1991年3月 YAMAHA TZR250R(3XV)
ワークスレーサーYZR250と同レイアウトの新設計90度V型2気筒エンジンでフルモデルチェンジ。ニューアルミデルタボックスフレーム、前後17インチなどYZR250のコンセプトをダイレクトに継承した車体は小型軽量コンパクトサイズとなり、それを誇るように車名にもうひとつRが追加された。スタンダードモデルの発売に先立ち、乾式クラッチ、クロスミッション、TM36SS キャブ、φ41mm減衰力調整付きフロントフォーク、ダブルコアラジエター、カラー圧入タイプホイール、シングルシート、クイックファスナーなど専用装備を施したSP仕様が500台限定で2月に先行発売された。ライバルのNSR、Γと同様にVツインエンジンでTZRも同じ土俵に上がったこの時代が、レーサーレプリカブームの頂点期であったといえよう。
TZR250R シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1
TZR250R ダークグレー×ニューヤマハブラック
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:126<128>kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1、ダークグレー×ニューヤマハブラック ●発売当時価格:629000<829000>円 < >はSP
1992年2月 YAMAHA TZR250R
スイングアームの剛性アップ、キャブやCDI制御マップセッティング変更などによって低速性能とレスポンスが向上。ハザードランプの追加、フロントフォークメタルの改良、リアショックにXリングを採用するなど細部も熟成化された。この年からヘッドライトは常時点灯化。SP仕様は前年12月、500台限定で先行発売。SPの外観上の特徴であった黒ゼッケン風のレールカウルは、スタンダードモデルにも採用された。
TZR250R シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:126<128>kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1、ダークグレー×ニューヤマハブラック ●発売当時価格:639000円<839000円> < >はSP
1992年4月 YAMAHA TZR250RS
スタンダードモデルをベースに、乾式クラッチを標準装備したRSが新たに登場。シートカウル、フロントカウルに配されたイエローゼッケンプレート風の塗り分けが外観の特徴。車体色はシルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1のみ、1000台限定発売で、価格は669000円。 主要諸元はスタンダードモデルから変更はない。
TZR250RS シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1
1992年12月 YAMAHA TZR250R SP
前年末先行発売されたSPの1993年モデルは、燃焼室形状、排気ポート形状などを改良したシリンダー形状はつづみ形からフラットタイプに変更、YPVSは市販レーサーTZ250からそのまま移植された。サイレンサー内部構造は2段膨張式から3段に変更され静粛性が向上した。また、40馬力の新馬力自主規制対応のため、キャブレターはTM36SSからTM32SSに変更された。500台限定発売。
TZR250 SP ブルーイッシュホワイトカクテル1
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:40ps/9000rpm ●最大トルク:3.5kg-m/7500rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:128kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ブルーイッシュホワイトカクテル1 ●発売当時価格:890000円
1993年1月 YAMAHA TZR250R RS
乾式クラッチ標準装備のRSも40馬力に。SPと同等のフレーム、減衰力調整付きのφ41mm倒立フロントフォーク、ピギーバック式モノクロスサスを装備。剛性、操縦安定性などをアップ、デューティ制御(デジタル制御)オイルポンプを新たに採用した。RSの特徴だったゼッケン風塗り分けは、黄色からSPと同じ黒に。車体色はブルーイッシュホワイトカクテル1。
TZR250 RS ブルーイッシュホワイトカクテル1。
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:40ps/8500rpm ●最大トルク:3.6kg-m/7000rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:126kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ブルーイッシュホワイトカクテル1 ●発売当時価格:699000円
1993年2月 YAMAHA TZR250R
SP、RSに続きスタンダードモデルもモデルチェンジ。RSに採用されたデューティ制御オイルポンプの採用により、オイル消費量を低減させた。レーサーレプリカブームの凋落の激しさを示すようにTZRシリーズのスタンダードモデルはこれが最後となり、以降はSPやRSのみの設定になっていく。車体色はブルーイッシュホワイトカクテル1のみ。価格は659000円。主要諸元はRSと同様。
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:40ps/9000rpm ●最大トルク:3.5kg-m/7500rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:126kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ブルーイッシュホワイトカクテル1 ●発売当時価格:659000円
1993年12月 YAMAHA TZR250R SP
ブラッシュのニューグラフィックとなった1994年モデルのSP仕様も、デューティ制御オイルポンプを採用。排気ポート形状、エアークリーナーからキャブへのジョイント形状、リアサスのセッティングなどが変更された。500台限定。
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒 ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:40ps/9000rpm ●最大トルク:3.5kg-m/7500rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:128kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ブルーイッシュホワイトカクテル1。 ●発売当時価格:895000円
1994年1月 YAMAHA TZR250R RS
1994年モデルのRSは、SPと同じニューグラフィックに変更。ぱっと見るとSPと見分けにくいが、RSはタンデムステップを標準装備している。
1994年12月 YAMAHA TZR250 SPR
TZRシリーズの最終型は、レーサーレプリカブームの凋落を表すように、1台で市街地走行性能、SPレース参戦と異なる条件下でのポテンシャルアップを狙い、SPとRSの統合バージョンのような新機種のSPRとなった。ベースは1994年SPで、クロスチューブ鋳造部を一体化し剛性をアップしたアルミデルタボックスフレーム、よりきめ細かな制御が可能になった新機構のトリプルYPVS、半月タイプの新スロットルバルブにφ32相当の異形ボアの新キャブレターなどを採用した。
TZR250 SPR ブルーイッシュホワイトカクテル1。
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(56×50.7mm) ●最高出力:40ps/9000rpm ●最大トルク:3.6kg-m/7000rpm ●全長×全幅×全高:1960×680×1075mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:132g ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色ブルーイッシュホワイトカクテル1 ●発売当時価格:780000円
[青春のQ2カタログその12 Kawasaki 水冷編| その13 YAMAHA 水冷編-3 |その14 HONDA 水冷編-3]