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レース・イベント

バイカーズ議連が、 青木三兄弟のSSPを視察。
超党派の議員でこの3月に結成された「バイカーズ議連」の活動の一環として、サイドスタンドプロジェクトの視察が行われました。
■レポート&写真:楠堂亜希 協力:サイドスタンドプロジェクトhttps://ssp.ne.jp/






 サイドスタンドプロジェクト、通称SSPは、テスト中の事故により脊椎損傷を負った青木拓磨さんをもう一度バイクに乗せようと、兄弟である宣篤さんと治親さん、有志の仲間で結成されました。2019年の鈴鹿8耐では青木拓磨さんがCBRをライド、兄弟で抱き合う姿に感動をおぼえた人も少なくないはず。
 

2019年の鈴鹿8時間耐久レースのエキジビションでCBR1000RRをライディングした青木拓磨さん。

 
 そしてこの度、岩手県選出参議院議員の横沢たかのり氏の試乗体験に、バイカーズ議連のメンバーがかけつけました。袖ヶ浦サーキットで開催されたSSPの走行会では、これまでの活動を見て触発された多くの参加者また見学者が訪れていました。
 SSP体験会初回の参加者は、会場での走行見学と安全な走行をするための説明、医師による健康診断、補助器具がついたバイクに跨って身体を動かすなど、いきなりバイクに乗るのではなく前段階でしっかりとした準備をし、安心して乗れる工夫がされていました。
 

CBR1000RRに跨がる横沢たかのり氏と、モトクロスライダーの息子の拓夢さん、そして青木拓磨さん。
超党派で結成された「バイカーズ議連」の議員たちも熱心にレクチャーを受けていた。

 
 横沢氏もこの日は初参加のため、コースインは次回になりましたが、補助器具のついた車両を青木拓麿さん指導の元、身体を左右に揺らしながら試走させてみたり、バイクにまたがった姿でライディングフォームをとるなどしていました。実は、横沢氏の息子さんはモトクロスライダーの横沢拓夢さん。この日は、拓夢さんも同行していたのですが、拓夢にとっても初めての姿を見せていました。また、バイカーズ議連のメンバーも見学に訪れ、参加者、見学者を交え、障害者と共につくる社会のありかたについて積極的な意見交換が行われました。
 

拓磨さんから補助器具のレクチャーを受ける横沢氏。
実際に使われるバイクに跨る横沢氏、スタッフが数人でサポートします。

 

スタート直後の不安定な区間はスタッフが全力で伴走。
参加者の体験走行。青木宣篤さんと治親さんも一緒に走ります。

 
 見学の日からまもなくして、熊本市のHSR九州(モトクロスコース)全日本選手権のトップライダーである拓夢さんの開幕戦に横澤たかのりさんの姿がありました。元モトクロスライダーの横沢氏がモトクロスコースにいる事は日常のことで、一人で車で来ては拓夢さんの走りをチェックするために砂利のダートをスイスイと移動していきます。モトクロス界では車いすの方がコースにいることは日常のことで、コース脇でライディングを細かくチェックして選手にアドバイスをくれる大切な存在であり、ライダー達の一番の理解者です。ヤマハでは元ファクトリーライダーの三原拓也さんがアドバイザーとして活躍、関西の名門「マウンテンライダース」の監督小橋雅也さんも元ファクトリーライダーとして名を馳せた人物です。
 

全日本選手権モトクロスの開幕戦に来た横沢氏。
富田俊樹選手に声をかけるのはヤマハのアドバイザー・三原拓也さん、自身も元ファクトリーライダー。

 
 23歳の拓夢さんは今シーズン、地元岩手のモトクロスライダーを率いて「TKM motor sports いわて」というチームを立ち上げました。チーム員の指導や毎日の練習やトレーニング、活動資金の調達、この時代に新たにレース活動を率いていくのは簡単なことではありませんが、モトクロス国際A級から車いす生活になって2人の息子を育て、チェアスキーのパラリンピック日本代表として活躍し、国政に出るなど、人生に挑戦し続ける父の背中を見てきた拓夢さんが大きなものを背負って立つことは必然だったかもしれません。開幕戦決勝、そんな父の姿に触発されたのか、拓夢さんはIA1クラス(全日本の最上位カテゴリー)で自己最高位の4位に入賞しました。
 

拓夢さんは、父・たかのり氏の前で初の4位入賞。笑顔が弾けます。

 
 横沢氏のSSP体験会の次の日程も決まり、多忙なスケジュールを縫ってトレーニングを開始。横沢親子の挑戦はこれからも続きます。
 

SSP参加者と見学者とそしてスタッフの皆さん。



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2021/05/31掲載