多くの皆様に感謝いたします。
 次回は、55年か60周年でしょうか? それまでお身体とマシンを大事にしてください。また会える日を楽しみにしています。

TL125改150
木村さんとTY250、そして黒山選手と最新のTYが並んだ写真を撮りたいと。この写真は、50年前のチャンピオンマシンTY250と木村治男さん。右は、今シーズンの電動トライアルマシンTY-E 2.2です。
小沢さん
イベントが終わり、ホッとしている小沢さん(成田さんとTL125とともに)。

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2023/11/27掲載