■レポート・写真:河野正士
世界最大級のモーターサイクルショーEICMA(エイクマ)が、イタリア・ミラノでスタートしました。昨年、パンデミック以前の規模に戻ったとお知らせしたのですが、今年はさらに規模を大きくしての開催。公式コメントを借りると「過去最大となる10パビリオン/総面積は3万平方メートルを超える会場に、45カ国から2100以上のブランドが集結」とのこと。この情報を読んだだけで、僕は足が震えてしまいました。どれくらいの距離を歩き回らなきゃならないんだろう、と。
ここまで規模が大きく気合いが入っている理由は、EICMAは今年110周年記念のアニバーサリーだから。それに合わせて、パンデミック後に出展を見合わせていたいくつかのブランドも戻ってきました。ということで、まずは国内4メーカーの紹介から始めたいと思います。
■ホンダ
ホンダは今年も、ブースとは別会場でカンファレンスを開催。ぎりぎりで会場入りした割には、良いポジションを確保できました。そこで、欧州でも人気モデルのアップグレード版となるいくつかのモデルを発表。「NC750X」は新型TFTディスプレイやダブルディスクの採用。顔周りもリフレッシュ。「NT1100」は新型スクリーン&シートに、ヘッドライト周りのデザインを変更。「PCX125」もデザインが変更されました。
さらには昨年のEICMAで発表された「CB1000ホーネット」の欧州での発売がスタートし、ブレーキやサスペンションを変更した上級モデル「CB1000SP」も発表。日本で人気の「GB350S」も欧州にラインナップされました。
そして2台の電動コンセプトバイクを世界初公開。それが電動スクーターの「EV Urban Concept」と電動バイクの「EV Fun Concept」です。とくに「EV Fun Concept」は、ホンダとして初のフルサイズ電動バイク。しかもバッテリー残量20%→80%まで充電時間約30分。四輪と同規格の急速充電器に対応。航続距離100km強と、ディテールも具体的。そして量産を視野に開発中とのこと。うーん、ホンダもいよいよ電動バイクか、と思いました。
そしてそして、最後の最後に発表されたのは「V型3気筒電動過給器搭載」のコンセプトエンジンです。大型二輪車への搭載を考慮した水冷V型75度エンジン、というくらいしか情報は出てませんが……日本では噂になっていたので”やっぱり出たか”という感じでしたが、噂が出回っていない海外プレスは興奮状態でした。
■スズキ
スズキはオフロードモデル「DR-Z4S」とスーパーモタードモデル「DR-Z4SM」を発表しました。Z4Sは2025年4月から、Z4SMは5月から欧州&北米で販売開始です。オフロードファンにはお馴染みの、あの400ccオフロードモデルの最新版ですね。2000年に発表された「DR-Z400S」は、当時唯一の400cc水冷エンジンを採用したオフロードモデルでした。新しくなった「DR-Z」は電子制御システムS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)には、G(グラベル)モードを含むトラクションコントロール、SDMS(スズキドライブモードセレクター)、解除モード付ABS を搭載しています。
当時林道仲間にDR-Z乗りがいて、その車両をよく見ていたので、なんとも懐かしい感じ。あ、垢抜けちゃったんじゃないのぉ? なんて茶化したくなるくらい、両車ともすっきりしています。
■カワサキ&ビモータ
毎年盛大なカンファレンスを行い、大勢のプレスが駆けつけていたカワサキは、今回カンファレンスは無し。その隣で、カワサキのエンジンを使用するビモータが2台のバイクを発表しました。1台は2025年シーズンからスーパーバイク世界選手権に参戦するビモータチームのファクトリーマシン・レプリカとも言える「KB998 リミニ」。これ純粋に格好いいです。ウイングは速度に合わせて、先端部分が可変。より効率的にダウンフォースを得ることができるそうです。
もう一台は昨年発表した、ハブステアシステムを採用したアドベンチャーバイク「Tesi H2 TERA」の市販バージョン。この車両がオフロードでマジ走りしている映像が流れましたが、なんとも不思議な感じ。でも話を聞くと、オフロードも良い感じ、だそうです。
そしてカワサキブースには、端っこに誇大な箱が……なにかアドベンチャーバイク系のフロント周りと2気筒エンジンらしいエキパイがチラ見えしていました。で、箱の脇に回ってディスプレイを見ると「Life’s a Rally. Ride it(人生はラリーだ。さぁ出かけよう、みたいな感じでしょうか)」のコピーの下に「KLE」の文字が! うー、これが来るのか!?
■ヤマハ
ヤマハは、今年もカンファレンス無し。会場にはY-AMTを搭載した3モデルと、Y-AMTのカットモデル&作動デモンストレーション機が展示されていました。みな興味津々です。「R9」の注目度も高いです。
簡単ですが、これで速報第一弾はおしまい。海外メーカー編はまた明日に。では、これから会場に向かいます!
(レポート・写真:河野正士)
[Part2海外メーカー編へ]