Facebookページ
Twitter
Youtube

新車詳細

新車プロファイル2024
2024年に発売された新車の情報ページです

YAMAHA MT-09 ABSがポジション変更などのマイナーチェンジを受けて2024年モデルに

MT-09 ABSがポジション変更などのマイナーチェンジを受けて2024年モデルに




YAMAHA MT-09 ABS ABS 車両解説

 新世代の“MT”シリーズ、MT-09は、水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンを搭載して2014年4月に発売が開始された。「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つと紹介された車体に、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術、クロスプレーン・コンセプトにも基づいて開発されたエンジンを搭載していた。開発コンセプトは“Synchronized Performance Bike”。「日常の速度域で乗り手の意志とシンクロする“意のままに操れる悦び”を提唱する」マシンのデビューだった。

 フレームはアルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームで、外側締結リアアームなどとともに、最新テクノロジーを導入することで市街地での楽しい走りを狙いとした方向で開発されていた。YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどなど。そして極めつけは装備重量188kgがMT-09の性格のすべてを物語っていると言えるだろう。

 2015年3月には、ABS標準装備モデル、MT-09 ABSにレースブルーとマットシルバーを調和させたニューカラーが設定されている。マットシルバーの車体をベースに、ホイールとフォークアウターチューブにレースブルーを採用してアクセントととし、車体には、RB(レースブルー)シリーズとしてヤマハのレーシングスピリットを象徴する“RB”ロゴも追加されていた。

 2016年3月には、初のマイナーチェンジとして、ABSを採用するMT-09 ABSにトラクションコントロール(TCS)が新たに採用された。2モード+オフから選択が可能で、点火時期と燃料噴射量、そしてスロットル開度を統合制御するタイプのトラクションコントロールだった。

 2017年2月には、初のモデルチェンジが行われたが、スタリングよりも主に中身、メカニズムのアップグレードがメインの実質的な変更だった。開発コンセプトは“Multi performance Neo readster”。A&S(アシスト&スリッパー)クラッチの採用を始め、滑らかなシフトアップを可能とするQSS(クイック・シフト・システム)、圧側減衰調整機能を追加したフロントサスペンションを採用。また、スタイリング面でも、フローティング風懸架のLED4灯ヘッドランプを採用したフロントフェイスデザイン、“塊感”“力感”を強調したサイドビュー、そしてショートテールを実現したアルミ鍛造製ステーによる片持ちのリアフェンダーなどMTシリーズの個性をより強調するスタイリングが取り入れられていた。

 2018年3月に発売された2018年モデルでは、MT-09シリーズのカラーリングの変更と共に、新世代MTシリーズの旗艦であるMT-10と同様、アップグレード版の「SP」仕様を誕生させた。スタンダードなMT-09をベースに、スーパースポーツモデル並みの減衰力を発生するスペシャル仕様のKYB製フロントサスペンションを装備、フロントとリアのバランスを取りながら、バネレート、減衰力を最適化したOHLINS製フルアジャスタブルリアサスペンションの装備、そして質感を感じるダブルステッチ入りのシートの採用、引き締まった印象を与えるブラックバックのデジタルメーターの採用、塗分け塗装などにより、上位モデルのMT-10 SP ABSとリレーションすることで上級仕様としての存在感を強調したカラーリングを採用した。

 2019年4月には、MT-09 ABS本体に新色が追加され、継続色の2色と合わせ3色のラインナップに、アップグレード版のMT-09 SP ABSは継続販売とされていたが、2020年2月にもMT-09 ABS本体にYZF-R1を彷彿とさせるヤマハレーシングブルーをベースにマットグレーと組み合わせた新色を追加している。マットライトグレーとマットダークグレー、およびMT-09 SP ABSのブラックは継続販売だった。

 2022年7月に、MT-09シリーズの2022年モデルとして投入された車両はカラー変更のみだが、YZF-R1やYZF-R1Mを彷彿とさせるカラーをポイント、ポイントに使うことで“次世代のMTシリーズを象徴させている意味合いがあるという。

 今回は、”The Knight Horse(騎馬)”をコンセプトに開発したビッグマイナーチェンジと呼べるもので、従来からのトルク&アジャイルな”The Rodeo Master”の乗り味をより洗練させものとしており、この新しい乗り味は、ライディングポジションの一新とボディ関連のリセッティングによるもので、街中での”アジャイルさ”と、峠道での”旋回性&スタビリティ”をさらに両立させたとしている。

 なお、シリーズ上級仕様の「MT-09 SP ABS」は、2024年夏頃のリリースを予定。
 

MT-09 ABS。「ダークブルーイッシュグレーメタリック8」。(ダークグレー/新色)。
MT-09 ABS。「ディープパープリッシュブルーメタリックC」。(ブルー/新色)。

