1990年以来久々のフルモデルチェンジで、エポックメイキングな出来事がスロットに差し込むPGMメモリカードの採用であった。メーター下のスロットに差し込むとシリアルナンバーの照合、イグニッションオン、ハンドルロック解除が全自動で行なわれる最新のシステムであったが、ヘルメットホルダーや小物入れには一般的なキーを使用するため、そのためのキーはPGMカードに差し込まれていた。他にも多機能液晶デジタルメーター、エンジン統合制御システムは8ビットから16 ビットのPGM-IVなど電子制御が大幅に進化している。スイングアームも片持ちのプロアームになった。しかし、さらに強化された馬力自主規制によって最高出力は40馬力にダウンした。スタンダードモデルのNSRはこの1994年モデルが最終型となり、以降はSPとSEのみが設定された。
1994年モデルをベースに、乾式クラッチを装備したSEを追加。乾燥重量は138kgに増加している。スタンダードは単色の設定だったが、SEはロスホワイト×スパークリングレッドとロスホワイト×リアルブルーの2色をラインアップ。価格は720000円。
1994年モデルをベースに、乾式クラッチ、マグネシウムホイール、ミシュランタイヤ、減衰力可変機構付フロントサス、リアサスにリザーバータンクを装備したロスマンズカラーのSP仕様を1500台限定で発売。価格は800000円。
SPをベースに、1994年のWGP500クラスでチャンピオンを獲得したワークスNSR500イメージのカラーを1500台限定で発売。価格は800000円。
1995年、WGP500クラスで2年連続チャンピオンを獲得した、マイケル・ドゥーハンのレプソルカラーのNSR500をイメージしたSP仕様を1000台限定で発売。価格は800000円。
1996年モデルのSEはグラフィックを変更。これがNSRシリーズとしては最後のカラーとなり、2000年代初頭まで販売された。価格は720000円。
[青春のQ2カタログその13 YAMAHA 水冷編-3| その14 HONDA 水冷編-3 |その15 SUZUKI 水冷編-2