Hondaがモータースポーツファンに贈る感謝イベント「Honda Racing 2024 SEASON FINALE」が、12月14日(土)、15日(日)の2日間にわたってHondaウエルカムプラザ青山を会場に開催されました。Day1の14日は、二輪ライダー12名と、国内四輪レースで活躍したドライバー6名の合計18名が出演しました。
■文・写真:高山正之
今シーズンを最後にMotoGPから引退し、来シーズンはHRCの開発ライダーとして活動する中上貴晶選手にファンの視線が集まりました。
オープニングの「ヒーローステージ」には、ロードレース最高峰のMotoGPクラスに挑戦した、ジョアン・ミル、ルカ・マリーニ、中上貴晶、ヨハン・ザルコの各選手が登場。ホンダ勢にとって苦しいシーズンを戦い抜いた感想や来シーズンに賭ける意気込みを語りました。
ジョアン・ミル選手:「今シーズンは苦戦したが、チーム全体がもっと上に向かっていかなければならない。HRCも我々ライダーもやるべきことは沢山ある。多くのファンがいることがとても大きな力になっている。来シーズンは期待に応えたい。応援に感謝します」
ルカ・マリーニ選手:「とても苦戦したシーズンだった。ホンダが本来あるべきナンバーワンのポジションにつくために、我々ライダーはチームメンバーを信頼して努力を続けていく。来シーズンも応援をお願いします」
中上貴晶選手:「これまで長い間応援してくれたことに感謝します。これからは日本を拠点に活動していく。帰国したばかりだが、HRCとのミーティングを行った。気持ちはとても前向きで、テストライダーとして走るだけでなく、エンジニアたちと一緒になってモノづくりが出来ることも楽しみにしている」
ヨハン・ザルコ選手:「新しいチャレンジが盛りだくさんのシーズンだった。後半は戦えるようになり、結果を残す事ができた。来シーズンは新たなライダーの加入やマシンも進化していくので期待している。ファンと一緒に楽しめるシーズンにしたい」
【中上選手インタビュー】
「世界選手権を15シーズン戦ってきて思うのは、やはり長かったですね。特に印象に残るのはMoto2で初優勝した時です(2016年オランダGP)。MotoGPではもう一歩のところで表彰台に立てなかったのですが、自分としてはやり切ったという思いです。これからは、開発ライダーとして大事な仕事がありますが、自分としてはグランプリライダーとしての速さを身につけていると思うので、この速さを開発に活かしていきたい。自分が開発に携わったマシンに乗ったレギュラーライダーが笑顔になれることを、第一目標におきたい。今から楽しみです」
【CBR in Racing トークステージ】
CBR1000RR-Rで戦ったスーパーバイク世界選手権と鈴鹿8耐ライダーが集合。
スーパーバイク世界選手権からは、イケル・レクオーナ選手とチャビ・ビエルゲ選手が登壇。シーズン序盤は思うような成績を残せなかったものの、後半になるとトップ10内でフィニッシュできるようになり、レクオーナ選手は3位表彰台を獲得しました。なお、ビエルゲ選手は2023年に、レクオーナ選手は2024年にそれぞれ鈴鹿8耐レースで優勝したライダーでもあります。両ライダーともに、来シーズンのスーパーバイクには期待して欲しいと、自信を見せてくれました。
鈴鹿8耐レースからは、高橋巧選手、名越哲平選手、ヨハン・ザルコ選手が登壇しました。ザルコ、名越選手ともに、優勝には高橋選手のリーダーシップが欠かせなかったと振り返りました。ザルコ選手は、来年の鈴鹿8耐の出場に意欲的で、高橋選手をフランスの24時間耐久レースに誘う一幕もありました。高橋選手は、勘弁してよという手振りで会場のファンを楽しませました。3選手は、来シーズンも世界と日本で果敢に挑戦していくことを誓いました。
14日(土)Day1のフィナーレは、「中上貴晶挑戦の軌跡」と題したステージです。来シーズンから中上選手の後継ライダーとしてMotoGPにデビューするソムキアット・チャントラ選手が花束を贈呈しました。中上選手は、これまでファンからいただいた応援に感謝するとともに、シーズンオフでのマシンテストが間近に迫っており、すでに臨戦態勢とのこと。
チャントラ選手は、中上選手が開発に携わるマシンに大きな期待を抱いていました。
中上選手の力強い言葉を聞くと、2025年は、ホンダにとって大きく前進できるシーズンになる予感がしました。
(文・写真:高山正之)