HONDA CRF450R/CRF450RX/CRF250R/CRF250RX 車両解説
2000年のMFJモトクロス日本グランプリで、プロトタイプ車を世界に先駆けてデビュー。そして翌年の2001年から全日本モトクロス選手権シリーズ及び、AMAモトクロス選手権でワークスチームが使用開始したホンダの4ストロークモトクロッサーCRFシリーズ。この年の11月10日にCRF450Rとして一般市販も開始された。
その後2年遅れで登場したCRF250Rとともに、4ストロークエンジンを搭載するホンダの新時代環境対応モトクロッサーとして進化を続けているのがCRFシリーズだ。
2016年11月発売の2017年モデルでは、フルモデルチェンジが行われ、独自のストレート吸排気レイアウトを採用した新エンジンを、これまた後輪への荷重分布を引き上げてトラクション性能を向上させた新設計の高剛性フレームに搭載した。また、このモデルチェンジを機に、エンデューロレースに照準を定めたニューモデル、CRF450RXが登場した。エンデューロレースでの競技専用車として扱いやすい特性を追及するとともに、セルフスターターを標準装備するなどの特別仕様のモデルとなっている。
2022年10月には、CRF450R/CRF450RXがエンジン吸気系の仕様、サスペンションのセッティングを変更。CRF450Rではプロダクトブランド「CR」の誕生50周年を記念したカラーリングを採用。CRF250R/CRF250RXではラジエーターシュラウド側面のグラフィックデザインを変更。
2022年モデルはCRF450R/CRF450RXのエンジン吸気系の仕様を変更。低中速域の出力ならびにトルクの向上が目的で、吸気系ではスロットルボアの小径化や、ファンネルの伸長に加え、バルブのスプリングレートやポート形状、バルブタイミングなどを変更。それに合わせFIセッティングを最適化した。
車体周りでは、フレームのダウンチューブ部分のフロントジョイントとリアクッションアッパーブラケットのアルミ肉厚を増し、フレーム剛性を最適化。また、シリンダーヘッド部のエンジンマウント素材をアルミからスチールへと変更し、形状を最適化とすることでフロントタイヤの安定性に貢献している。 足まわりは、フレーム剛性の最適化に合わせて前後サスペンションのセッティングを変更することで、優れた走破性や操作性に寄与していると発表されていた。
2024年モデルはCRF450Rのみ受注期間限定でグラフィックデザイン変更
今回は、メインフレームの70%を新規設計、前後サスの剛性と内部構造を見直しと吸気系の仕様を変更、新設計フロントブレーキキャリパーの採用、シュラウド形状、サイドカバー形状を変更などがおこなわれた。
★ホンダ ニュースリリースより (2024年7月18日)
「CRF450R」「CRF450RX」「CRF250R」「CRF250RX」の仕様を変更し発売
Hondaは、モトクロス競技専用車「CRF450R」「CRF250R」とエンデューロ競技専用車「CRF450RX」「CRF250RX」、の仕様を変更し、8月29日(木)に発売します。
●シュラウド形状とグラフィックデザイン、サイドカバー形状を変更し、フロントフェンダーにウイングマークを採用
●メインフレームの70%を新規設計し、剛性バランスを最適化
●前後サスペンションの各部剛性と内部構造を見直し、セッティングを変更
●新設計のフロントブレーキキャリパーを採用
●吸気系の仕様変更によりスムーズな出力特性に寄与
●CRF250R及びCRF250RXにも、Hondaセレクタブル トルク コントロールを採用
CRF450R、CRF250Rはライダーを勝利に導く最適なハードを提供し続けることを目指し、モトクロス競技における高い戦闘力を追求したモデルです。
CRF450RXはCRF450Rをベースに、CRF250RXはCRF250Rをベースに、ナックルガードやサイドスタンドを標準装備したほか、タンク容量を増量させるなど、エンデューロ競技に対応する仕様としたモデルです。
カラーリングは、Honda オフロードモデルの力強さと情熱を表現する、エクストリームレッドを 採用しています。
=CRF450R/CRF450RX、CRF250R/CRF250RX 共通の主な変更点=
メインフレームの70%を新設計し、リアフレームとの締結部の構造を見直すなど剛性の 最適化を図ることで、荒れた路面における走行時の車体安定性に寄与させています。
フロントサスペンションは、アウターチューブの剛性と内部構造を見直したほか、リア サスペンションは、内部構造の見直しに加えてリンク機構の設定を最適化し、スムーズな減衰力 制御に寄与させています。
新設計のフロントブレーキキャリパーは、ピストンを変更するとともに、ピストンシール/
ダストシール溝を見直すことで、高温時の剛性変化減少に貢献しています。
エンジンは、吸排気経路の構造を最適化し、スムーズな出力特性に寄与しています。
シュラウド形状及びグラフィックデザインとサイドカバーの形状を変更したほか、フロント フェンダーに Honda ウイングマークを採用しています。
=CRF250R/CRF250RXの主な変更点=
CRF250R/CRF250RXには、CRF450R/CRF450RX で採用されている、3段階のレベル 選択が可能な Honda セレクタブル トルク コントロールを新たに採用し、路面状況の変化による リアタイヤ空転を抑制、効率の良い動力伝達に貢献しています。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- CRF450R 40台
- CRF450RX 10台
- CRF250R 250台
- CRF250RX 50台
- ●メーカー希望小売価格
- CRF450R 1,056,000円(消費税抜き本体価格 960,000円)
- CRF450RX 1,078,000円(消費税抜き本体価格 980,000円)
- CRF250R 869,000円(消費税抜き本体価格 790,000円)
