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Q2


デジタル技術でフルモデルチェンジ


TZRやΓはパラツインでスタートし、Vエンジンへと進化していったがNSRは最初からVツインでスタートした。ゆえに基本的なエンジンレイアウトの変更を伴うフルモデルチェンジ(1990年モデルでエンジン内部は刷新)はおこなわれず、各部の変更による熟成化が続けられた。1993年モデルもエンジンレイアウトなど基本的な構造は継承されたが、電子技術の進化を反映するようにカードキーなどが新たに採用された。ただし馬力自主規制の強化により最高出力が40馬力になり、レーサーレプリカ本来の姿からは遠ざかりつつあったこともまた事実であった。
1993年11月 NSR250R(MC28)

1990年以来久々のフルモデルチェンジで、エポックメイキングな出来事がスロットに差し込むPGMメモリカードの採用であった。メーター下のスロットに差し込むとシリアルナンバーの照合、イグニッションオン、ハンドルロック解除が全自動で行なわれる最新のシステムであったが、ヘルメットホルダーや小物入れには一般的なキーを使用するため、そのためのキーはPGMカードに差し込まれていた。他にも多機能液晶デジタルメーター、エンジン統合制御システムは8ビットから16 ビットのPGM-IVなど電子制御が大幅に進化している。スイングアームも片持ちのプロアームになった。しかし、さらに強化された馬力自主規制によって最高出力は40馬力にダウンした。スタンダードモデルのNSRはこの1994年モデルが最終型となり、以降はSPとSEのみが設定された。

NSR250R ロスホワイト×スパークリングレッド
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(54×54.5mm) ●最高出力:40ps/9000rpm ●最大トルク:3.3kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:1970×650×1045mm ●軸距離: 1340mm ●乾燥重量:134kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ロスホワイト×スパークリングレッド ●発売当時価格:680000 円

1993年11月 NSR250R SE

1994年モデルをベースに、乾式クラッチを装備したSEを追加。乾燥重量は138kgに増加している。スタンダードは単色の設定だったが、SEはロスホワイト×スパークリングレッドとロスホワイト×リアルブルーの2色をラインアップ。価格は720000円。

NSR250R SE ロスホワイト×スパークリングレッド
NSR250R SE ロスホワイト×スパークリングレッド

NSR250R SE ロスホワイト×リアルブルー
NSR250R SE ロスホワイト×リアルブルー






1993年12月 NSR250R SP

1994年モデルをベースに、乾式クラッチ、マグネシウムホイール、ミシュランタイヤ、減衰力可変機構付フロントサス、リアサスにリザーバータンクを装備したロスマンズカラーのSP仕様を1500台限定で発売。価格は800000円。

NSR250R SP ロスホワイト×リアルブルー
NSR250R SP ロスホワイト×リアルブルー

1995年1月 NSR250R SP

SPをベースに、1994年のWGP500クラスでチャンピオンを獲得したワークスNSR500イメージのカラーを1500台限定で発売。価格は800000円。

NSR250R SP スパークリングレッド
NSR250R SP スパークリングレッド

1996年1月下旬 NSR250R SP

1995年、WGP500クラスで2年連続チャンピオンを獲得した、マイケル・ドゥーハンのレプソルカラーのNSR500をイメージしたSP仕様を1000台限定で発売。価格は800000円。

NSR250R SP ヘレスブルーメタリック
NSR250R SP ヘレスブルーメタリック

1996年2月 NSR250R SE

1996年モデルのSEはグラフィックを変更。これがNSRシリーズとしては最後のカラーとなり、2000年代初頭まで販売された。価格は720000円。

NSR250R SE ロスホワイト×スパークリングレッド
NSR250R SE ロスホワイト×スパークリングレッド

NSR250R SE ロスホワイト×ウラヌバイオレット
NSR250R SE ロスホワイト×ウラヌバイオレット



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2020/08/24掲載