- ■文・写真:毛野ブースカ
- ■協力:ホンダモーターサイクルジャパン https://www.honda.co.jp/motor//
2日目は国道8号線を日本海に沿って柏崎市方面に進み、そのまま国道8号線を走って長岡市内を通過、国道351号線を進んで「道の駅 R290とちお」に到着。そこから国道290号線を越後湯沢方面に進み、最終目的地のJR越後湯沢駅に向かうルートだ。当初は違うルートだったのだが中越地方のB級グルメが食べたくなり、前日にルートを変更した。
県道579号線を直江津方面に進み、国道8号線に差し掛かったところで国道8号線を柏崎市方面に進む。国道8号線から日本海はチラチラ見えるが、もっと間近で見たかったので国道8号線から海沿いの県道129号線に入って進む。交通量がグッと少なくなり、日本海を間近で見ることができた。日本海を見たところで国道8号線に戻って柏崎市を目指す。柏崎市で海鮮料理を食べようと思ったが時間が早くてどこも営業していない。今回は海鮮料理を諦めて国道8号線を長岡市方面に進む。
長岡市のB級グルメを調べると長岡生姜醤油ラーメンがヒットする。長岡ラーメンが食べられるところを検索したところ「道の駅 ながおか花火館」で食べられそうなので、ここを目指すことに。国道8号線の関越自動車道・長岡ICからほど近いところに道の駅はあった。館内のフードコート「ながおかKitchen内にあるラーメン店「塩中華 八潮」で長岡生姜醤油ラーメンを発見。無事長岡生姜醤油ラーメンを食べることができた。
「道の駅 ながおか花火館」の次に向かったのは国道8号線を進み、そのまま国道351号線を栃尾方面に進み、国道290号線に差し掛かったところにある「道の駅 290とちお」。ここでは栃尾名物の「あぶらげ(油揚げ)」が食べられる。2年前に訪れた時に初めて食べて美味しかったので、今回も食べることにした。この道の駅では店外のあぶらげ販売コーナーに加えて、店内の食堂ではあぶらげ定食が食べられる。今回はあぶらげ販売コーナーで「ねぎ付きあぶらげ」を購入した。
長岡生姜醤油ラーメン、あぶらげを食したところで、最終目的地であるJR上越線の越後湯沢駅に向かう。山あいの長閑な田園風景が続く国道290号線を只見町方面に進み、国道252号線に差し掛かったところで国道252号線を小出方面に向かう。途中国道17号線と交わるので、国道17号線を南魚沼市方面に進む。国道17号線は流れがスムーズでストレスなく走れる。湯沢町が近づくにつれて燃料ゲージの目盛りが残り1つとなった。たまたま前日に給油したガソリンスタンドが見えてきたので給油することにした。ここまで592.7㎞走行して給油量は7.69リットル、前回給油時から310.9㎞走行して燃費はリッター40.4㎞。リッター40㎞の大台を突破した。流れのいい一般道を走行しただけではなくEクラッチも多少なりとも貢献しているのだろう。この燃費なら給油せずに東京に戻れるだろう。
給油完了後、国道17号線を走ってJR越後湯沢駅に到着。ここでは駅構内のCoCoLo湯沢内にあるこの地域の名物「へぎそば」が食べられる「越後十日町小嶋屋 越後湯沢店」と、南魚沼産コシヒカリを使用した大きなおにぎりが食べられる「ぽんしゅ館 爆弾おにぎり家」に立ち寄った。冒頭に書いた「ここを訪れるたびに必ず食べているお気に入りのグルメ」とはこの爆弾おにぎりである。初めて食べたのは20年ほど前だが、ただ大きいだけではなくお米が美味しいのだ。へぎそばを食べた後でもペロリと食べてしまった。CoCoLo湯沢には天然温泉に酒風呂専用の日本酒を入れたお風呂が楽しめる「ぽんしゅ館 酒風呂」や食事処、お土産コーナーがあり、湯沢町を訪れたら是非立ち寄ってほしい。