- CRF250RX 885,500円(消費税抜き本体価格 805,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金〔消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- ※CRF450R、CRF450RX、CRF250R、CRF250RXは道路および⼀般交通の用に供する場所では一切走行ができません。また、登録してナンバープレートを取得することもできません
- ※走行場所には十分注意してください。私道や林道、河原、海辺などの公共の道路以外の場所でも、人や車が自由に出入りできるところは道路とみなされ、道路交通法および道路運送車両法の違反になります
主要諸元
車名型式 | PE07 | |
---|---|---|
CRF450R〈CRF450RX〉 | ||
発売日 | 2024年8月29日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 2,183×827×1,265〈2.175×839×1,280〉 | |
軸間距離(mm) | 1,483〈1,478〉 | |
最低地上高(m) | 0.333〈0.332〉 | |
シート高(m) | 0.961〈0.958〉 | |
車両重量(kg) | 113〈116〉 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | – | |
燃費(km/L) | – | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | – | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク単気筒SOHC(ユニカム)4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 449.7 | |
内径×行程(mm) | 96.0×62.1 | |
圧縮比 | 13.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | – | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | – | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | DC-CDI | |
潤滑油方式 | – | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 6.3〈8.0〉 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.133 |
2速 | 1.705 | |
3速 | 1.421 | |
4速 | 1.210 | |
5速 | 1.043 | |
減速比1次/2次 | 2.357×3.769〈2.357×3.846〉 | |
キャスター(度) | 27°19′〈27°27′〉 | |
トレール(mm) | 115〈116〉 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M〈90/90-21 54M〉 |
後 | 120/80-19 63M〈120/90-18 65M〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | アルミツインチューブ |
(Honda測定値)
※製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
※〈 〉内はCRF450RXのデータです
主要諸元
車名型式 | ME12 | |
---|---|---|
CRF250R〈CRF250RX〉 | ||
発売日 | 2024年8月29日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 2,179×827×1,262〈2,176×839×1,278〉 | |
軸間距離(mm) | 1,483〈1,478〉 | |
最低地上高(m) | 0.333〈0.331〉 | |
シート高(m) | 0.955〈0.958〉 | |
車両重量(kg) | 107〈110〉 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | – | |
燃費(km/L) | – | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | – | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249.4 | |
内径×行程(mm) | 79×50.9 | |
圧縮比 | 13.9 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | – | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | – | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | DC-CDI | |
潤滑油方式 | – | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 6.3〈8.0〉 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.384 |
2速 | 1.933 | |
3速 | 1.600 | |
4速 | 1.350 | |
5速 | 1.153 | |
減速比1次/2次 | 3.047×3.846 | |
キャスター(度) | 28°24′〈27°26′〉 | |
トレール(mm) | 117〈116〉 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M〈90/90-21 54M〉 |
後 | 100/90-19 57M〈110/100-18 64M〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | アルミツインチューブ |
(Honda測定値)
※製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
〈 〉内はCRF250RXのデータ