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MiniGPタイトル争い大波乱
#2吉村錬太朗がダブル優勝を果たし、逆転のシリーズチャンピオン獲得!! ランキング2位に#5蘇 勇太が浮上、ふたりがMiniGP World Final出場権を獲得する。

 晴天に恵まれ、強い陽射しが降り注ぎ、酷暑の中でMiniGP最終戦がMotoUP桶川スポーツランドで開催された。チャンピオン決定戦となった大会、その可能性があるのは、ランキングトップ#3田中楓人が128P、2位が#2吉村錬太朗で115P、3位が#5蘇 勇太で112P、4位が#7吉原寅之介の97Pの4人となる。

 予選1で#2吉村は転倒もあったがレース1のポールポジション(PP)を獲得。2番手は#10市川速人、3番手に#4真木來人。予選2でもトップタイムは#2吉村でダブルPPを獲得。2番手は#7吉原、3番手が#10市川速人となった。

●Race1

 PPの#2吉村がホールショットを奪い、レースをリード。それを#10市川、#7吉原が追う。#2吉村は序盤から逃げ始め。独走体制を築く。3周目、ランキングトップの#3田中が3コーナーで痛恨の転倒。そのままリタイアとなる。

 #2吉村は単独トップとなり、2番手争いを#10市川と#7吉原が繰り広げる。その後方に#4真木、さらに数珠つなぎの集団が続いた。4周目、2番手を争っていた#10市川と#7吉原が7コーナーで転倒。2番手には#4真木が浮上し、3番手#6田中 陸、4番手#13若松 怜、5番手#8高江洲湊都が表彰台を争った。

 12周目、#13若松と#5蘇が#6田中をパスして順位を上げる。2番手は#4真木、3番手#13若松、4番手#5蘇、5番手#6田中、6番手#8高江洲、7番手#11相原までが接戦のまま最終ラップへ。

 #2吉村が独走優勝を飾り、2位に#4真木、3位には#5蘇が入った。4位は#13若松。再スタートした#7吉原は9位でチェッカーを受けた。

 この結果、ランキングトップは#2吉村の135Pで逆転となり、2位は転倒ノーポイントとなった#3田中の128P。3位に#5蘇が127Pとなり、タイトルの可能性を残した。

 ピットに戻った#3田中は号泣。#7吉原も落胆した。インターバル中にアドバイザーらが助言に訪れるが、立ち直れるか誰もが心配した。


●Race2

 決勝はレース1より3周多い18周で争われた。PPは#2吉村、2番グリッドに#7吉原、3番手に#10市川。2列目は#3田中、#13若松、#11相原。3列目に#8高江洲、#4真木、#5蘇。4列目は#6田中、#12福本裕士が並んだ。

 ホールショットは#2吉村。序盤から独走に持ち込む。2番手は#10市川、3番手に#3田中、4番手#7吉原、5番手#5蘇、6番手#4真木。

 2周目の1コーナーで#3田中が#10市川をパスするがクロスラインで#10市川が2番手を死守。その後、6周目に#3田中が前に出て2番手へ。#3田中、#10市川、#7吉原の3台が2番手争いとなった。

 13周目、3番手の#10市川が遅れ、2番手争いは#3田中と#7吉原の一騎打ち。後方では#5蘇、#4真木、#11相原が4番手を争った。

 17周目、#7吉原が#3田中に迫り、最終ラップの3コーナーでインに飛び込み前に出て、#3田中が4コーナーで仕掛けるもコースアウト、その横を#5蘇が通過する。

 #2吉村がトップでチェッカー。2位#7吉原、3位#5蘇、4位#4真木、5位#11相原、6位#3田中、7位#13若松、8位#8高江洲、9位#6田中、10位#10市川、11位#12福本が続いた。

 ダブルウィンを飾った#2吉村がチャンピオンを獲得。3位に入った#5蘇がランキング2位に浮上し、MotoGP最終戦バレンシアと同時開催のMiniGP World Finalへの出場権を獲得。ランキング3位は#3田中、4位は#7吉原となった。


1位&1位 #2吉村 ― チャンピオン
「チャンピオンを獲得するためには、ダブルウィンが絶対条件でした。緊張してサーキットに来たんですが、アドバイザーの方々が緊張を解いてくれたので、リラックスしてレースが出来ました。開幕戦の筑波戦で上手くポジションを上げられず悔しくて、“絶対に勝ってやる”と思いました。でも第3戦では接触転倒もあり厳しい状況になりましたが、いろいろとアドバイスを頂いて第4戦近畿ではダブルウィン、ここでも勝つことが出来ました。チェッカーの瞬間は信じられないことが起こっているという感覚でした。目標のチャンピオンになり、ファイナルにも参戦できるので、もう一段二段レベルアップして世界チャンピオンになりたいです」


3位&3位 #5蘇 ― ランキング2位
「ランキング2位になれるとは思っていませんでした。レース1が終わった時点で、レース2で田中選手の前でチェッカーを受ければランキング2位になれると分かっていたので、そのために頑張りました。でも田中選手がミスして自分が前に出たので…正直、自分の実力ではないと思います。これからもっと頑張らなければと思っています。でも吉村選手と一緒にファイナルに行けるのはすごく嬉しいです。一緒にレースをしている仲間で大好きな友達です。実は、このレースに来る前に“吉村選手と一緒にファイナルに行ける”夢を見たんです。それが本当になって、すごく驚いています。ファイナルで活躍できるように頑張ります」


リタイア&9位 #3田中 ― ランキング3位
「レース1で転倒してしまい、ポイント争いで逆転されました。でもランキング2位になればファイナルに行けるので、気持ちを立て直してレース2に出ました。バトルに負けたくなかったので…。チャンピオンを目指していたので今は悔しさしかありません。アドバイザーの長島哲太さん、ベビーフェイスの津田一麿さんにとてもお世話になったので感謝しています」


9位&2位 #7吉原 ― ランキング4位
「MiniGPが始まってから参戦して今年で4年目です。年々成長して、その集大成として卒業の年にチャンピオンを獲得して終わりたかったんですが、結果を残せず悔しいですし、応援して頂いたのに申し訳ない気持ちです。これからどうなるかはわかりませんが、自分が出来ることを精一杯やって、レースを続けていきたいです」


2位&4位 #4真木 ― ランキング8位
「MiniGPを始めて3年目で卒業となります。ロードバイクに乗るのは初めてでしたが、その中で成長できたと思います。身長もだいぶ伸びましたし、いろいろな経験をさせてもらいました。最終戦で表彰台に登ることが出来て嬉しいです。これからはモタードやダートなどもやりながら技術を磨き、世界を目指します」


 アドバイザーの藤井謙汰と渡辺一馬は、ファイナル進出を決めた二人にエールを送り、敗れてしまったライダーたちに寄り添い励ましの言葉をかけた。


 吉原は昨年ランキング3位で、1位・2位が卒業したため今年のチャンピオン候補の筆頭だった。田中は昨年のチャンピオンの後輩ライダーで大治郎カップ出身。序盤の勝利でランキングトップに立ち、そのまま逃げ切るかと思われたが、中盤から後半にかけて力を示した吉村がチャンピオンを獲得した。成長期の子供たちは体格変化が大きく、マシンとのバランスが1年で変わる難しさの中で切磋琢磨し成長する。年齢制限のため田中も吉原も今年卒業となるため、来季、もう一度のチャンスはない。他、卒業となるライダーも多く、来季はまた新たな顔ぶれでチャンピオン争いが始まる。

(文:佐藤洋美、写真:赤松 孝)

2025/09/30掲載