所期の目的を達成したので、越後湯沢駅を出発して国道17号線と関越自動車道を走って東京に戻るだけだ。国道17号線を群馬県方面に向けて進む。県境が近づくにつれて坂道とカーブが多くなる。苗場スキー場と苗場プリンスホテルを通過して三国峠に差し掛かる。かつての三国トンネルは道幅がとても狭く走るのが怖かった。2022年に開通した新三国トンネルは道幅が広くなり走りやすくなった。三国峠を越えるとカーブが連続する下り坂になるのだが、ふと気が付いたのは、レブル250はワインディングロードで意外と走りやすく、無理なくスッと曲がれることだ。これはカーブを攻められるということではなく、一定のスピードで安心して曲がれるということだ。見た目には直線番長のようだが、レブル250の乗りやすさ・扱いやすさを実感できた。
三国峠から猿ヶ京温泉を通過するとカーブが少なくなり民家が多くなる。やがて国道17号線の新潟方面の玄関口である関越自動車道・月夜野ICに到着。ここから関越自動車道に乗って自宅に着いたのは20時30分だった。ここまでの総走行距離は815.6㎞、燃料ゲージは残り2目盛りとなっていた。最終的に試乗車を返却するまでに951.3㎞走行して給油量は9.28リットル、燃費はリッター38.6㎞となった。試乗車をお借りしてから湯沢町で給油した時とほぼ同じ燃費だ。都内の渋滞した中での走行だけだと数値は悪くなるだろうが、流れのいい一般道も含めての数値としてはかなり優秀だ。
レブル250と950㎞をともに走ったところで、あらためて「レブル250が売れている理由」を考えてみたい。今回は私以外のライダーの意見を聞いてみたいとの思いから、私の知り合いの20代の女性ライダーに協力してもらい、初めてレブル250に跨ってみた率直な感想を聞いてみた。
「アメリカンタイプのバイクには乗車姿勢に少し不安がありましたが、レブル250はハンドルやステップの位置が自然だなと感じました。長時間走っても疲れにくそうです。身長158cmの私の場合では、足つきは低すぎず軽く膝が曲がる程度で窮屈さはありません。さらに、足つきの良さに加えて車体重量も扱いやすく、ハンドルの切れ角が大きめなので、取り回しへの不安を感じませんでした。ボディカラーも爽やかでとても魅力的です。のんびり走りたい時にも、ちょっと冒険してみたい時にも、幅広いシーンで楽しめる1台だと思いました!」
この感想は言い得て妙だと思う。実は私も乗り始めるまではレブル250に対してどちらかというとネガティブな印象を抱いていたのだが、実際に乗ってみてレブル250の印象が良くなったのだ。
レブル250を新車で購入する層は若い方が多く、女性も多いという。SNS世代の若い彼らはSNSで話題になっているものに対して敏感だ。そんな彼らがSNS上でレブル250を見かけてカッコいいと思ってバイクショップに行ってみる→実際に跨って乗りやすそうだと感じて購入する→その様子をSNS上で見た方がレブル250を欲しくなってバイクショップに行ってみる…こうした連鎖によってレブル250は売れ続けているのだろう。まさにSNS世代のバイクと言ってもいいかもしれない。
今回の実走検証では優れた燃費性能を披露してくれたが、スペック上ではお世辞にも突出した走行性能を有しているわけではない。実はそこが重要だ。言い切ってしまえばスペックはそこそこで、乗りやすさや見た目を重視しているのだ。スペックだけで表すことができないライダーが現車を見てカッコいいと思う視覚的な部分と、跨ってみて良いと感じる感覚的な部分がしっかり煮詰められている。スタイルをアメリカンクルーザーに寄せつつも低いシート高や車体中央付近にあるステップ、高い位置にある燃料タンク、フラットなハンドルなど、レブル250特有のスタイルは、単なる偶然やデザイナーのいたずらではなく、見た目と乗りやすさを考え抜かれたうえでのものだといえる。
今回、国民的アイドルのレブル250の素顔を暴こうかと意気込んでみたが、さらに魅力的であることがわかってしまった。そしてEクラッチ仕様は扱いやすくてビギナーへの訴求効果も高く文句が付けられない。ルックスが良くて、勉強もスポーツもできてリーダーシップもある優等生……悔しいけれどそれがレブル250のEクラッチ仕様だ。今後どこまでレブル250の快進撃が続くのか楽しみでならない。(完)
(文・写真:毛野ブースカ)
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