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バイク承前啓後






 

高山さんのバイク承前啓後 第49回 スズキの歴史を学ぶ =スズキ歴史館訪問記=

 
 2024年10月1日、長年思い続けていたスズキ歴史館を見学する事が出来ました。この日は、子供たちの社会見学のため、午後3時から4時半までの1時間半の見学でしたが、初めて見る製品が多く、胸いっぱい、頭いっぱいになりました。では、ランダムになりますが、”これぞスズキ”という名車を紹介いたします。

スズキ歴史館
スズキ歴史館
1階フロアで出迎えてくれたのは、1981年WGP出場マシン RGΓ 500。初めてΓ(ガンマ)の名称が与えられたワークスマシンで、ランディ・マモラ選手がランキング2位を獲得。水冷・2ストローク・スクエア4気筒エンジン搭載。リアタイヤを固定するスタンドにSのマークがデザインされています。

2000年RGV-Γ 500
#2 2000年RGV-Γ 500
ケニー・ロバーツ・Jr選手がWGPチャンピオン獲得。水冷・2ストローク・V型4気筒。
耐久ロードレースマシン
#36 2020年 GSX-RR
ジョアン・ミル選手がMotoGPチャンピオン獲得。スズキ創立100周年に花を添えたマシン。水冷・4ストローク・直列4気筒。

1952年 パワーフリー号
耐久ロードレースマシンをメインとしたコーナー。2024年の世界耐久選手権チャンピオンの横断幕が誇らしげです。
#36 2020年 GSX-RR
1952年 パワーフリー号と、開発者の鈴木俊三氏(後に二代目社長)の胸像
スズキ初の二輪製品(自転車用補助エンジン)。空冷・2ストローク単気筒36cc。このモデルの成功により、スズキが二輪車事業に本格的に進出。

1953年 ダイヤモンドフリー号
1953年 ダイヤモンドフリー号
空冷・2ストローク・単気筒60cc(自転車用補助エンジン)。
1956年 ダイヤモンドフリー号
1956年 ダイヤモンドフリー号(アジア-ヨーロッパ巡走車)
冒険家の高橋兄弟(昭治氏、雄次氏)による世界一周無銭旅行で使用された実車。神戸港からタイのバンコクへ渡りスタート。フランスのパリまでの32カ国47,000kmを2年で走破。ダイヤモンドフリー号の耐久・信頼性を証明した。

1954年 コレダCO
1954年 コレダCO
1954年 コレダCO
スズキ初の本格的な二輪完成車。同年に開催された第2回富士登山レースの90ccクラスで優勝したカップも展示されている(ライダーは山下林作選手)。空冷・4ストローク・OHV単気筒90cc。当時のスズキにとっては珍しい4ストロークエンジンを搭載。

1959年 コレダセルツインSB
1959年 コレダセルツインSB
世界初の2ストローク2気筒セル付エンジン。スズキ独自のジェットラインを採用した意欲作。空冷・2ストローク・2気筒125cc。
1959年 コレダST-6A
1959年 コレダST-6A
スズキの社章Sのマークを初めて採用。5角形の燃料タンクなど凝ったデザイン。空冷・2ストローク・単気筒125cc。

1960年 コレダ スーパーツーリング250TB
1960年 コレダ スーパーツーリング250TB
高性能スポーツモデルとして注目された。空冷・2ストローク・2気筒250cc 。
1965年 T250
1965年 T250
コレダ250T20のモデルチェンジ版。分離給油方式CCIの採用で信頼性が向上。空冷・2ストローク・2気筒250cc。

<1968年 T500
<1968年 T500
1968年 T500 
スズキ2ストローク技術の威信をかけた大排気量モデル。空冷・2ストローク・2気筒500ccエンジンを搭載した高速ツアラー。

1970年 GT750
1970年 GT750
1970年 GT750
水冷・2ストローク・3気筒750ccエンジンを搭載。ラジエーターの存在感が際立つ。

1974年 RE-5
1974年 RE-5
1974年 RE-5(輸出車)
水油冷・シングルローター式ヴァンケル・ローターリーエンジンを搭載。イタリアを代表する工業デザイナーであるジウジアーロ氏によるデザインは、時を超えて見るものに感動を与えます。