 

MT-09 ABS。「マットダークグレーメタリック6」。(マットダークグレー/新色)。

 

★YAMAHA ニュースリリースより (2024年3月14日)

ロードスポーツ「MT-09 ABS」をマイナーチェンジして発売
~ライディングポジション変更、シャープな新タンクなどにより俊敏さにスポーティさを加味~
 

 ヤマハ発動機販売株式会社は、”クロスプレーン・コンセプト*”に基づく水冷・4ストローク・DOHC・888cm3エンジンを搭載したロードスポーツ「MT-09 ABS」をマイナーチェンジし、4月17日に発売します。

 今回の「MT-09 ABS」は、”The Knight Horse(騎馬)”をコンセプトに開発し、従来からのトルク&アジャイルな”The Rodeo Master”の乗り味をより洗練させました。この新しい乗り味は、ライディングポジションの一新とボディ関連のリセッティングによるもので、街中での”アジャイルさ”と、峠道での”旋回性&スタビリティ”を両立させました。

 主な変更点は、1)新ライディングポジション、2)ポジション変更に伴う車体剛性バランスの見直しとサスペンションのリセッティング、3)吸気音を強調し高揚感あるサウンド、4)シャープな造形の新型燃料タンク、5)YRC(ヤマハライドコントロール)やクルーズコントロールシステムなどの走行支援、6)野性と知性が調和した新世代MTデザイン、7)ナビ画面に対応した、つながる機能搭載の5インチフルカラーTFTメーターやType-CのUSBソケット、操作性を向上させた新設計ハンドルスイッチ、新機能を搭載したフラッシャーなどの便利な機能です。

 「MT-09 ABS」は、軽く自在に操れる車体に、トルクフルで軽量なエンジンと最新の各種制御を搭載。サウンドデザインを施した吸排気系と相まって、多様なシーンで俊敏かつ力強い走りを楽しめるモデルです。なお上級仕様の「MT-09 SP ABS」は、2024年夏頃のリリースを予定しています。

※ クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想

※ 「MT-09 SP ABS」は、「MT-09 ABS」をベースに、オーリンズ製リアサスペンションやダブルステッチ入りシート、塗り分け塗装のタンクなど、性能と品質感を向上させたモデル

 

<名称>
「MT-09 ABS」
<カラー>
・ダークブルーイッシュグレーメタリック8(ダークグレー/新色)
・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー/新色)
・マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー/新色)
<発売日>
2024年7月17日
<メーカー希望小売価格>
1,254,000円 (本体価格 1,140,000円/消費税114,000円)
 

※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれません。

 
<販売計画>
500台(年間、国内)
 
