KAWASAKI KLX230R/KLX230R S 車両解説
2019年の春にインドネシア市場向けとして発表されたカワサキのミドルクラスオフロードモデル「KLX230」。国内発売は10月だったが、首を長くして待つに十分な魅力を備えたモデルだった。
KLX230のコンセプトは『ライトウェイト&パワフル、だれもが楽しめるオフロードスポーツモデル』とされ、排気量からも想像されるように、オフをガンガン攻めるユーザー向けではなく、ツーリングプラスオフ走行も楽しむ程度のライトオフユーザー向けのモデルといえそうだ。そこで、ほぼ同時に発売されたのがこちらのオフ専用車、KLX230Rというわけだ。
KXシリーズを彷彿させるスタイリッシュな車体に搭載されるのは、空冷4ストローク、232cm3、単気筒エンジン。低中回転域からの力強いトルクを生み出し、シンプルな構造が高い信頼性を誇る新エンジンだ。
コンパクトなペリメーターフレームは、KXシリーズで培った技術を踏襲し、人間工学に基づいたマシンコントロール性が高いスリムさやアグレッシブなデザインを採用したという。足周りでは、フロント21インチ、リヤ18インチのホイールを装備。余裕あるロードクリアランスとロングストローク(フロントは250mmのストロークを持つ)サスペンションも、高いオフロード性能に貢献。また、様々な状況下におけるテスト走行からのフィードバックを活かし、エンジンとフレームのバランスを高めることにより、幅広いライダーが楽しめるように設定されているという。
2020年8月に、カラー&グラフィックの変更のみで2021年モデルとして登場。2021年12月、2022年10月とカラー&グラフィックの変更のみで、2023年6月もカラー&グラフィックの変更のみで2024年モデルとなっている。
2021年12月には、新しいサスペンションの採用により、シート高でKLX230R比マイナス25mm、ホイールトラベル220㎜のフロントフォークと223㎜のリヤサスペンション(KLX230R比:前マイナス30㎜、後マイナス28㎜)を実現、より気軽にオフロード走行を楽しめるモデルKLX230R Sがラインナップされた。こちらも2022年9月には、カラー&グラフィックの変更で2023年モデルとして発売された。
今回はKLX230R、KLX230R S共に一軸一次バランサー追加、吸気バルブ小径化により低中速域の扱いやすさを改良。スチール製となり容量アップした燃料タンク、ライディングポジションやキャスター角の変更、無段階プリロード調整式リアショックの採用、シートフレームやシート厚の改良、インジケーター付キルスイッチ、燃料警告灯、FI警告灯の装備など各部のアップデートをおこなった。車体色はKLX230Rがライムグリーンに加えブライトホワイトも設定。KLX230R Sはライムグリーンのみ。
★カワサキ ニュースリリースより (2025年6月11日)
2026年モデル KLX230R/KLX230R S 新発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) KLX230R/KLX230R S
- モデルイヤー 2026
- マーケットコード KLX232NTFNN/KLX232PTFNN
- 型式 –
- 発売予定日 2025年9月25日
- メーカー希望小売価格 544,500円
- (本体価格495,000円、消費税49,500円)
- カラー(カラーコード) ライムグリーン(GN1)、ブライトホワイト(WT1)/ライムグリーン(GN1)
- メーカー希望小売価格は消費税を含む参考価格です。当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リ
サイクル費用が含まれます。 - ※当モデルはカワサキモータース株式会社の海外工場 PT. Kawasaki Motor Indonesia(KMI)で日本向けに生産された車
両です。 - ※KLX230R/KLX230R Sは公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
- 【KLX230R・KLX230R S】
オフロードでのファンライディングにフォーカス、2020 年の発売以来オフロードファンに愛されてきた KLX230R。2026年モデルでは、その特長の多くを継承しつつ、エンジンの改良、足つき性および座り心地の向上、最新 KX スタイルの採用など、カワサキオフロードラインナップの一角をなすにふさわしい改良が施されました。 定評ある空冷 232cm³シングルエンジンには、一軸一次バランサーを追加。扱いやすさがさらに向上しました。 幾度のテストを経てエンジンとの理想的なバランスを獲得したシャシーには、フロント 21 インチ/リヤ 18 インチホイールとロングストロークサスペンションが組み合わされ、さまざまな路面で確実なハンドリングを提供。オフロードにおけるトータルバランスを高めています。また、シートフレームを新作し、シート厚を増加しつつシート高を低減。扱いやすさと快適性をアップしています。さらに、KLX230R より 25mm 低いシート高を持つローシートモデル、KLX230R S も用意しています。