1960年代から1970年初期までの製品
1960年代から1970年初期までの製品
1960年代から1970年初期までの製品が並んでいます。ロードスポーツからストリートスクランブラーまで多種多様。ウルフ90は今見ても新鮮です。

1962年 RM62
1962年 RM62
マン島TTレース50ccクラス優勝車(ライダー E.デグナー選手)。このレースの勝利によって、スズキの名声が世界に広まった。手前は、2010年にマン島参戦50年を記念し、英国マン島政府から寄贈された硬貨とプレート。空冷・2ストローク・単気筒50cc。

1970年代のオフロードモデル
1970年代のオフロードモデル
1970年代のオフロードモデルコーナー。スズキ歴史館で最もワクワクした瞬間です。私にとって初めての愛車ハスラー90との対面でした。色も同じグリーンです。タイムスリップして数分しゃがみこんで見ていました。

1975年 RL250
1975年 RL250 
トライアルマシン。短期間の販売に終わった希少車です。空冷・2ストローク・単気筒250cc。
1977年 マメタン
1977年 マメタン
名前もデザインもユニークな原付モデル。空冷・2ストローク・単気筒50cc。

1972年 GT380
1972年 GT380
1972年 GT380
サンパチの愛称で親しまれた3気筒モデル。ラムエアーシステムを採用。空冷・2ストローク・3気筒380cc。

1983年 RG250Γ
1983年 RG250Γ
アルミフレームを採用したレーサーレプリカの先駆車。水冷・2ストローク・2気筒250cc。
1978年 GS750E
1978年 GS750E
1976年に発売されたスズキ初の大型4ストロークGS750のモデルチェンジ版。空冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒。

1992年 SW-1
1992年 SW-1
フルカバードされた独特なスタイリングが特徴。空冷・4ストローク・OHC単気筒250cc。
1979年 エポ
1979年 エポ
前後8インチホイールのレジャーモデル。空冷・2ストローク・単気筒50cc。

織機
1織機
スズキ創業の原点、織機の展示品が数多く展示されています。創意工夫によって、日本の織物技術が世界を牽引していた歴史が分かります。

1955年 スズライト
1955年 スズライト
日本初の軽四輪乗用車。空冷・2ストローク・2気筒360cc。
1967年 フロンテ360
1967年 フロンテ360
当時の住宅を再現し昭和の世界を演出。空冷・2ストローク・3気筒360cc。

1968年 フロンテSS
1968年 フロンテSS
イタリアの太陽の道テスト車。太陽の道と呼ばれるイタリアのローマからナポリまでの高速道路750kmを高速走行でテストした車。ドライバーには、F1レーサーのスターリング・モス氏と、マン島TTレースで日本人として初優勝した、スズキ社員の伊藤光夫氏を起用。2台のテストカーが好記録で完走しました。平均速度は120km/hを超えていました。当時の空冷2ストロークの軽自動車としては、驚く成績で、新聞などで大々的にPRをしていた記憶があります。

四輪のデザイン
完成車生産
四輪のデザインの仕事から完成車生産に至るまでのモノづくりを知ることができます。

 スズキ歴史館は、スズキの創業期から最新の製品までを紹介しています。丁寧に見学しますと3時間は必要だと思いました。これから見学される方は、時間に余裕を持って計画されることをお勧めします。なお、入場料はかかりませんが、事前の予約が必要です。スズキファンはもちろんの事、あまりスズキに詳しくない人にも分かりやすい展示ですからお勧めです。

スズキ歴史館
住所 〒432-8062 静岡県浜松市中央区増楽町1301
電話番号 053-440-2020
開館時間 9:00~16:30(予約制)
休館日  月曜日、年末年始、夏季休暇等
入館料 無料
ホームページ https://suzuki-rekishikan.jp/

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2024/10/08掲載