2010年の3月に国内発売されるや、多くの“CBファン”をカムバックさせ、リッタークラスのベストセラーとなったCB1100。ちなみに’07年の東京モーターショーに参考出品されて話題を集めたコンセプトモデル、CB1100FとCB1100Rが出発点で、’09年のショーでは現在の姿に近いスタイルのプロトタイプ・モデルが公開され“市販予定車”として紹介されていた。そして、2010年3月11日にアップハンドルの<Type I>が先行で発売開始され、ローハンドルの<Type II>は若干遅れ、その年の6月4日に発売されている。
翌’11年の7月には、CB1100シリーズ初のスペシャルエディションが登場している。期間限定で受注発売された「CB1100<Type Ⅰ>ABS・Special Edition」で、ホワイトとレッド、2色設定のオリジナル・モデルに対して、こちらのスペシャル・エディションはブルー系の車体色を特徴としていた。
また、オリジナル・シリーズがブラック塗装のエンジンを搭載していたのに対して、シルバーの金属肌を強調したエンジンを搭載。ホイールもシルバーでメカニカルなイメージが強調されていた。それ以外では色調が変更された車名のエンブレムステッカーが採用されたぐらいで、スペック的な変更はなかった。
2012年2月には、CB1100シリーズ初のマイナーチェンジが行われた。乗り心地の優れた網状のクッション“e-cushion”シートをホンダ車として初採用、サイドカバーには立体エンブレム、また視認性を向上させたメーターパネルなどが採用されていた。それまでは、2タイプの形状のハンドルが選べたが、このモデルはアップタイプのみの設定となった。車体色は新色の銀と、継続色の赤、白、計3色をラインナップ。
このマイナーチェンジを期に、黒の車体色をベースに、エンジンから前後ホイール、リアサススプリング、Fフォークボトムケース、サイドカバー、ステップホルダーまでを黒で統一した“ブラック・スタイル”が誕生している。
2014年2月には、CB1100シリーズのミッションを5速から6速へと変更するなど各部の熟成を図るとともに、左右2本出しマフラーの採用やワイヤースポークホイールの採用などでトラディショナルイメージを高めたCB1100 EXを新たにタイプ設定して発売。また、CB1100<ABS>にETCとグリップヒーターおよび専用インジケーターランプを標準で装備したCB1100 EX<ABS> E Package(こちらのタイプのみ4月発売)もラインナップしている。2015年1月には、ユーザーからリクエストが多かったアルミキャストホイール仕様をCB1100 EXタイプにも設定した、CB1100 EX<ABS>・特別仕様が発売されている。ただし200台のみの限定だった。
CBシリーズの充実を図るべくバリエーションモデル、CB1100 RSが登場したのは2017年の1月。CB1100 EXシリーズが大幅なモデルチェンジを受けると同時に、よりスポーティな仕様として発売開始されている。
CB1100 RSの特徴としては、1)軽快なライディングフィールを可能とした専用の足周り装備とキャスター角26度の専用ディメンション、2)スポーティーなキャラクターを演出する、アルミキャスト製17インチホイールと幅広タイヤ、3)前傾のライディングポジションとなる新設計のローハンドル、4)軽快なハンドリングを実現するφ43㎜のインナーパイプや2ピースボトムケースを採用したショーワ製SDBVフロントフォーク、リザーバータンク付きリアクッション、新設計の軽量アルミ製スイングアーム、5)スポーティな印象を強調する樹脂製フロントフェンダーやラジアルマウントブレーキキャリパー、6)コンパクトでスタイリッシュなLEDウインカー、7)エアチェック時のメンテナンス性を向上させたL字バルブ(CB1100と共通)採用、などが特徴となっている。
2017年の12月には、このCB1100 RSシリーズにCB1100の“ブラックスタイル”を彷彿とさせるモノトーン調のカラーリングが追加設定されている。「ヘビーグレーメタリック-U」の名称で、シリンダーヘッドカバーとクランクケースカバーにブラック塗装を施すとともに、フューエルタンクにはローコントラストのセンターストライプ、シート表皮のカラーにはモノトーンの車体色に映えるブラウンカラーを採用。さらに、前後のサスペンションやブレーキキャリパーなど、足まわりを中心とした各部にブラック塗装/アルマイト加工を施すことで、落ち着きのある洗練されたイメージを演出したモデルだ。
今回は、その“ブラックスタイル”に彷彿とさせるシックで重厚感あふれる「ダークネスブラックメタリック」を主体色とするCB1100、エンジン全体をシルバー塗装とし、主体色に「キャンディクロモスフィアレッド」と「パールホークスアイブルー」の2色を採用、前後フェンダーとサイドカバーを主体色と同色にすることで統一感のあるカラーリングとしたCB1100 EX、そして「ダークネスブラックメタリック」、「マットベータシルバーメタリック」「パールホークスアイブルー」の3色の設定としたCB1100 RSをラインナップさせた。
メカニズム面での熟成も行われ、CB1100では減衰力特性に優れたフロントフォークの導入、17リットル入り燃料タンクの採用、CB1100 RSでは減衰力調整機能付きリアサスペンションの採用、などのマイナーチェンジが行われている。
★HONDA ニュースリリースより (2018年12月20日)
大型スポーツモデル「CB1100」シリーズの熟成を図るとともに
カラーリングを変更し発売
Hondaは、力強く扱いやすい出力特性の空冷DOHC直列4気筒エンジンを搭載した大型ロードスポーツモデル「CB1100「「CB1100 EX」「CB1100 RS」の各部の熟成を図り、カラーリングを変更し、CB1100 EXとCB1100 RSは1月11日(金)、CB1100は1月28日(月)にHonda Dreamより発売します。
CB1100は、減衰力特性に優れたフロントフォークや、17L容量の燃料タンクを採用するなど各部を熟成。カラーリングは、主体色を重厚感のあるダークネスブラックメタリックを採用しています。
CB1100 EXは、エンジン全体をシルバー塗装とし、主体色に深みのある質感のキャンディクロモスフィアレッドとパールホークスアイブルーの2色を採用するとともに、前・後フェンダーとサイドカバーを主体色と同一とすることで統一感のあるカラーリングとしています。
