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試乗・解説

ROYAL ENFIELD HIMALAYAN
2016年にインドで発売されてからロイヤルエンフィールドブランドの中核をなしてきたモデル、ヒマラヤ。道を選ばないアドベンチャーツーリングモデルとしては、排気量とボディサイズが大きすぎず、多くの人に扱いやすいと感じさせるところがアピールポイント。その基本はそのままに、バージョンアップした新型が登場。これまでと変わったところをチェック。
■解説:濱矢文夫 ■協力:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム http://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp/




“ヒマラヤならでは”といった部分はそのまま

 アドベンチャーモデルの人気が高まって多くのメーカーから様々な排気量の機種が登場している。その中にあってヒマラヤのキモとなる部分は、空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブの411ccエンジンを使ったサイズだ。
 多くの人が取り回しやすい車体は大きすぎず小さすぎないちょうど良さ。オンロードだけでなく、時には悪路、オフロードを走ることを想定すると、コントロールのしやすさは重要。それはビギナーに近い人のみならず、ベテランにおいても大きなメリット。それに加えて走破性を考えて腰高になり、結果的にシートが高くなることが普通のカテゴリーにおいて、ヒマラヤのシート高は800mmと低い。
 新型も走破性の高いフロント21インチ、リア17インチサイズのワイヤースポークホイールや、空冷単気筒エンジンの基本はそのまま引き継いでいる。丸型ヘッドライトの上にスクリーンを置いた、個性的なデザインもそのままだ。(※英語表記ではHIMALAYANとなっているが、日本語名はヒマラヤ)
 

 

その1:ユーロ5に対応

 地球温暖化など高まる環境問題から自動車の排出ガス規制は厳しくなる一方。御存知の通りバイクも例外ではない。ロイヤルエンフィールドとしてもアジア・パシフィック地域での同社販売台数の20%を占め、中南米地域では65%以上にもなり、ヨーロッパ地域で1万5,000台以上も売ってきた、売れ筋機種であるヒマラヤを存続していくためにも、避けて通れぬもの。
 

 

その2:機能が充実

 乗りこむときに足が引っかかりやすかった以前のリアキャリアを刷新。少し低くなり、上面に荷物を安定して載せやすいようにプレートがついた。小さいことのようでデュアルパーパスツアラーとしては大切な項目。
 

 
 前後ブレーキに装備されている2チャンネルのABSは、手元のスイッチでオフロード走行モードに切り替えるとリアだけキャンセルされる。これでダート走行での車体制御をやりやすくなる場面もあり、オフロード好きにとっては振り回せるおもしろさを感じられる。
 

 
 先に発売したクルーザーのメテオ350に採用したロイヤルエンフィールド独自のナビゲーションシステム、「Tripper」をヒマラヤも標準装備(メーターユニットの右側にある丸いウインドウ)。地図を表示するものではなく、曲がるまでの距離を数字で、方向を矢印で示すターンバイターンのナビゲーションシステム。スマートフォンにロイヤルエンフィールドのTripper用アプリをインストールし、Tripperとペアリング。Google Mapをベースにしたもので、スマートフォンのアプリに目的地を入力する。案内はとてもシンプルで簡素だけれど、これだけでもかなり便利だ。スマートフォンをホルダーに取り付けるよりスマートで、転倒などで大切なスマートフォンを破損することがない。
 ちなみにメーターはスピード、タコ、燃料のアナログに、液晶のコンパスが付き、他にギアポジション、A、Bトリップとフューエルトリップ、サービスリマインダーも表示する。
 

 
 また純正のオプションには、ハンドガード、標準とは違うハンドルバー、パニアケースなどがある。アドベンチャーモデルらしい雰囲気づくりにも一役買う。
 

 

その3:カラーが増えた

 車体カラーは、従来の「Rock Red」「Lake Blue」「Gravel Grey」の3色に、もう3色が追加され合計6色から選べるようになった。新しいカラーは、陰影がはっきりとした「Mirage Silver」、つや消しと光沢の黒で構成されたシックな「Granite Black」、カモフラージュ柄でヘッドランプステーパイプもグリーンになる「Pine Green」。
 

Mirage Silver 70万6,200円

 

Pine Green 72万9,300円。
Granite Black 72万9,300円。

 
 ネットを通したローンチで、ロイヤルエンフィールド アジア太平洋地域責任者、ビマル・サムブリー(Vimal Sumbly)氏は、「モーターサイクルとして成功するためには、乗りやすく、ライディングが楽しく、それに加えてスタイリッシュなデザインが大切で、ヒマラヤにおいては高い汎用性と、乗り心地の良さ、取り回しのしやすさを重要視した」と説明をした。
 250ccから750ccまでのミドルセグメントで販売台数を世界規模で拡大しながら、いろいろなニーズに合わせるというロイヤルエンフィールド。新型ヒマラヤが日本市場にどう浸透していくか興味津々である。
(解説:濱矢文夫)
 

 



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2021/12/23掲載