11月10日、『Vストロームミーティング2024』がスズキ本社で開催され、1173台、1518名のファンが詰めかけた。2014年の初開催から10周年を迎え、特設駐輪場もイベント会場も朝からお祝いムードにあふれる。あえて第1回記念のイベントTシャツを着ているライダーも多かった。そこでおこなわれたのが参加皆勤賞プログラム。果たして第1回から全参加を果たしたライダーは何名に!?

■Ｖ-Strom Meeting 2024　　2024年11月10日　静岡県スズキ株式会社本社
■取材協力：株式会社スズキ二輪
■文･写真：高橋絵里　

　Ｖストロームミーティングといえば！　二輪ジャーナリストのノア・セレンさんがスズキ・エンジニアに鋭い質問で秘話を聞き出す開発者トークショー、はたまた冒険家の賀曽利隆さんが、Vストロームと共に駆け抜ける半端ない走行距離の旅話全開トークショー、この二つは不動の人気コンテンツだ。そんなお二人のレギュラーゲストに、今年は海外バイクツアー会社『道祖神』前社長の菊地 優さんと、レーシングライダーの津田拓也さんが加わって、より華やかに、イベントコンテンツもさらに楽しみな顔ぶれだ。

クチバシフェンダーが並ぶ駐輪場は壮観。収容台数過多を見込んで用意された予備エリアまであっという間に満車になった。

Vストローム250オーナー、普段の足にも使っているというゲストのレーシングライダー津田拓也選手も愛車でライドイン。

強力なゲスト陣、右からノア・セレンさん、賀曽利隆さん、『道祖神』前社長の菊地 優さん、津田拓也さん、MCはお馴染み浜崎美保さん。

　この10年の間には、コロナ渦の影響でミーティング開催を自粛し、グッズ販売のみやオンライン配信での開催を余儀なくされた年もあった。そんな時も欠かさずグッズを購入し、オンライン配信を視聴しながら参加したVストロームファン。開会宣言で鈴木俊宏社長の、「第1回目は2014年11月、本社前の駐車場でおこなわれ438名の方に来ていただいたのがスタートでした。コロナ渦でオンライン開催だった年はまさにこの場所で、賀曽利さんやセレンさんと一緒に僕も焚火を囲みながらwebで配信させていただいた思い出もあります。」との言葉に、満席の会場もウンウンとうなずく。みんなで参加しみんなで分かち合った10年、もう10年？まだ10年？　Vストロームと共に過ごしたそれぞれの思いが広がる。
　全員で集合写真を撮ったりトークショーに聞き入ったり、ブースを見てまわったりメッセージボードを書いたり展示車にまたがったりと、魅力たっぷりのイベント会場と同時に、駐輪場エリアもまたＳＮＳで繋がるクラブやグループ同士でリンクを交換したりステッカーを配ったりと、ライダー同士の交流で賑わっていた。
「今までは動画サイトでミーティングを見ていましたが、会場に来てみんなと話したり知り合うのもいいものですね！」とは、Vストローム所有10年の初参加ライダーだ。現場の空気や雰囲気を肌で満喫できる、ファンミーティングの醍醐味にすっかり魅せられたようだった。

開会宣言を行う鈴木俊宏社長、10周年の感謝に加えて「来年はより多くの皆様に楽しんでいただけるよう、もっと大きな会場を予定します」とイベント拡大も宣言。

Ｖストロームライフを彩るタイヤ、ギア、洗車用品、カスタム、キャンプ用品など新情報豊富な出展ブースを訪ねてまわるのが楽しい。

Vストローム展示は現行5機種・8バリエーションが並び、跨りも可。クチバシフェンダーやヘッドライトデザインの違いもまた楽しい。

四輪展示はタープ付きでミニモトを積むエブリィワゴンと、フォールディングサイクルを積んだスーパーキャリィでアウトドアライフスタイルを提案。

今年2月から10月まで全国からの投稿写真を都道府県別に並べた『Vストロームロケーションマップ』を公開展示。Vストロームで訪れた土地の風景写真などどれもきれいな力作。眺めながら次の旅の候補地を探すライダーも。

