■第113回「コロナ・パプリカ・ベンツ、そしてなごり雪」
「今日また新たに○○県で○人の感染が確認されました」
ニュース冒頭はほぼ新型コロナ一色の今日この頃、具体的にどうすればいいのか。トイレットペーパーの買いだめより、もっと簡単にできることがあります。東北医科薬科大学病院が作ってくれた「新型コロナウイルス感染症 市民向け感染予防ハンドブック」というPDFを読んでおくといいかもしれません。
http://www.hosp.tohoku-mpu.ac.jp/info/information/2326/
このご時世ですから、こんな感じの詐欺メールが来るかもしれません。怪しいメールのURLは簡単にクリックしないように気をつけてください。
このURLは、本物の東北医科薬科大学病院のサイトですから、どうぞ安心してクリックしてください。と、たまにはお役に立つような情報をお送りしてみました。
それにしても……昨年末から新年早々にかけ、うれしいことに個性的でおいしい立喰・ソの開業が相次ぎ、令和は立喰・ソ大当たり年だ! と大喜びしたのに……とにかく一分一秒でも早く収束してもらいたいものです。
こんな時に不謹慎ですが……すこしでも気分転換になればということで、新型コロナと聞いて、昭和世代が思い浮かべるのはトヨタのコロナ。長い歴史のあるコロナですから、世代によって思い浮べるコロナは様々でしょう。あなたはどのコロナ? と、その前に、ちょっと前に大流行した「パプリカ」という唄、もちろん知っていますよね。コロナの前にパプリカ! 気づいちゃった気づいちゃったよ。パプリカ、コロナとくれば、次に流行するのは(いい意味か、悪い意味かはともかく)マークⅡじゃないですか。どんなものかはわかりませんが、マークⅡという名前のものが流行。ひょっとしたらクレスタかチェイサーまたはマークXかもしれません。おなじみABくんに鼻高々で披露してやったら、なまいきにも反論してくるじゃないですか。
「プじゃなくてブ。パプリカじゃなくてパブリカ。パブリック・カーの略なんだから」
あらま……さすが某DOHC GTマシンのキャッチコピーはオレが考えたと豪語する(真偽不明)だけのことはあります。といいますか、昭和自動車少年には常識ですね……とはいえ、せっかく思いついた世紀の大発見なんだし、逆転の発想で唄の方をパブリカってことにして……
「はあ?? そんなことできるわけないでしょ。まあ、おもしろそうだから百万歩譲って(誰に?)パブリカってことにしてもだよ、『パブリカ花がさいたら〜♪』ってのはどんな花なんだよ」
そりゃパブリカが咲いたらスターレットでしょ。2代目の角目になってEFIが付いたやつがシフトチェンジを繰り返し山道をドリフトしながらぶっ飛ばすテレビコマーシャル、最後に「トヨタ1300! スターレット!」っての、モーレツに興奮したなぁ。先輩がこのスターレットを買って、「乗せて乗せて」と大興奮して運転席に座ると、変なシフトレバーが付いてる。
「先輩、クラッチペダルどこですか? え〜っトルコン………」(当時はATなんて言葉を知らず、オートマはぜんぶトルコンで済ませていた=メカに弱い証)昭和ヒール&とぅ〜っ青年にとってATは、トロい〜、だっせぇ〜の象徴でした。
とはいえ、私の初めての愛車はカローラバン(丸目4灯のE70系。もちろん中古)。エンジンはスターレットと同系統の4K系でしたがEFIではなくキャブレター、しかも4速。タコメーターない、5速ない、もちろんクーラーもない。でもチョークは付いている。カローラの1600GTは今でもちょ〜かっこいいと思いますから、スタイルは好きでした。その反動か、次はMR2(AW11 しかもスーパーチャージャー、Tバールーフ付きのGリミテッド。もちろん訳ありの中古)にジャンプアップするのですが、他人の愛車自慢なんて面白くないので本題に入ります。
車つながりということで、今回は幻立喰・ソではなく、立喰・ソ界のヌーベルバーグ(って何のことか知りませんが、語感でそういう感じの)湊屋が、またまた送り出した衝撃の新店舗Minatoya3のお話を。
師匠(不義理しっぱなしですみません)のコラム(https://bunshun.jp/articles/-/23269)を読んで、これは行かないといけないと思いました。が、思っているだけで、きっと行かないだろうなあとも思っていました。だって「六本木」の「ベンツのショールーム」にあって「一杯1200円」の立喰・ソ。私に縁のないトリニティワード(使ってみたかっただけ)のMinatoya3です。たぶん行くことはないだろうと思っていたのです。六本木、ベンツ(あっ、ベンツじゃなくてメルセデスっていうんですね)、1200円は敷居高杉晋作と思っていたのですが、思ってばかりいてもしょうがないと思って、思い悩んでいたところ、たまたま六本木付近で所用があり、見るだけと思って前を通ったら行列もなく、思ってもみない機会に恵まれたので、思い切って入ってみました。
神谷町時代から行列の出来るファンの多い名店ですし、すでにあちこちにレビューも出ていますからわたしごときがとやかく語るのもおこがましいので簡単にインプレを。場違いすぎる雰囲気の中、親鹿とはぐれておどおどきょどきょど状態のバンビのようなわたしにも、オーダー方法からシステム、食べ方まで手取り足取り(実際は手も足も取られません)とっても優しく、親切丁寧にレクチャーをしてくれました。ソは湊屋とはまたひと味違ったピリ辛で、ボリュームたっぷり。そば湯までとってもおいしくおいしくいただきました。
1杯1200円ですから、3一由から4一由に相当する高額立喰・ソです。立喰・ソとしては確かに高いのですが、満足度は1200円以上でした(個人差があります)。立喰・ソではなくMinatoya3という食べ物だと思えば、安いくらいです。もっとも石油王でもない私ですから、ふらっと気軽には行けません。でも、石油を掘り当てなくてもまた行きたくなります。
その翌日、あらゆる意味でMinatoya3とは真逆な大森の信濃路の前を通ったら、ごたごたした店頭に貼り紙が! まさか……ねずみにみみず(寝耳に水の最上級のつもり)。昨日大散財したあとでしたが、これはスルーできません。陸自屈指の集団といわれる習志野の第一空挺団に初の女性隊員が入隊した記念に、清水の舞台から落下傘降下したつもりでかつ丼セット650円をいただきました。
Minatoya3とはまた違った大満足感に包まれたことは言うまでもありません。が、この満足感もこれが最後になりました(信濃路は平和島と蒲田と鶯谷にもありますが)。
昼から高オクタン燃料を補給中の、となりに座っていたおっちゃんA(信濃路では24時間デフォルト)がぽつりと言いました。
「明日からどこ行けばいいんだよ……」
“大森はこれが最後ねと〜、寂しそうにおっちゃんはつぶやく〜”
食べ終えて外に出ると季節外れのなごり雪……は降っていませんでした。