- ■KLX230R主な変更点
- ・低中回転域を重視して開発されたバランサ―搭載の232cm³空冷4ストローク単気筒エンジン
- ・吸気バルブを小径化(ø37mm>>ø33mm)し、低中速域の扱いやすさを向上
- ・プラスチックからスチール製に変更、容量を6.6Lから7.6Lへアップし、より長い航続距離を実現した燃料タンク
- ・グリップ位置を25mm前方に、ステップは後方に9mm移動しコントロールしやすいライディングポジション
- ・キャスター角を立て(26.5°>>25.4°)、より軽快になったハンドリング
- ・ライダーの体重に合わせて無段階プリロード調整が可能なリヤの窒素ガス封入式シングルショックアブソーバー
- ・改良されたシートフレームにより、20mm低減(925mm>>905mm)させ、扱いやすさと安心感を高めたシート高
- ・座面を広くしクッション厚を6mmアップさせたシート
- ・より短くなり洗練されたデザインを演出するブレーキレバーとクラッチレバー
- ・パワフルさと俊敏性、軽さをイメージさせる最新のKXスタイリング
- ・KLXのスポーティなキャラクターに貢献するブラックアルマイトリム
- ・左グリップにインジケーターランプ付きのキルスイッチを装備
- ・ハンドル中央に燃料警告灯とFI警告灯のみのシンプルな計器を装備
- ■KLX230R から KLX230R S の主な変更点
- ・シート高はKLX230Rの905mmに対し、875mmに設定
- ・ホイールトラベルはKLX230Rのフロント250mm、リヤ250mmに対しフロント220mm、リヤ217mm
主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
KLX230R[KLX230R S] | ||
発売日 | 2025年9月25日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 2,045[2,035]×845×1,200[1,185] | |
軸間距離(mm) | 1,375[1,355] | |
最低地上高(mm) | 290[270] | |
シート高(mm) | 905[875] | |
車両重量(kg) | 119 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費消費率(km/L) | -(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
-(WMTCモード値 クラス2-1 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | – | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 232 | |
内径×行程(mm) | 67.0×66.0 | |
圧縮比 | 9.4 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | エレクトリックスターター | |
点火方式 | バッテリー&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑方式 | ウエットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 1.3 | |
燃料タンク容量(L) | 7.6 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.000 (39/13) |
2速 | 2.066 (31/15) | |
3速 | 1.555 (28/18) | |
4速 | 1.260 (29/23) | |
5速 | 1.040 (26/25) | |
6速 | 0.851 (23/27) | |
減速比1次/2次 | 2.870(89/31) / 3.538(46/13) | |
キャスター(度) | 25.4° | |
トレール(mm) | 106 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 100/100-18 59M | |
ブレーキ形式 | 前 | φ240mmシングルディスク |
後 | φ220mmシングルディスク | |
懸架方式 | 前 | Φ7mmテレスコピック |
後 | スイングアーム式(ニューユニトラック) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。
※当モデルはカワサキモータース株式会社の海外工場 PT. Kawasaki Motor Indonesia(KMI)で日本向けに生産された車両
です。
※お子様の走行に際しては、常に保護者の方による運転指導および安全管理をお願いいたします。