HONDA GB350/GB350 S 車両解説
ベテランライダーにとっては“懐かしい”、若者ライダーにとっては“レトロ新しい”ニューモデルとして2021年4月に発売されたGB350、GB350 Sが平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応するとともに、カラーバリエーションの変更を行った。
『GB350は、「日常から遠出まで~The Honda Basic Roadster」をコンセプトに、日常的な扱いやすさはもとより、未体験の道や景色と出会うツーリングでの感動まで、ライダーの経験やスキルを問わず、「自由」であることの楽しさや豊かな体験を提供するモーターサイクルを目指し、車体、パワーユニットともに新設計したロードスポーツモデルです』(発売開始時のホンダのリリースより)。早い話がロードスター版の“Rebel”と言ったら分かりやすいだろう。ベースとされるアジア市場向けモデルの存在もあるにはあるが、あくまで国内の若者ユーザー(気軽にロードスポーツに乗りたいベテランも)をターゲットとして再開発されている。
“GB”のヒストリーをざっと取り上げておくと、スタートは、1983年12月に発売開始されたGB250クラブマンが始まりとなっている。
RFVC(Radial Four Valve Combustion Chambcr=放射状4バルブ方式燃焼室)という当時のホンダ最新のDOHC4バルブ単気筒技術で開発されたユニークなエンジンを搭載する“ロードスポーツモデル”がGB250クラブマンだった。1996年12月発売のカラーチェンジモデルまで販売が継続されたが一応ここで区切りとなっている。
この250版に続き1985年6月発売で兄貴分のGB400/GB500という新設計の空冷4サイクル単気筒エンジンを搭載、大口径のシングル・キャブレターの採用などとあいまって、中・低速域での力強い加速感を実現したモデルが発売された。1960年代に英国で人気を呼んだロードレース“ツーリストトロフィー”のイメージを纏った”レプリカ”だった。ただこちらは残念ながら1988年7月にマイナーチェンジを受けたのみで一世代でラインアップから消えてしまった。
Rebelの人気ぶりを見ても多様性を背景にしたレトロブームの今こそ“GB”シリーズも受け入れられる素地が整ったといえるだろう。
カラーリングは、GB350に「マットパールグレアホワイト」のカラーリングを新たに設定、GB350 Sには「プコブルー」のカラーリングを新たに設定というもの。
★ホンダ ニュースリリースより (2023年5月26日)
ロードスポーツモデル「GB350」「GB350 S」の仕様を一部変更し発売
Hondaは、空冷・4ストローク・OHC・単気筒348cm3エンジンの心地よい鼓動感と、シンプルでありながら存在感際立つスタイリングが魅力のロードスポーツモデル「GB350」と、「GB350 S」の仕様を一部変更し、7月6日(木)にHonda Dreamより発売します。
●GB350に、「マットパールグレアホワイト」のカラーリングを新たに設定
●GB350 Sに、「プコブルー」のカラーリングを新たに設定
●GB350、GB350 Sともに平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合
GB350は、カラーリングにカジュアルなイメージの「マットパールグレアホワイト」を新たに設定し、継続色の「マットパールモリオンブラック」と、「マットジーンズブルーメタリック」とあわせた、全3色設定としています。また、リアサスペンションのスプリングをブラックに変更する事で、より引き締まった足まわりを演出しています。
GB350 Sは、カラーリングに、清涼なイメージの「プコブルー」を新たに設定し、継続色の「パールディープマッドグレー」と、「ガンメタルブラックメタリック」とあわせた、全3色設定としています。また、ハンドルパイプをマットシルバー塗装に変更した他、サイドカバーエンブレムをシンプルなデザインに変更するなど、精悍なイメージを演出しています。
なお、両モデルともに、平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させ環境に配慮しています。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- シリーズ合計 11,000台
- ●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- GB350 561,000円(消費税抜き本体価格 510,000円)
- GB350 S 605,000円(消費税抜き本体価格 550,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません。
主要諸元
車名型式 | 8BL-NC59 | |
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GB350〈GB350 S〉 | ||
発売日 | 2023年7月6日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.180×0.790×1.105〈2.175×780×1,100〉 | |
軸距(m) | 1.440 | |
最低地上高(m)★ | 0.166〈0.168〉 | |
シート高(m)★ | 0.800 | |
車両重量(kg) | 179〈178〉 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 47.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
39.4(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)★※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.3 | |
エンジン型式 | NC59E | |
空冷4ストローク単気筒OHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 348 | |
内径×行程(mm) | 70.0×90.5 | |
圧縮比★ | 9.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 15[20]/5,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 29[3.0]/3,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 15 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.071 |
2速 | 1.947 | |
3速 | 1.407 | |
4速 | 1.100 | |
5速 | 0.900 | |
減速比1次★/2次 | 2.095×2.500 | |
キャスター(度)★ | 27°30′ | |
トレール(mm)★ | 120 | |
タイヤサイズ | 前 | 100/90-18M/C57H |
後 | 130/70-18M/C〈150/70R17M/C 69H〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます