YZ450/YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition/YZ250F/YZ250/YZ125/YZ125 Monster Energy Yamaha Racing Edition/YZ85LW/YZ85/YZ65 車両解説
2022年モデルのトピックスは17年ぶりのフルモデルチェンジが行われたYZ125だろう。シリンダーボディ、シリンダーヘッド、ピストン、ピストンピン、コンロッドからクランクケース、チャンバーなど、エンジンの機能パーツ全てを一新しパワーアップを図った新型エンジンを開発。これまた軽量コンパクトに再開発された車体周り、そして次世代YZシリーズのパイオニアとなるべく先進的かつ機能的な外観デザインなどなどを特徴とする。
YZ450F、YZ250F、YZ250、YZ85、YZ85LWはマイナーチェンジで、それぞれの概要は、YZ450FとYZ250Fでは、フロントサスのセッティング変更、リアサスのセッティング変更、軽量ホイールハブの採用、3クロススポーク、軽量ドライブチェーンの採用。そしてYZ250Fではさらに2.15インチワイドリム、110/90-19タイヤが採用された。
YZ250では、シート、シュラウドと連続した面構成でライダーアクションを支えるタンク、同様にスリムなシュラウド、極低速からの減衰特性に優れ旋回性に貢献する倒立式サス、大径ピストン高剛性キャリパー、パッドとの接触面を約3割アップした新ローター、減衰間に優れたリンク式モノクロスサス、ディスク形状を刷新し軽量化したリアブレーキ、フィット感に優れるフラットシート、新気のストレート吸入に貢献するフェンダー内側形状、インテーク計上、シート裏形状など。
YZ85、YZ85LWでは、’21年モデル比40g軽量化したハンドル、ラジエターの導風性に優れたフロントフェンダー、ライダーアクションの自由度を高める左右同一のシュラウド、ライディングの自由度を広げるタンクキャップレイアウト、同スリムかつフラットなシート、同サイドカバー、後方ストレート吸気ダクト、脱着式軽量アルミ製リアフレーム、剛性バランスを最適化したリアアーム、リニアな操作性のリザーブタンク一体マスターシリンダーの採用など。
★ヤマハ ニュースリリースより (2021年7月30日)
モトクロス競技用「YZ シリーズ」2022 年モデルを発売
~「YZ125」は17年ぶりにフルモデルチェンジ~
ヤマハ発動機株式会社は、排気量64cm3~449cm3のモトクロス競技用の2022年モデル9機種を10月28日から順次発売します※。
17年ぶりのフルモデルチェンジとなる「YZ125」は、1)レースで勝つためのパワーアップを図った新エンジン、2)操縦安定性とコーナリング性能、扱いやすさに寄与する軽量・コンパクトな車体、3)次世代YZシリーズのパイオニアとなる先進的かつ機能的な外観デザイン、などを採用し戦闘力を向上させました。
マイナーチェンジとなる「YZ450F」「YZ250F」「YZ250」「YZ85」「YZ85LW」は、2021年モデルの基本性能を継承し、よりレースで勝てるマシンへと進化させました。
なお、各モデルには共通コンセプトの新カラー&グラフィックを採用しています。
さらに「YZ250F」「YZ125」は、ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現した「Monster Energy Yamaha Racing Edition」も販売します。
※本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2021年7月30日から12月26日までの期間限定で予約の受付を行います。
※予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了を待たずに受付を終了する場合があります。
- <名称>
- 「YZ450F」
- <メーカー希望小売価格>
- 1,078,000円(本体価格980,000円、消費税98,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年10月28日
- <名称>
- 「YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition」
- <メーカー希望小売価格>
- 924,000円(本体価格840,000円、消費税84,000円)
- カラー
- ヤマハブラック(ブラック)
- 発売日
- 2021年10月28日
- <名称>
- 「YZ250F」
- <メーカー希望小売価格>
- 913,000円(本体価格830,000円、消費税83,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年10月28日
- <名称>
- 「YZ250」
- <メーカー希望小売価格>
- 781,000円(本体価格710,000円、消費税71,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年10月28日
- <名称>
- 「YZ125 Monster Energy Yamaha Racing Edition」
- <メーカー希望小売価格>
- 748,000円(本体価格680,000円、消費税68,000円)
- カラー
- ヤマハブラック(ブラック)
- 発売日
- 2021年10月28日
- <名称>
- 「YZ125」
- <メーカー希望小売価格>
- 737,000円(本体価格670,000円、消費税67,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年11月30日
- <名称>
- 「YZ85LW」
- <メーカー希望小売価格>
- 572,000円(本体価格520,000円/消費税52,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年11月30日
- <名称>
- 「YZ85」
- <メーカー希望小売価格>
- 561,000円(本体価格510,000円、消費税51,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2021年10月30日
- <名称>
- 「YZ65」
- <メーカー希望小売価格>
- 495,000円(本体価格450,000円、消費税45,000円)
- <カラーリング>
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- <発売日>
- 2021年10月28日
- <販売計画>
- 400台(シリーズ合計/国内)
- ※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- ※保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 【YZ125の主な特長】
- 1)レースで勝つためのパワーアップを図った新エンジン
-
シリンダーボディ、シリンダーヘッド、ピストン、ピストンピン、コンロッドからクランクケース、チャンバーなど、エンジンの機能パーツ全てを一新しました。シリンダーポートは、ポートタイミングや形状も最適化。新チャンバーの排気脈動効果が加わり、パワーデリバリー感や加速感が向上、出力も大幅にアップしています。さらに排気のタイミングをコントロールし全域でスムーズなトルク特性を引き出す“YPVS(ヤマハパワーバルブシステム)”もスペックを刷新して搭載しました。
また、吸気方法をサイドカバー後方から直線的に外気を導入する後方ストレート吸気とすることで、高回転域での伸び感、優れたオーバーレブ特性を感じられます。
加えて、新キャブレターや「3Dマップ制御CDI ユニット」搭載のスロットルポジションセンサーの採用により良好なドライバビリティを達成。カーボン製リードバルブ「V-FORCE4」の採用やクランク室の最適設定によるパワーバンドの拡大、ハイパワーに呼応して歯幅を広げたトランスミッションギアなどにより、さまざまなコース状況に適応可能です。 - 2)操縦安定性とコーナリング性能、扱いやすさに寄与する軽量・コンパクトな車体
-
軽快な操縦性・旋回性に貢献する実績と信頼性のある「YZ125」専用アルミフレームは、新エンジンに合わせて懸架ブラケットを新作しバランスを調整しました。
リアフレームは、従来からの強度・剛性バランスをそのままに新気の吸気ダクト機能を持たせたシート懸架構造に変更しました。
さらに、性能向上した新エンジンにあわせ、ブレーキも前後とも刷新。優れた制動力を発揮します。
4ストロークYZ同様のKYB製サスペンション(前後)は、ショック吸収性はもちろん、旋回性、トラクションに貢献しています。特にフロントは、ごく低速での作動時から減衰力を発揮し、前後ピッチが少なく、しっとり落ち着いた減衰特性をもたらします。
また、シートは極力フラットな座面とし、タンク、シュラウド、サイドカバーの形状もライダーが動きやすい面構成とすることで、加速から制動・旋回時まで様々なシーンでのポジション/アクション自由度を広げました。 - 3)次世代YZ シリーズのパイオニアとなる先進的かつ機能的な外観デザイン「YZのスピード感を表現する水平基調」「軽快感の視覚化」「進化した走行性能の視覚化」をキーワードに“ライダーの思うまましなやかに躍動する美しい造形と、技術進化によるパフォーマンス表現の融合”を目指したデザインとしました。
- 【YZ450F/YZ250Fの主な特長】
- 1)軽量リアホイールハブ&リア3クロススポークなどがもたらす優れた乗車感、軽快なハンドリング
-
アルミ鋳造のリアホイールハブは、CAE解析※により必要な強度を確保しつつ、左右のフランジ部を含め全体を薄肉化し、2021年モデル比で約65g軽量化、ハブ単体では28g軽量化しました。
リアのスポークの編み方は、2021年モデルの2 クロススポークから3クロススポークへと変更し、スポークのたわみを効果的に活かすことで衝撃吸収感とトラクション感を向上。軽量リアハブとの相乗効果により、優れた乗車感、接地感、軽い操舵感などに貢献します。
なお、「YZ250F」はリアにワイドリム&110㎜幅タイヤを新たに採用。
加速時、コーナリング時において、優れたトラクションとショック吸収性をもたらします。
※CAE 解析:Computer Aided Engineering の頭文字の略「コンピューター支援設計」 - 2)軽量スプロケット/軽量ドライブチェーンなどによるキビキビした走行性
-
リアのスプロケットは、シャープな走行性に機能美を重ねるため形状を一新しました。トポロジー解析※により、強度と軽量化を両立。ローター/アクスル部ともに強度を高めつつ2021年モデル比で39g軽くなっています。
ドライブチェーンは、コンマ数ミリ単位でアウタープレートを薄肉化し2021年モデルで比73g 軽量化しました。アウタープレートは、t2.0 からt1.8に、ピン長は17.60mmから16.90mmに、アウターピンはφ5.23からφ5.08に変更。軽量化により、駆動力のロスを削減しています。
またこうしたリアホイールまわりの軽量化とのバランスを図るため、前後サスペンションのセッティングを変更しました。コーナー進入・脱出におけるトラクションの安定化に繋がっています。
※トポロジー解析:位相最適化 - 【YZ250の主な特長】
- 1)高出力化に貢献する後方ストレート吸気採用
- 2022年YZ125と同様、サイドカバー後方から直線的に外気を導入する後方ストレート吸気を採用。高回転域での伸び感、優れたオーバーレブ特性を感じられます。
- 2)前後サスペンションセッティングの見直し
- 4ストロークYZ同様の構造としたKYB製前後サスペンションは、減衰力特性を向上させ、ショック吸収性はもちろん、旋回性、トラクションを向上。特にフロントは、ごく低速での作動時から減衰力を発揮し、軽量ボディを活かしたセッティングにより、前後ピッチが少なく、しっとり落ち着いた減衰特性をもたらしています。
- 3)ブレーキ性能の向上
- フロントのピストンを大径化、ローターはパッドとの接触面を従来比で約30%拡大、ブレーキレバーは操作性を配慮しストロークを従来比で5mm 増加し、優れた制動力と、良好な操作感をもたらします。リアはディスク形状の刷新で、制動力を維持したまま軽量化しています。
- 【YZ85/YZ85LWの主な特長】
- 1)後方ストレート吸気の採用により、高回転域でのパワー感が向上
- 2022 年YZ125 と同様、サイドカバー後方から直線的に外気を導入する後方ストレート吸気を採用。
高回転域でのパワーフィーリングを向上しました。ストレートでの走破感、シフトを維持したままでの爽
快なトラクション感、加速感などに寄与します。 - 2)ライダーアクションの自由度を広げる新作のシート&タンク
- シートは、ヒップポジションを上げ、タンクキャップ位置を前側に移動し、スリムでフィット感があるフラットな面構成に仕上げました。また、シートの取り付けを座面後方部のボルト1本留め式とし、整備性を向上。シュラウド、サイドカバーも一新して、スリムで滑らかな面構成とすることで、ライダーの自由でスムーズな体重移動をサポートします。シュラウドは、左右同一幅のスリムなデザインで、シュラウドのスリム化と冷却性能を両立させています。その他、軽量アルミ製リアフレーム(着脱式)、剛性バランスの最適化を図ったリアアーム、リザーブタンク一体型マスターシリンダー(リア)などを採用しました。
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主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
YZ125(B4X3) | ||
発売日 | 2021年10月28日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.135×0.825×1.295 | |
軸距(m) | 1.445 | |
最低地上高(m) | 0.365 | |
シート高(m) | 0.980 | |
車両重量(kg) | 95 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | E127E | |
水冷2ストローク単気筒 | ||
総排気量(cm3) | 124 | |
内径×行程(mm) | 54.0×54.5 | |
圧縮比 | 8.2~10.1 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | キャブレター | |
始動方式 | キック式 | |
点火方式 | CDI(コンデンサ放電式) | |
潤滑油方式 | 混合給油 | |
潤滑油容量(L) | 0.76 | |
燃料タンク容量(L) | 7.0 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.384 |
2速 | 1.933 | |
3速 | 1.588 | |
4速 | 1.352 | |
5速 | 1.176 | |
6速 | 1.055 | |
減速比1次/2次 | 3.368/3.769 | |
キャスター(度) | 26°00′ | |
トレール(mm) | 109 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 100/90-19 57M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |