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第137回 「後悔日誌(私の場合)」

 立喰・ソ巡りというのは、人に頼まれてやるわけでも、ましてや仕事でもなく、本人が好きでやっている趣味活動(私の場合は)ですから、修行僧のようにストイックに巡っているわけではありません(少なくとも私の場合は)。公共交通機関(主に鉄道)で巡る私の場合(吞みたいから)、駅から遠い立喰・ソだと、「いつか行けばいいや」というパターンがほとんどです。
 駅から離れた立喰・ソというのは、基本的にドライバー相手ですから、バス路線がなかったり、あっても朝夕だけだったりします。タクシーを使えばよさそうなものですが、数百円の立喰・ソのために片道数千円はちょっともったいない(電車賃はいいんです。鉄ですから)。ゆえに、出かける場合、ほぼ駅から徒歩になるわけです。
 趣味活動の一貫ですから、歩きもまた楽しい……はず。ただ、どういうわけか事前に調査してから出かけても、営業していないことがかなりの確率であります(私だけ?)。「よーし、もう一度チャレンジだ!」と前向きになれればいいのですが、「店舗の写真撮ったしもういいか」となり、何年か後に調べると、幻立喰・ソになってしまっていることも、多々あります(私の場合)。  
 そんなとき、つくづく思います「私はいったいなにがしたいのだろう。ソをすすりたいのか、それとも店舗の写真を撮るだけで満足なのか」と。虚無になりつつ自問自答するも「まあ、いいか趣味活動だしね〜」で終了。このような中途半端さが、後悔を積み重ねていく手淫、いや主因なのです。

訪問したのに、なぜか営業していない立喰・ソは数知れずです。それでもまだ、後悔の数より立喰・ソは多いのが救いです(意味不明)。

 そんな幾多の後悔を振り返る、題して後悔日誌。ユーミンの唄にもありました(それは航海日誌)。では、さっそく最近の後悔日誌を開いてみましょう(※一昔前のNHK教育テレビ風に)。

 コロナ禍もなんとなく落ち着いた感が広がり、不要不急の外出も容認されているような雰囲気だし、人出も多くなってきたし、6月の大休パスで永年の宿題である福島県の小名浜へ行ってきました。 
 小名浜へは鉄道があっても、一般人は乗れないという、鉄には悩ましい町です。常磐線泉駅からバスはあるのですが、それほど頻発路線ではありません。
 なんとか行路を組み立てて、特急ひたち7号で出発。ひたち号は今や稀少な車内販売がありますので、今後も続けていただくために、身をもって示さなければなりません。ということで、不本意ながら朝からプシュ〜。
 ああ幸せ、特急はたのしいな〜と浮かれていたら、たんぼの真ん中で緊急停車です。何事かと思えば、なんとこの先の踏切で車が立ち往生しているとか。衝突しなくてよかったと、安堵したものの(昨年末には特急ときわと乗用車が衝突した死亡事故も。常磐線は踏切事故が多いです)、そうそう簡単に小名浜へは行かせてくれないんですね。バスへの乗り継ぎ時間はわずか13分しかありませんが、慌てても騒いでも動かないものはしょうがない。「おねーさんもう1本ください」の後、しばらくしてからプシュ〜(プルトップを開けた音ではなく、電車のブレーキ緩解音)と、動き出しました。
 泉駅に到着したのは、もうバスが出た後。次のバスは1時間後。なーんもない駅で1時間待つか、炎天下を1時間以上歩くのか……後悔度150%に達する前に、さっさとタクシーに乗りました。

泉
泉
常磐線の泉駅。昔の国鉄幹線駅の風格漂う広い構内が魅力的。それはさておき、小名浜方面へは、福島臨海鉄道線の線路が繋がっているのですが、貨物列車のみで一般人は乗れません。(2022年6月撮影)

 タクシーに乗れば、運転手さんに行き先を告げなければ動きません。とはいえ、店名を告げるのはなんとなく気恥ずかしいのです(私だけ?)。近所の目標物は解らないので「いや、怪しいものではありませんよ。いろいろなところの立喰・ソを食べ歩いていましてね、へへへ」と言い訳がましく照れ笑いしながら、やけくそ気味に店名を告げました。これこそ怪しい、いや危ないやつですね。
 「はい解りました」に続いて「途中に○○という立喰・ソもありますよ」え!? 早速店名を検索してみると、ありました。立喰・ソというよりはお弁当屋さんが、イートインでソも提供しているお店のようでした。地元の人しか行かないような、街道からちょっと入った住宅街にあるようです。食べ○グにも出てましたが、立喰・ソ系サイトで見かけたことはありません。
 これはすばらしお宝情報。後光が射す運転手さんのおかげで後悔度数マイナス100、こんなこともあるんですね。料金はバスの10倍ほどでしたが、安いもんです(気分的に)。
 タクシーで横付け(人生初体験)した永年の宿題店も、珍しく(私の場合)ちゃんと営業していました。昭和風情のお店で、ソもおいしくいただきました。その後30分ほど炎天下を歩いて到着した未知なる新店も、ちゃんと営業していたという、奇跡的にうそのような後悔度ゼロの一日でした(私の場合特に)。

小名浜
小名浜
宿題店は住宅街の中にあり、地元のみなさんで賑わっておりました。国鉄時代の貨車(ワム80000?)が、倉庫代わりに並んでいるのもステキでした。(2022年6月撮影)

小名浜
小名浜
タクシーの運転手さんが教えてくれた未知なる新店のいなか弁当。まさかこんなところに、というところにありました。2010年2月に開店したそうです。Webサイトありますから、探してみてください。さきほどソをすすったばかりなのにどんぶりまで食べてますね。あまりの暑さでおかしくなっていたようです。(2022年6月撮影)

 帰ってからAB君に「こんなお店、知らないだろ!へへ〜ん!!!!」と、鼻がAB君のところに届くほど意気揚々と戦果報告をしたところ、即座に「小名浜にもう一軒あるみたいですね。行かなかったんですか? ふふふ」と意味ありげな返信が……
 んんんん? 嫌な予感が。調べてみたら、ありました。最初に行った立喰・ソは、支店(本店?)で、さらにもう一店あるみたいです。やはり後悔ゼロでミッションコンプリートというのは、難しいみたいです(私の場合は)。後悔日誌はまだまだ続きます。

本庄
本庄
乗り放題の大休パスなので、帰り際に高崎線の某駅へはしごソ。ホーム上にある今や稀少な非旧NRE系です。暑い初夏の夕暮れ時、冷やしとろろは五臓六分に染み渡りましたが、明らかに食べ過ぎです。ちなみにここは、冷やしも温も同料金!(2022年6月撮影)


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2022/07/15掲載