【新しい「MT-09」の主な特徴】
1)スポーツライディングが楽しめる新ライディングポジション
 幅広いスピードレンジでの安定感と接地感を追求し、ライディングポジションを変更しました。従来比ではわずかに“前傾&バックステップ調”とし、フロント荷重を活かしたスポーティな走りの楽しさを支えます。 ハンドル位置は下方へ約3.4cm、フットレスト位置は後方へ約3cm、かつ上方へ約1cm移しました。これにより、車体への入力がしやすくなり、街中での俊敏な走行からワインディングでの滑らかなコーナリングまで、さまざまな走行環境での自由度を広げました。
 なお、ハンドルバーとステップはそれぞれ2パターンの位置調整が可能です。さらにクラッチレバーは完全新作とし、アジャスター機構を追加、全14段階で位置調整ができます。形状やタッチにもこだわり、質感も高めています。
2)ポジション変更に伴う車体剛性バランスの見直しなど
 ライディングポジションの変更に伴い、エンジン懸架ブラケットの形状と肉厚を変更し、ボディ剛性を向上させました。これにより、より幅広いスピードレンジでの入力に対する応答性が向上。リニアなハンドリングを支えます。一方、メインスイッチ周りの剛性は抑える方向でチューニングし、MTシリーズならではの俊敏なハンドリングを保持しています。
 あわせて、フロントサスペンションのバネレートを高めることで、スポーツ走行時の安心感を向上。また、荷重が少ない時でもストローク量が感じられるよう減衰特性をリセッティングし、乗り心地の良さも維持しました。同時にリアアームのリンクの設計も変更。コーナリング中の車体姿勢/荷重配分をそれぞれ最適化し、スロットルで車体を操るフィーリングをより向上させました。
 なお、リアフレームも新設計し、新たな各種電装部品の搭載スペース確保、テール周りのショートオーバーハング化、剛性の最適化による安定感向上、ライダーの足つき性向上を図りました。
3)吸気サウンドを強調したサウンドデザイン
 トルク感と加速感を際立たせるため、高速・高回転域での吸気音を強調しました。従来の3本吸気ダクトに替え、今回は2本の吸気ダクトとし、高周波サウンドを演出。エンジン回転の滑らかな上昇感が楽しめます。また、エアクリーナーボックスカバーには、音の響きを強調する「アコースティック・アンプリファイア・グリル」と呼ぶ開口部を設け、吸気サウンドがダイレクトにライダーへ届くようにし、高揚感を演出しています。
4)鋭いエッジのスチール製燃料タンク
 新たな製法「高意匠プレス成形」にて燃料タンクを形成。車両との一体感を高めるニーグリップ形状に、MTの世界観を際立たせる鋭いエッジのキャラクターラインを実現しました。燃料タンクの容量は維持しながら全高を抑えたことで、ハンドル切れ角が従来の28度から32度へと片側4度ずつ増え、低速時における取り回しや押し歩きが行いやすくなっています。
 また、前後一体型だったシートを、ライダー側とパッセンジャー側で独立した別体型に刷新。脱着の利便性と質感の向上を図りました。あわせて、タンクと重なる部分のシート前端の反り上がりを廃止。ライダーが前後に移動する際の自由度が高くなったほか、くびれ部分を左右各6mmずつスリム化することで、足つき性や乗降性も向上しました。
5)YRC(Yamaha Ride Control)やクルーズコントロールなど走行支援テクノロジー搭載
 ライダーが自身の好みや路面状況にあわせて、エンジンの出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」を搭載。あらかじめプリセットされた3種のパターン(SPORT/STREET/RAIN)と2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1と2)から、シーンに応じてモード選択が可能です。
 なおクイックシフターは、加速中のシフトアップと減速中のシフトダウンはもちろん、加速中のシフトダウン、または減速中のシフトアップにも対応する「第3世代QSS(クイックシフトシステム)」を採用。また、従来「MT-09 SP」のみの設定であった「クルーズコントロールシステム」も搭載しました(ギア3速以上・時速約40km以上での走行時にセット可)。また、滑りやすい路面での原則時やシフトダウン時のスリップやロックを抑制するBSR(バックスリップレギュレータ)を新たに搭載しました。
6)ナビ画面に対応する5インチフルカラーTFTメーター搭載
 5インチTFTメーターを採用しました。速度やデジタルバーによるタコメーターの他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。各機能の情報操作、セレクトはハンドルスイッチの操作で行います。表示パターンは、4種から選択可能です。
 また、専用アプリ「Y-connect(Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続し、手元でYRCのセッティングを行ったり、さまざまな情報や画像をメーターに表示できます。これにより車両の管理、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できます。
 さらに「Garmin StreetCross」アプリをスマートフォンにインストールし、車両とペアリングすることによって、メーター画面上でナビゲーション機能も使用できます。
7)野性と知性が調和した新世代のMTデザイン
 2014年の誕生から10周年の節目を迎えた「MT-09」。原点に立ち返り、知性とスタイリッシュさを兼ね備えた次世代MTとしてのデザインを追求しました。初代から受け継がれてきた「トルク&アジャイル」の圧倒的な力強さと、軽やかなハンドリングを体現したボディデザイン、洗練された機能美を表現したフロントマスク、そして塗装のクオリティやワイヤーの取りまわし、ホーンの位置、ステップの締結方法に電装部品の設置場所と、細部まで徹底的に磨き上げています。
 なおヘッドランプには、新設計の小径LEDを採用し、車両との一体感や塊感を演出。テールランプも新デザイン形状&レンズ色分けにより、イメージを一新。アウターレンズを上下に分割し、上側を赤、下側をスモークにすることで縦幅を細く見せています。
8)便利な機能・装備
以下のような機能・装備を新たに採用しています。
• シート下にUSB Type-Cソケット
• 直感的に操作可能な新設計ハンドルスイッチ
• 新機能を搭載したフラッシャー(従来からの左右方向指示とハザード時の点滅機能に「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシー機能」「消し忘れ機能」を新追加)
• デザインを一新し、可視範囲形状を拡大したミラー

 

主要諸元

車名型式 8BL-RN87J
MT-09 ABS
発売日 2024年4月17日
全長×全幅×全高(m) 2.090×0.820×1.145
軸距(m) 1.430
最低地上高(m) 0.140
シート高(m) 0.825
車両重量(kg) 193
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 31.6(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
21.1(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m)
エンジン型式 N722E
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 888
内径×行程(mm) 78.0×62.0
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 88[120]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 93[9.5]/7,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)式
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 3.5
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.571
2速 1.947
3速 1.619
4速 1.380
5速 1.190
6速 1.037
減速比1次/2次 1.680/2.812
キャスター(度) 24°40′
トレール(mm) 108
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
180/55ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。





2024/03/14掲載