恒例のメッセージスナップコーナーは思い思いのメッセージを書いて撮影、スズキサイトにアップされる人気の来場記念コンテンツだ。

開発者トークショーはノア・セレンさんと、エンジニアの加藤幸生さん、東郷隼也さん、小川和孝さんとの丁々発止トークが大人気。デザインの決め手や性能アップに向けた秘話などたっぷり45分間聞かせてくれた。

賀曽利さんと菊地さんの海外ツーリングトークショー。聖山カイラス、ユーラシア大陸横断、シルクロード横断、チベット横断などノンフィクションなエピソードの数々はお宝話過ぎて会場は憧れ目線のため息。

　さて、10年前の第1回ミーティングからの皆勤賞を挙手で募るひとときが来た。実際はオンラインでグッズ販売と開催をした2回を除く実開催8回、主催のスズキさんは贈呈記念品を10個用意されたようで、もし皆勤者がいない場合でも7回、6回、5回参加まではOKと予定したらしい。そしてフタを開けてみれば、皆勤ライダーが続々、なんと14名だ。会場から驚きと称賛の声が上がり、賀曽利さんが一人ずつ都道府県と所有モデルをインタビューした。1モデルを乗り続けている人も、650から800や1050にステップアップした人も、250にサイズダウンした人もいて、これからもずっと乗っていきたいと口を揃えた。色々なＶストローム愛が伝わってくる。
　ミーティング10周年を祝い、明日からまた次の10年へ向けて、ライダーは走り続ける。
（文･写真：高橋絵里）

2014年からの『Vストロームミーティング皆勤賞』を受賞の14名の皆さん。スズキ特製アウトドアエプロンがプレゼンターの賀曽利さんから手渡された。記念写真は「行くゼー！」のカソリポーズで。

目立とう精神？　いえいえ、一番自分らしい演出で参加する楽しみ。衣装ばかりでなくバイクも迷彩柄に。ハイ、このコスチュームで走ってきましたよ。仮装マスクライダーはちゃんとマスクを外してじゃんけん大会に参加していた。

出店協賛社からの豪華賞品争奪、恒例「最初はV！」からのじゃんけん大会はノアさんと浜崎さんが進行、津田さんがじゃんけん役、賀曽利さんがプレゼンターで会場全体がひとつになり盛り上がる。津田さんの連続グー出し＆変則チョキパー技が勝負をかき乱す。

賀曽利さんに会いたくて来場したライダーも多く、サインや写真に列ができた。一人ずつ丁寧に応対する賀曽利さんは77歳、愛車Ｖストローム250ＳＸは7月乗り出しですでに走行２万キロ、「目指せ200万キロ！」まであと15万キロだそうだ。

終了後はスズキスタッフとゲストの見送りを受けながら、イベントの思い出を噛みしめながら帰路につくライダー達。

大阪府のタケポンさん、「「乗りやすい！姿勢がラク！燃費がいい！」とVストローム650XTをベタ褒め。「Vストロームという共通の話題でいろんな方としゃべるのが楽しい。札幌とか宮崎とか遠くからも来てるのがすごいね。どんだけみんな好きやねん！（笑）」

一度見たら忘れないインパクト、『岩下の新生姜』好きが高じてVストローム250も新生姜カラーにペイントしてしまった“けんけんさん”は千葉県から。「パニアケースやトップケースに荷物をたくさん積んでキャンプツーリングに行くのも楽しいです！」

兵庫県から皆勤賞ライダーはVストローム1050XTの伊藤さん。「2019年のミーティングで社長がアンヴェールした時の印象が強くて、それまでの650から乗り換えました。ミーティングは皆さんとの連帯感が生まれる場所、もはや自分の人生の一部です！」