KAWASAKI VULCAN S 車両解説
VULCANシリーズといえば、2007年2月に国内発売されたVULCAN 900 CLASSIC(VULCAN 900 Customと同時発売)の登場により、それまで1500と400というラインナップでカワサキ・クルーザーユーザーをカバーしてきていたVULCANシリーズは、これを機に900シリーズに一本化されている。
その後の変遷は、2008年12月にVULCAN 900 Customにスペシャルエディションが発売され、同時にVULCAN 900 CLASSICはカラーを追加。2010年2月には、最大トルクの変更、整備重量の変更、リムサイズ表記の変更、そしてカラーリングの変更など、初のマイナーチェンジが行われている。
そしてさらに、2010年10月にカラーリングの変更が行われて2011年モデルに、2011年8月にはカラー&グラフィックの変更のみで2012年モデル、2012年8月もカラー&グラフィックの変更のみで2013年モデルと、イヤーモデルごとにカラー&グラフィックの変遷を繰り返してきていた。
2013年10月のモデルチェンジでもカラー&グラフィック変更のみで2014年モデルとなったが、2013年モデルで白だったタンクサイドがグレー系になり、レッドの細いラインにより黒部分と塗り分けられたデザインとなった。フェンダーも同様の意匠で、レッドの細いラインを挟んで黒とグレーの塗り分けとなっている。最近の2014年8月の2015年モデルでもカラー&グラフィック変更のみだった。
このようにVULCANシリーズは、VULCAN 900がカワサキのクルーザーモデルの定番として不動の地位を得ていた2016年の春、モーターサイクルショーで突然デビューしたのがVULACN Sだった。
一見、海外向けのNinja 650、そしてその兄弟車のER-6n/6f、はたまたVersysなどのエンジン、車体をベースにクルーザーモデルに発展させたかと考えてしまいがちだが、共通するのは唯一、400や650に強烈な個性を与えている右サイドマウントのリアショック配置、というデザインポイントぐらいなもので、エンジンはもちろん、フレーム、サスまで全てに新開発の完全なニューモデルだった。
2017年1月には、このVULCAN Sが、ギアポジションインジケーターを採用、ヘルメットロックも新設するなど初のマイナーチェンジを受けて2017年モデルとなった。その後は、2018年10月に、カラー&グラフィックの変更、2020年1月もカラー&グラフィックの変更のみが行われていた。2022年11月には、燃料タンクやホイールリムに青のワンポイントが取り入れられたニューカラーとなっている。
今回はシックなメタリックマットグラファイトグレー×メタリックマットカーボングレーのニューカラーでまーナーチェンジと共に燃費数値が変更となったことで、認定型式、認定番号も変更されている。
カワサキ ニュースリリースより (2023年8月23日)
VULCAN S 発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) VULCAN S
- マーケットコード EN650MSFAN
- 型式 8BL-EN650M
- 発売予定日 2024年9月15日
- 型式指定・認定番号 18668
- メーカー希望小売価格 1,045,000円 (本体価格950,000円、消費税95,000円)
- カラー(カラーコード) エボニー(BK2)
- ※メーカー希望小売価格は消費税を含む参考価格です。価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※当モデルはカワサキモータース株式会社の海外工場 Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co.Ltd (KMT) において日本国内向けに生産された車両です。
- ※当モデルはABS装着車です。
- ※当モデルは「カワサキケアモデルです」
- 【VULCAN S】
さまざまなライフスタイルにフィットするアーバンランナー、VULCAN S。スラントした異形ヘッドライト、柔らかな曲線を描くフューエルタンクからテールエンドまでの流れるようなラインはクルーザーならではの伸びやかさを作り出し、エンジンを取り囲むように組み合わされたフレームは逞しさを感じさせるなど、独特の造形美を生み出しています。パワーユニットは649cm³の水冷DOHCパラレルツイン。ゆったりとした走りにも、スポーティなライディングにも応える、懐の深いエンジンです。前後に位置を調整可能なステップや、アクセサリーのハンドルバーやシートなどでライディングポジションの調節が可能なERGO-FIT機能も搭載。市街地からロングツーリングまで、幅広いシーンで楽しめる1台です。
- ■主な変更
- ・認定型式、認定番号の変更(規制対応)
- ・60km/h定地燃費数値、WMTCモード燃費数値の変更
- ・カラー&グラフィックの変更
https://www3.kawasaki-motors.com/after-service/kawasakicare/
主要諸元
車名型式 | 8BL-EN650M | |
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VULCAN S | ||
発売日 | 2024年9月15日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.310×855×1.090 | |
軸間距離(m) | 1.575 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.705 | |
車両重量(kg) | 229 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 29.8(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
22.5(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時※3) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 649 | |
内径×行程(mm) | 83.0×60.0 | |
圧縮比 | 10.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 45[61]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 62[6.3]/6,600 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | エレクトリックスターター | |
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑油方式 | セミドライサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 2.3 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.437 (39/16) |
2速 | 1.714 (36/21) | |
3速 | 1.333 (32/24) | |
4速 | 1.111 (30/27) | |
5速 | 0.965 (28/29) | |
6速 | 0.851 (23/27) | |
減速比1次/2次 | 2.095(88/42)/3.066(46/15) | |
キャスター(度) | 31° | |
トレール(mm) | 120 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70R18M/C 59H |
後 | 160/60R17M/C 69H | |
ブレーキ形式 | 前 | φ300mm油圧式ディスク |
後 | φ250mm油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(インナーチューブ径41mm) |
後 | スイングアーム式(ホリゾンタルバックリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。