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エンタメ

バイクと出会って半世紀。子供の頃、バイクのカタログ集めに夢中になった山形の少年は、学校を卒業すると念願だったホンダに入社。1994年からは二輪広報を担当し、2020年定年退職するまで四半世紀、一貫して広報活動に従事した。バイクブームのあの時代からの裏も表も知り尽くした高山さんの視点でふりかえる、バイク温故知新の四方山話。それが「バイク・承前啓後(しょうぜんけいご)」。




高山農園便り

 タイトルのひとつになっている「晴耕雨読」について少し紹介させていただきます。
 埼玉県の片隅で25年ほど前から自称「高山農園」で野菜や果実を栽培しています。きっかけは、かみさんの一言「畑で美味しい野菜をつくりたい」。近所の家庭菜園で作業している人に相談しますと、地主さんを紹介してくれました。地主さん曰く「もう畑として貸し出せる土地は残っていないけど、昔茶畑だった所がある。ただし、笹竹が生い茂っているから、開墾するくらいの気構えがないとね。やるんだったら使っていいよ」「ありがとうございます。開墾してみます」という流れでした。竹の根っこというものは大変やっかいで、50センチ以上掘らないと取ることができません。1畳くらいを耕すのに1時間以上もかかりました。かみさんと二人でひたすら鍬を振るう日が続きました。努力が実り、1年目からトマトやきゅうりなどを収穫できました。少しずつ開墾して今では150平米くらいの段々畑にすることができました。
 では、四季折々の様子を収穫物と一緒にご覧ください。

【春】収穫よりも種まきと苗の植え付けがほとんどです。

河津桜
3月中旬、畑の一番上に植えた河津桜が咲きます。近所の人たちも楽しみにしてくれます。
絹さや
絹さやの収穫は4月下旬から。太らせたグリンピースの豆ごはんもたまらない。

【夏】収穫に追われる季節です。

夏野菜
こちらは、一日の収穫の一例です。ズッキーニは30センチくらいまで育てています。きゅうりは、毎年食べきれないのが悩みです。
みょうが
そうめんが食べたくなると、みょうがが最盛期を迎えます。

ラズベリー
ラズベリーはデリケートなので、毎日熟した実を収穫します。ジャムにすると格別。
玉ねぎ
玉ねぎの収穫後は濡れ縁で乾燥させた後、リビングに吊るして保存しています。他ににんにくもありますが、同じように乾燥させて保存しています。

【秋】柚子の収穫は一大イベントになります。

柚子
柚子
畑には、柚子と梅の木があります。柚子は300個くらい採れます。凶器のような棘がありますから、毎年悪戦苦闘なのです。柚子のマーマレードつくりの過程です。果汁の一部は凍らせて1年中使えます。自宅で消費するのは100個くらいで、残りは近所におすそ分けです。

八頭
八頭
八頭です。芋よりも茎をメインに食べます。乾燥させた「ずいき」は、私が生まれた山形県庄内地方のお雑煮に欠かせないのです。

食用菊
食用菊の「もってのほか」庄内地方の名産です。香りを楽しみながら、和食にも洋食にも合うのです。

【冬】春に向けた準備の季節。

絹さや
玉ねぎ
(左) 絹さやと(右)玉ねぎ。寒さに耐えながら、少しずつ成長します。冬を越すと味わいが増すのだそうです。

腐葉土
家の近くにある雑木林を管理するボランティアグループに加入しています。大量の落ち葉で作った腐葉土を無料でいただきます。山仕事で苦労した甲斐があります。畑にとって最高の肥やしなります。
リード農園仕様
リード農園仕様です。

【雨読】なかなか進みません。

雨読
こちらは、ホンダ創業者の本田宗一郎氏、藤澤武夫氏に関する書籍です。本を読むには体力と集中力が必要で、なかなか進みません。窓の向こうにいるのは雄猫のチャイ君。理想とする晴耕雨読に近づけるためには、「雨読」対策を何とかしなければならないと、2年ほど考えているのですが……。


高山正之
高山正之(たかやま まさゆき)
1955年山形県庄内地方生まれ。1974年本田技研工業入社。狭山工場で四輪車組立に従事した後、本社のモーターレクリエーション推進本部ではトライアルの普及活動などに携わる。1994年から2020年の退職まで二輪車広報活動に従事。中でもスーパーカブやモータースポーツの歴史をPRする業務は25年間に及ぶ。二輪業界でお世話になった人は数知れず。現在は趣味の高山農園で汗を流し、文筆活動もいそしむ晴耕雨読の日々。愛車はホーネット250とスーパーカブ110、リードのホンダ党。


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2022/04/27掲載