CB1100 RSは、減衰力の調整機能付きリアサスペンションを採用し足回りの熟成を図り、走りの質を高めながら快適性を追求。カラーリングは重厚感のあるダークネスブラックメタリック、都会的で渋みのあるマットベータシルバーメタリック、落ち着きのある爽やかな印象のパールホークスアイブルーの3色を採用しています。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- CB1100 シリーズ合計 1,500台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- CB1100 1,231,200円(消費税抜き本体価格 1,140,000円)
- ダークネスブラックメタリック
- CB1100 EX 1,338,120円(消費税抜き本体価格 1,239,000円)
- キャンディクロモスフィアレッド、パールホークスアイブルー
- CB1100 RS 1,378,080円(消費税抜き本体価格 1,276,000円)
- ダークネスブラックメタリック、マットベータシルバーメタリック、パールホークスアイブルー
- ※価格には(リサイクル費用を含む)保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =CB1100の主な特徴=
- ・スムーズな減衰力特性を発揮し上質な乗り心地に寄与するショーワ製SDBV(ショーワ・デュアル・ベンディング・バルブ)フロントフォークを採用。
- ・17L燃料タンクを採用し、ゆとりの航続距離を実現。
- ・長距離走行の快適性と上質な印象のワディング(凹凸)加工を施したシートを装着
- ・エンジンや前・後フェンダー、ホイールなど、ブラックを基調としたカラーリングにより、各部の金属素材とのコントラストにより、伝統的な上質感を演出。
- =CB1100 EXの主な特徴=
- ・金属の持つ質感を最大限引き出したアルミ製のエアクリーナーカバーを採用。
- ・フロントインナーパイプの保護とフロント部のアクセントとしてフォークブーツを装着。
- ・ワディング(凹凸)加工のシートのパッセンジャーシート部にシルバーのパイピングを施すことで上質感を向上
- ・質感の高いフランジレス燃料タンクの側面にシルバーのラインを配し、抑揚感を強調。
- =CB1100 RSの主な特徴=
- ・減衰力調整機能付きのリアサスペンションを装着により上質な走りを追求。
- ・ヘアライン加工を施したブラックアルマイト仕上げたサイドカバーにより上質感を演出。
- ・フランジレス燃料タンクの上面にセンターストライプを配し、スポーティな印象を強調
- ・金属の持つ質感を最大限に生かしたアルミ製のエアクリーナーカバーを採用。
- ・ダークネスブラックメタリックは、エンジンや足回りをブラック基調で統一し精悍さを演出。
- ・パールホークスアイブルーとマットベータシルバーメタリックは、エンジンや足回りをブラック基調のカラーリングとし、左・右クランクケースカバーやフロントフォークボトムケース、ステップホルダーなど金属素材を強調したパーツを装着。。
- =全車共通の標準装備=
- ・グリップヒーターやABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、今後もさまざまな情報提供などが予定されているETC2.0車載器※1にバージョンアップしています。
- ※1 ETC2.0を使用するにあたり、セットアップ、セットアップ費用および決済用のETCカードが必要になります
★主要諸元
車名型式 | 2BL-SC65 | |
---|---|---|
CB1100 EX〈CB1100 RS〉《CB1100》 | ||
発売日 | 2019年1月11日《2019年1月28日》 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.280〈2.180〉《2.190》×830〈800〉《835》×1.130〈1.100〉《1.130》 | |
軸距(m) | 1.490〈1.485〉《1.490》 | |
最低地上高(m)★ | 0.135〈0.130〉《0.135》 | |
シート高(m)★ | 0.780〈0.785〉《0.785》 | |
車両重量(kg) | 255〈252〉《256》 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 31.3〈31.1〉《31.3》(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3 | |
18.9(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
最小回転小半径(m) | 2.7 | |
エンジン型式 | SC65E | |
空冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,140 | |
内径×行程(mm) | 73.5×67.2 | |
圧縮比★ | 9.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 66 [90]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 91[9.3]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 16〈16〉《17》 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.083 |
2速 | 1.941 | |
3速 | 1.478 | |
4速 | 1.240 | |
5速 | 1.074 | |
6速 | 0.964 | |
減速比1次/2次★ | 1.652×2.222 | |
キャスター(度)★ | 27°00′〈26°00′〉《27°00′》 | |
トレール(mm)★ | 114〈99〉《114》 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/80R18M/C 58V〈120/70ZR17M/C 58W〉《110/80R18M/C 58V》 |
後 | 140/70R18M/C 67V〈180/55ZR17M/C 73W〉《140/70R18M/C 67V》 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダブルクレードル |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)■製造事業者/本田技研工業株式会社
※2 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます