●PCX/PCX160 車両解説
2010年の3月から国内でも発売が開始された“グローバルスクーター”PCXシリーズ。タイホンダで生産が開始され(現在はベトナム)、アセアン諸国をはじめとして、ヨーロッパ、アメリカなど世界各地へ展開する新世代のスクーターの地位をしっかり確立した。「クラスを超えた質感の高さと先進スタイリング」「高い動力性能と環境性能の両立」「スクーターに求められる快適さと使い勝手の良さ」をキーワードに、ワンランク上の125㏄クーターとして開発。PCX150は、PCXの登場から2年後の2012年4月に発売され、PCXをベースに“eSP(enhanced Smart Power)”の152cc版エンジンを搭載。日本国内では高速道路の利用も可能とし、余裕の二人乗りを実現する動力性能が与えられたモデルとして登場している。
2016年4月にはこのPCXシリーズに、スポーティーなイメージの特別カラーが採用された受注期間限定モデル(2016年4月21日から7月31日まで)が発売されている。白か黒の車体色をベースに、それぞれフロントカバーからボディカバー、グラブレールにかけて赤のストライプを配し、さらにシートのステッチ、リアサススプリング、ボディカバー側面の立体エンブレムなどに赤でアクセントをつけていた。
2017年2月には、PCXとPCX150ともにカラー設定の変更の他、ロアカバーにシルバー、ボディカバーにストライプ、シートにはレッドのステッチを採用するなどのアップグレードが行なわれたツートーンカラーモデルをラインナップに加えている。
2018年4月には、登場以来初のフルモデルチェンジが行われたのだが、外観上ではPCXのオーナーでないと気がつかないくらい“キープコンセプト”の変更といえそうで、最大の変更点はフロントフェイス周り。ヘッドライトからウインカーへ繋がる“目”がよりシャープになったのだが、新旧を並べてみて初めてそれと気が付くほどPCXらしさは引き継がれている。きちんと比較すれば、どこをとってもデザインは新しくなっているという、まさにキープコンセプトのお手本のようなデザインだ。
メカニズム面でも各部の熟成が着々と進められている。エンジンでは耐久性と静粛性、そして燃費性能を向上させるべくeSPの仕様を変更。フレームは新設計のダブルクレードルタイプへと変更されるなど、外見からは想像できない進化、熟成が行われていたといっていいだろう。人気モデルにあっては、変化のための変化は必要なかった。
また、このモデルチェンジの約半年後の2018年9月には、ハイブリッドモデルもラインナップされた。
直近では、2020年2月に受注期間限定でマットカラーを採用した限定モデルが登場している。PCX、PCX150ともに「マットイオンブルーメタリック」と「マットギャラクシーブラックメタリック」の2色を採用。
2021年1月のフルモデルチェンジでは、PCXがフレームを刷新、エンジンも新たに「eSP+(イーエスピープラス)」という出力向上とフリクションの低減を実現した新エンジンを搭載。前輪のみに作用する1チャンネルABSを標準装備、またホンダセレクタブルトルクコントロールも新たに採用された。
PCX160は、PCXをベースに排気量を156ccへとアップすることでより力強く、快適な走行性能を実現。高出力型リチウムイオンバッテリーを搭載し、エンジンの始動や発電を担っているACGスターター(モーター)に駆動アシストの機能を追加させたPCX e:HEVでは、新設計の「eSP+」エンジンと組み合わせることで低回転域でのトルク向上を図られた。
2022年6月のモデルチェンジは、PCX、PCX160ともに「マットギャラクシーブラックメタリック」と「フォギーブルーメタリック」のカラーリングを新たに設定したもので、PCXでは継続色の「パールジャスミンホワイト」「ポセイドンブラックメタリック」「マットディムグレーメタリック」を加えた全5色。PCX160では継続色の「パールジャスミンホワイト」「マットディムグレーメタリック」を加えた、全4色のカラーバリエーションとなった。
今回のモデルチェンジでは、平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させるとともに、PCXでは「マットスーツブルーメタリック」と「マットマインブラウンメタリック」のカラーリングを新たに設定、PCX160では「マットマインブラウンメタリック」と「ポセイドンブラック」のカラーリングを新たに設定。また、PCX、PCX160ともに、シート表皮のカラーをブラックに変更している。
★ホンダ ニュースリリースより (2023年1月12日)
Hondaは、上質なスタイリングと利便性の良さが魅力の原付二種(第二種原動機付自転車)スクーター「PCX」と軽二輪スクーター「PCX160」のカラーリング設定を変更し、2023年1月26日(木)に発売します。
●PCXに「マットスーツブルーメタリック」と「マットマインブラウンメタリック」のカラーリングを新たに設定
●PCX160に「マットマインブラウンメタリック」と「ポセイドンブラック」のカラーリングを新たに設定
●PCX、PCX160ともに、シート表皮のカラーをブラックに変更
●平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合
今回、PCXに、都会的な印象の「マットスーツブルーメタリック」と、高級感を感じさせる「マットマインブラウンメタリック」を新たに設定し、継続色の「パールジャスミンホワイト」「ポセイドンブラックメタリック」「マットディムグレーメタリック」を加えた、全5色としています。
PCX160には「マットマインブラウンメタリック」と、精悍な印象の「ポセイドンブラック」を新たに設定し、継続色の「パールジャスミンホワイト」「マットディムグレーメタリック」を加えた、全4色としています。
両モデルとも、シート表皮のカラーをブラックとし、より引き締まった印象としています。
また、平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させ環境に配慮しています。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- PCX 20,000台
- PCX160 7,000台
- ●メーカー希望小売価格
- PCX 363,000円(消費税抜き本体価格330,000円)
- PCX160 412,500円(消費税抜き本体価格375,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
主要諸元
車名型式 | 8BJ-JK05〈2BK-KF47〉 | |
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PCX〈PCX160〉 | ||
発売日 | 2023年1月26日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.935×0.740×1.105 | |
軸距(m) | 1.315 | |
最低地上高(m)★ | 0.135 | |
シート高(m)★ | 0.764 | |
車両重量(kg) | 133 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 55.0〈53.5〉(国交省届出値 定地燃費値※2 60km/h 2名乗車時) | |
48.8<43.7>(WMTCモード値★ クラス1〈クラス2.1〉※3 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 1.9 | |
エンジン型式 | JF05E〈KF47E〉 | |
水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 124〈156〉 | |
内径×行程(mm) | 53.5×55.5〈60.0×55.5〉 | |
圧縮比★ | 11.5〈12.0〉 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 9.2[12.5]/8,750〈12.0[15.8]/8,500〉 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 12[1.2]/6,500〈15[1.5]/6,500》 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスター式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 8.1 | |
クラッチ形式 | 乾式多板シュー式 | |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) | |
変速比 | – | |
キャスター(度) | – | |
トレール(mm) | – | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-14M/C 50P |
後 | 130/70-13M/C 63P | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | ユニットスイング式 | |
フレーム形式 | アンダーボーン |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目は Honda 公表諸元)
■製造事業者/Honda Vietnam Co., Ltd. ■製造国/ベトナム ■輸入事業者/本田技研工業株式会社
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。