HONDA ダックス125 車両解説
ダックスは、「車に積めるレジャーバイク」をコンセプトに1969年8月に発売開始された“ファニー・バイク”だった。その姿も似つかわしく愛らしい猟犬“ダックスフンド”から命名された“ホンダダックス”。1969年から1981年まで国内で販売され、愛嬌のある特徴的なスタイリングや、ゆったりとしたライディングポジションが得られる手ごろなサイズにくわえ、経済的で信頼性の高いエンジンを搭載することで好評を得たモデルで、モンキーと並び人気を集めた我が国のファニー・バイクの原点といえるモデルとなった。
惜しくも1981年に生産終了となってしまっていたが、’80年代のアウトドア志向の高まりやレジャーの多様化に合わせ、1995年2月に国内向けとして復活販売されている。販売計画台数(国内・年間)は、4,200台で、メーカー希望小売価格は、198,000円だった。
エンジンは、低・中回転域で扱い易い出力特性としながらも、高回転域ではスムーズな出力特性とし、クラッチ操作のいらない自動遠心式3段リターン変速機を組み合わせて装備することで、より扱い易いものとしている。また、カムチェーンの調整が不要のオートカムチェーンテンショナーや、補水不要の軽量・コンパクトなMFバッテリーを採用するなど、メンテナンス・フリー化にも配慮するとともに、始動が容易な12VのCDI式マグネット点火とすることで使い勝手の良いものとしていた。
車体・足廻りは,スマートで強靱、そして何よりもその個性を特徴づけるスタイルのプレス・バックボーン・フレームに、フロントサスペンションは、シンプルな構造のテレスコピック式とし、前・後に太めのブロックパターンタイヤ(3.50-10 51J)を装着することで、快適な乗り心地としていた。また、折りたたみが可能なアップハンドルや、着座位置にゆとりのあるロングシート(シート高:735mm)の採用などとあいまって、ゆったりとしたライディングポジションを実現していた。
さらに、フロントフェンダーやマフラープロテクターなど各部に質感の高いメッキ部品を採用し、アルミ製立体エンブレムや深みのあるメタリックレッドの車体色とあいまって個性を一段と際だたせていた。
ここまでがダックスのストーリーの前半といえるもので、ここからは、モンキー125と同様、125モデルになってからのヒストリーが刻まれるというわけだ。
新世代ダックスの最大の特徴は、原付二種サイズになったボディに、モンキー125同様4ストロークOHC単気筒、123cmエンジンを組み合わせて、あの懐かしい、“ダックススタイル”をTボーンフレームで忠実に再現したということに尽きる。中身の概要は下のホンダのリリースへ。
★ホンダ ニュースリリースより (2022年3月24日)
原付二種の新型レジャーバイク「ダックス125」を発売
Hondaは、原付二種(第二種原動機付自転車)の新型レジャーバイク「ダックス125」を7月21日(木)に発売します。
●犬種「ダックスフンド」をイメージした「ダックスホンダ(1969年)」のスタイリングを踏襲しつつ、現代の感性を取り入れる
●スタイリングを特徴づける鋼板プレスを用いたT字型のバックボーンフレーム
●二人乗りが容易で、体格に合わせて多様なライディングポジションに対応可能なダブルシート
●力強い出力特性と優れた環境性能を両立した空冷・4ストローク・OHC・123cm3単気筒エンジンと、クラッチ操作や頻繁なシフト操作を必要としない自動遠心クラッチを採用した、4速トランスミッション
●前後輪にキャストホイールとチューブレスタイヤ、ディスクブレーキを採用するとともに、制動時に安心感を与える、前輪に作用するABS※1
ダックス125は、Hondaの歴史あるプロダクトブランド「ダックスホンダ」を現代に再定義した原付二種のレジャーバイクです。休日をライダー一人だけでなく、大切な家族や仲間とともに楽しんでいただくことで、より充実したバイクライフを過ごしていただくことを目指したモデルです。
力強い出力特性を持ち最新の排出ガス規制※2に対応した、空冷・4ストローク・OHC・123cm3単気筒エンジンを搭載。クラッチ操作を必要としない自動遠心クラッチに4速トランスミッションを採用しています。
車体は、ダックスらしさを印象付ける胴の長い鋼板プレス製バックボーンフレームに、二人乗りが容易なロングタイプのダブルシートとパッセンジャーも握りやすいグラブバーを採用。燃料タンクやエアクリーナーをシート下のフレーム内に装備し、エンジン周辺をシンプルに構成することでT字型のフレーム形状を際立たせるコンパクトで個性的なスタイリングを実現しています。また、アップタイプのマフラーに装着されたマフラーガードや、車体左側面のカバーなど随所にクロームメッキのパーツを配し、愛らしい外観に上質感を付加しています。
足まわりは、シンプルなデザインで高剛性なキャストホイールに、12インチサイズのチューブレスタイヤを組み合わせるとともに、倒立フロントフォークならびに前後輪ディスクブレーキを採用。さらに、前輪に作用するABSを標準装備とすることで制動時の安心感を高めています。
灯火器類には、愛らしい印象を引き立てる丸形のLEDヘッドライト、ウインカーを採用。
カラーリングは、懐かしさと上質さを感じさせる「パールネビュラレッド」と、都会的な風景に溶け込む「パールカデットグレー」の全2色を設定しています。
※1 ABSはライダーのブレーキ操作を補助するシステムです。ABSを装備していない車両同様に、コーナーなどの手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは対応できません。ABS作動時は、キックバック(揺り戻し)によってシステム作動を知らせます
※2 平成32年(令和2年)排出ガス規制
- ●発売日
- ●メーカー希望小売価格
- 440,000円(消費税抜き本体価格 400,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- ●販売計画台数
- (国内・年間) 8,000台
- ●カラー
- 「パールネビュラレッド」
- 「パールカデットグレー」
2022年7月21日
主要諸元
車名型式 | 8BJ-JB04 | |
---|---|---|
ダックス125 | ||
発売日 | 2022年7月21日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.760×0.760×1,020 | |
軸距(m) | 1.200 | |
最低地上高(m)★ | 0.180 | |
シート高(m)★ | 0.775 | |
車両重量(kg) | 107 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※3 | 55.0(国交省届出値 定地燃費値(60km/h 1名乗車時※4) | |
65.7(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時※5)★ | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.0 | |
エンジン型式 | JB04E | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 123 | |
内径×行程(mm) | 50.0×63.1 | |
圧縮比 | 10.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 6.9[9.4]/7,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 11[1.1]/5,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 3.8 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※6 | |
変速比 | 1速 | 2.500 |
2速 | 1.550 | |
3速 | 1.150 | |
4速 | 0.923 | |
減速比1次/2次★ | 3.421/2.266 | |
キャスター(度)★ | 24°54′ | |
トレール(mm)★ | 84 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70-12 51L |
後 | 130/70-12 56L | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/Thai Honda Manufacturing Co., Ltd.
■製造国/タイ
■輸入事業者/本田技研工業株式会社
※3 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※4 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※5 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※6 走行中はリターン式で、停車時のみロータリー式になるチェンジ機構です