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バイク承前啓後






 

高山さんのバイク承前啓後 第60回 「2輪感覚。」の広告に見るライダーへのいざない その2 SL編

■協力 (株)東京グラフィックデザイナーズ

 
「2輪感覚。」をテーマとした広告は、1970年代に専門誌ではなく週刊誌に掲載されたホンダの広告です。その1では、ベンリイCB50やCB90編を紹介させていただきました。
 今回は、オフロード走行を得意とするSLシリーズの広告です。
 たった1枚の写真と短いコピーの組み合わせは、2輪の魅力をまだ知らないひとたちにもアプローチして、興味を喚起し2輪の魅力を伝えるのにふさわしい内容だと思います。
 日本の四季のうつろいを五感で感じ取れるのは、ライダーの特権のような表現にも思えます。
 広告は、ホンダの二輪製品の広告やカタログの制作に長く携わっている東京グラィックデザイナーズ社の協力をいただきました。
 忘れかけていた2輪感覚を呼び覚まされるかもしれません。

SL350
ドリームSL350は、「山間原野をワイルドに駆けるモトスポーツマシン」として、1970年10月に発売されました。
4ストローク2気筒350ccの力強い走りで、ぐんぐん標高をあげながらワインディング路を駆けていく様子が目に浮かびます。冷気を感じながら音の無い大自然に身をゆだねる至福の時なのでしょう。

SL350
ドリームSL350。鳥は、時としてライダーとすれすれの距離を飛んだりして、遊んでいるかのような動きを見せます。きっと、同じようなスピードの物体に興味を示しているのだと思います。ライダーも、時として風をつかまえて鳥の感覚に浸る瞬間があるのです。

SL250S
ドリームSL250S。1972年4月発売  4ストローク単気筒エンジンを軽量な車体に搭載。肌を刺すような強い光ではなく、そよ風のようにライダーをやさしく包んでくれるような陽ざしなのかもしれません。身体も心も温かくしてくれるような。

ベンリイSL125S
1970年9月発売 ベンリイSL125S 4ストローク単気筒エンジン。まるで自分のためだけに用意されたようなダートをひたすらに走る。バランスをとりながら、右に左に体重を傾ける。地平がライダーと一体になった瞬間かもしれません。

ベンリイSL125S
ベンリイSL125S。コーナーを抜けた瞬間に懐かしい匂いを感じる瞬間があります。映像でも言葉でも表現するのが困難な匂いですが、2輪感覚を知ると四季を先取りできるようです。

ベンリイSL90


ベンリイSL90。小さな冒険の先に見つけたようです。たぶん、どちらも小さな冒険者なのでしょう。

ベンリイSL90
ベンリイSL90 1970年5月発売 4ストローク単気筒エンジン。夜明けとともに、さまざまな生命が活動をはじめます。2輪感覚では、辞書にない言葉が生まれても不思議ではありません。


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2025/08/08掲載