9月7日、静岡県『はままつフルーツパーク時之栖』を会場に『KATANAミーティング2025』が開催された。雲ひとつない青空、厳しい残暑もなんのその! で全国から集まった新旧のKATANA乗り、KATANAファンが、まさにこの日だけのめくるめくスペシャルプログラムに全力参加だ。そしてサプライズは幻のKATANAが登場!
- 2025年9月7日 静岡県浜松市はままつフルーツパーク時之栖
- ■主催:株式会社スズキ二輪
- ■文・写真:高橋絵里
イベントオープニング直前、今年は例年の鈴木俊宏社長に代わって、伊勢敬二輪事業本部長がKATANAで颯爽とライドインを披露した。その姿を待ちわびていたファンは誰もが一瞬「新型KATANAだけれど見たことのない色?」とビックリの表情だ。それもそのはず、マットブラックは未販売カラー、もしや新色なのか!? と会場は色めき立つ。実はこの車体色は、2020年スズキwebモーターサイクルショーで登場したものの、レッドカラーとの人気投票により得票したレッドカラーのほうが限定販売されたことで、世界に1台の幻のマットブラックとなったのだ。ステージ前に到着した伊勢本部長は、
「こちらのマットブラックカラーは実車をしっかりお見せする機会がありませんでした。そこで皆様にぜひ見ていただきたいという思いで今回準備してまいりました。じっくりご覧になっていただき、ご意見などがありましたらスタッフにお声がけいただければ幸いです」とコメント。
さらに「そういうわけで今回は『絶対にガシャッとしないでくれ!』と言われて、慎重に運転してまいりました」と晴れやかな安堵の表情を浮かべた。
車両は現行最新カラーのパールビガーブルーと並べて展示され、精悍なマットブラックにゴールドホイールの組み合わせに会場は「かっこいい!」「ぜひ限定カラーで発売して欲しい!」と大注目、今年も嬉しいサプライズからKATANAミーティングは盛大に始まった。
わずか4時間余りのスケジュールに多彩なプログラムがギュッと詰め込まれ、どれも全部見て参加しながら、会場のKATANA愛は最高潮だ。出展エリアには11社、ドレスアップからタイヤ、各種ギアまでKATANAライフ充実のためのブースが並んで、新情報と新商品が満載。ステージでは『抽選会・あなたのお名前を教えてください』という新たなコンテンツが登場した。KATANAの『刀』の文字が名前に入るライダーを募るというもので、苗字では大沼さんや田辺さん、下の名前では敏昭さんなど続々当選、なるほど刀が使われる漢字にどんな字があるか、改めて楽しく知るひとときだった。
みんなで集合写真を撮ったり、特設フォトスポットでバイクと記念写真を撮ったり、お腹がすいてキッチンカーへ行ったりするうち、ステージでは人気目玉のひとつとなったトークショーが始まる。今回は、千葉テレビで放送のバイク情報番組『週刊バイクTV』の公開収録もあり、番組パーソナリティの木村亜美さんを進行役に、スズキから開発チーフエンジニア野尻哲治さんとテストライダー大城光さん、カタナオーナーズクラブ『カタナ会』副会長でバイクジャーナリスト横田和彦さんによるステージとなった。
トークは新型カタナ開発時のこだわりや苦労のエピソードに始まり、開発陣から見るKATANAらしさとは? 先代モデルから新型へ受け継ぐ部分は? といった話題へ。野尻さんが「KATANAは“唯一無二”、KATANAオーナーはおそらく自分のKATANAが一番で、自分のKATANA以外認めてないんじゃないかと思う、それくらい乗り手の魂が入っているバイクだと思います。なので開発も魂を込めて良いものを作るという気持ちでやりました」と話すと、聞き逃すまいと静まり返る会場。さらに野尻さんは、刊行されて間もない東本昌平さんの『HAL’S MOTO 2 RIDEX Suzuki』を持参して見せ、「KATANAってこの世界観かなって。ぜひ皆さんも読んでみてください。」とコメントした。さらに話題はこれからのKATANAの展望へ、KATANAオーナーや視聴者からの質問コーナーへと広がり、最後にステージ上の各氏がKATANAから連想する漢字一文字を披露した。野尻さんは「夢」、大城さんは「伝」、横田さんは「斬」、木村さんは「凛」。それぞれ理由と思い入れがあって、聞き入る会場はKATANA愛であふれた。
そしてミーティング最後は恒例のじゃんけん大会でハジケルのがお約束だ。『最初は(KATANAの)K!』のポーズを会場全員、それも素早くしなければいけないし、そこからのじゃんけんの勝ち抜き戦も息を抜けない。そんな笑える熱戦と共に各勝者に協賛11社からのプレゼントが配られた。