SUZUKI KATANA 車両解説
2000年の“ファイナルエディション”を最後にラインアップから消えていた“カタナ”が「新たなるストリートバイクの伝説を鍛造する(Forging a New Street Legend.)」として復活したのは2019年5月。
1980年のケルンショーに出品され多大な注目を集め、翌2001年に、ほぼそのショーモデルと同じいで立ちのままで市販され、さらに大きな話題となったGSX1100S KATANA。その個性的なスタイリングから、熱狂的なファンとともに独自のマーケットを開拓し、稀代の名車の仲間入りしたのはご存知の通り。
初代カタナの発売開始当時、国内ではリッタークラスのスポーツバイクは自主規制されており、そのため膨れ上がった国内への市販化リクエストに応えて、国内向けにわざわざ750版のモデルを開発したほどだった。
“ナナハン”版のGSX750Sカタナの販売は1982年2月。車体は、ほぼGSX1100S版と同様のデザインが採用されたが、これまた当時の保安基準がネックとなり、ハンドルが異様な姿の“耕運機型”と揶揄されたアップデザインのものを取り入れざるを得ず、車両を購入したオーナーがオリジナルの姿を標榜するデザインのアフターパーツへ交換。それを当局が目の敵として取り締まった、などという逸話なども「とにかく規制、規制」の時代だったことを表したエピソードといえる。
それはともかく、国内でもカタナ人気は高まる一方で、その後1991年5月にはGSX250Sカタナ、1992年4月にはGSX400Sカタナと、国内専用仕様のカタナシリーズも発売された。
GSX1100Sが源流のKATANAスタイル以外のカタナも多く存在し、ノンカウル版のカタナといえるGS650Gカタナ(1981年発売)、GSX400Eカタナ(1982年発売)、GSX250Eカタナ(1982年発売)、GS125Eカタナ(1982年発売)などを一族とすることもある。
ちなみに復活販売された新型KATANAの車名は“GSX1000S KATANA”ではなく、シンプルに“KATANA”が正式名称となっている。
2021年1月には、2020年の3月にスズキのWEBサイト内で公開した「スズキWEBモーターサイクルショー」の企画、「KATANAカラーアンケート」で最も人気が高かった参考出品車をベースとした“特別カラー”も発売された。ベースカラーは「キャンディダーリングレッド」で、ホイール色をボディ同系色のダークレッドとしたほか、ハンドルバーやフロントフォークアウターチューブ、チェーンなどにゴールドを採用し、KATANAの独創的なスタイリングに更なる上質感を加えたとしている。また、“刀”デカールやエンブレム、シートステッチにも専用のカラーを採用するこだわりの仕上がりとしている。
販売も通常とは異なり、インターネットを利用したスズキの販売サイト「S-MALL(エスモール)」を通じて2021年1月11日、午後3時より先着順で予約を受け付け、全国のスズキバイクショップで100台の限定販売が行なわれた。
今回は、平成32年(令和2年)国内排出ガス
規制に対応しながら、最高出力の向上を図るため電子制御スロットルシステムの採用が行われるとともに、電子制御システム“S.I.R.S.”(※1 スズキ・インテリジェント・ライド・システム)を新たに搭載。より扱いやすさとスポーティーなライディングを両立。新搭載の電子制御システムS.I.R.S.には、出力特性を3つのモードから選択できるSDMS(スズキドライブモードセレクター)や、選択幅を広げ5段階から選択可能となったSTCS(※2 スズキトラクションコントロールシステム)、クラッチレバーを操作しなくてもシフトアップ/ダウンできる双方向クイックシフトシステムなどが採用された。
★スズキ ニュースリリースより (2022年1月28日)
特徴的なデザインと高い走行性能を融合させた
大型ロードスポーツバイクKATANA(カタナ)をマイナーチェンジして発売
スズキ株式会社は、日本刀をイメージした前衛的なデザインと走行性能を融合させた大型ロードスポーツバイク「KATANA(カタナ)」をマイナーチェンジして2月25日より発売する。
「KAATANA」は、燃料タンクから車体先端まで、研ぎ澄まされた刀のようにシャープで流れるようなラインをあしらったデザインを採用。角形のLEDヘッドランプや、刀の切先をイメージした造形の車体先端下部に装着されたLEDポジションランプにより、「GSX1100S KATANA」に着想を得た特徴的な顔つきに仕上げた。また、スズキ初となるターンシグナル付スイングアームマウントリヤフェンダーを採用し、車体後部のシート下をすっきりとさせた外観となっている。
路面状況(濡れた路面や悪路等)によっては、ZBSを装着していない車両よりも制動距離が長くなる場合がある。
また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができない。
- 商品名
- KATANA(GSX-S1000SRQM2)
- メーカー希望小売価格(消費税10%込)
- \1,606,000
(消費税抜き\1,460,000) - 発売日
- 2022年2月2日
- 車体色2色:
- ミスティックシルバーメタリック(BCX)
- マットステラブルーメタリック (YUA)
主要諸元
車名型式 | 8BL-EK1AA | |
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KATANA | ||
発売日 | 2022年2月25日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.130×0.820×1.100 | |
軸距(m) | 1.460 | |
最低地上高(m) | 0.140 | |
シート高(m) | 0.825 | |
装備重量(kg) | 215 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 21.2(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
16.6(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 3.4 | |
エンジン型式 | DTB1 | |
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 998 | |
内径×行程(mm) | 73.4×59.0 | |
圧縮比 | 12.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※4 | 110[150]/11,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※4 | 105[10.7]/9,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | 圧送式 | |
潤滑油容量(L) | 3.4 | |
燃料タンク容量(L) | 12 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.562 |
2速 | 2.052 | |
3速 | 1.714 | |
4速 | 1.500 | |
5速 | 1.360 | |
6速 | 1.269 | |
減速比1次/2次 | 1.553/2.588 | |
キャスター(度) | 25° | |
トレール(mm) | 100 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/50ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク ABS |
後 | 油圧式シングルディスク ABS | |
懸架方式 | 前 | φ43mmKYB製倒立フロントフォーク式 |
後 | リンクタイプモノショックユニット、スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
※1:装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります
※2:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。実際の燃費は、使用環境(気象、渋滞等)や 運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※4:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※5:エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。