まずは「CT125・ハンターカブ」というその車名。グローバルで展開されるであろう同モデルが”ハンターカブ”と呼ばれるのはおそらく日本のみだろう。これまで車名に「・」表記をあまり見たことがない。カタログの諸元欄は「CT125」のままだし、ホンダのWEBサイトのURLやグローバルサイトなどでは”ハンターカブ”の英字表記を確認することができない(3月23日現在)。ホンダ的には同じマスコットネーム的ではありながら”ハリケーン””ファイヤーブレード”とは異なり、”シルクロードCT250″や”イーハトーブTL125S”と同列で、本来ならば”ハンターカブCT125″という呼び名でも良かったのかもしれない。
日本で”ハンターカブ”はレジャー系カブの代名詞であり、クロスカブ(このモデルも2012年の発表時はハンターカブの再来と話題となった)が存在する現在、もはや日本でCT125にハンターカブの名が与えられるのは必然だったに違いない。そして、多くのレジャー系カブ・ファンの期待によって、およそ60年振りの復活となるその名に恥じない各部の”こだわり”の作りこみをCT125・ハンターカブに見ることができる。ちなみに国内で”CT”の名前が復活するのも1981年のCT110以来(CT50Jモトラ、CTXシリーズなどを除く)約40年ぶりとなる(※CT、ハンターカブについての詳細はホンダのWEBサイト「CTとハンターカブ」https://www.honda.co.jp/supercub-anniv/ct/ をご参照ください)。
CT125・ハンターカブは、タイのWave125や初代スーパーカブC100をデザインモチーフとし2018年に発売されたスーパーカブC125といった125ccの横型エンジンを搭載したアンダーボーン・モデルをベースに、アップハンドルの採用やシート高を上げたことで、ツーリング先などで風景を楽しめるよう見晴らしの良いパッケージに。また、フロントフォークのストローク量を伸ばし、165mmの最低地上高を確保することで未舗装路での使用にも配慮される。
また、ハイマウント吸気ダクトを採用したエアクリーナー、アップマフラー、大型リアキャリアといった”ハンターカブ”の名に相応しい機能が復活。一方で前後にディスクブレーキ(フロントのみABSを装備)を採用するなど現代の交通事情にマッチした制動性能も確保される。日本仕様はピリオンステップを装備し2名乗車に対応。エンジンはトレッキング走行などを考慮した低中速域重視の出力特性に加え、C125に対しドリブンスプロケットをショート側に変更、登坂時の力強さや粘りを確保している。
以上、ベースモデルに対しスタイルだけの焼き直し的モデルではなく、細部に至るまで徹底的に作りこまれているのがおわかりいただけるだろう。ボディカラーはイメージカラーとも言えるグローイングレッドの他、流行の艶消し調となるマットフレスコブラウンの2色を用意。メーカー希望小売価格は440,000円(税込)となっている。国内の年間販売計画台数は8,000台。
●CT125 主要諸元
■型式:2BJ-JA55■全長×全幅×全高:1,960 ×805 ×1,085mm■ホイールベース:1,255mm■最低地上高:165mm■シート高:800mm■車両重量:120kg■燃料消費率:61.0 km/L(国土交通省届出値 60km/h定地燃費値 2名乗車時)67.2 km/L(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時)■最小回転半径:1.9m■エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124cm3■ボア×ストローク:52.4×57.9mm■圧縮比:9.3■最高出力:6.5 kw(8.8 PS)/7,000rpm■最大トルク:11 N・m(1.1 kgf・m)/4,500 rpm■燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)■始動方式:セルフ式(キック式併設)■点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火■燃料タンク容量:5.3 L■変速機形式:常時噛合式4段リターン■タイヤ(前/後):80/90-17M/C 44P/80/90-17M/C 44P■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■懸架方式(前/後):テレスコピック式/スイングアーム式■フレーム形式:バックボーン■車体色:グローイングレッド、マットフレスコブラウン■メーカー希望小売価格(消費税込み):440,000 円
今後リリース予定の2020ホンダ
1月に行われた恒例となっている「新春ビジネスミーティング」会場で明らかとなっているホンダ2020年ニューモデル。上記CT125・ハンターカブに加え、下記モデルもリリース予定となっている。尚、これらモデルは本来、大阪&東京モーターサイクルショーなどで公開予定であったが、3月27日(金)公開「 Honda バーチャルモーターサイクルショー」(https://www.honda.co.jp/motorcycleshow/ )でワールドプレミアのFUNモデル やスーパーカブ110・スペシャルver. といった参考出品モデルと共に確認することができる。
これまでのパールニルタバブルー、パールカデットグレーに加え、新色としてブラックのボディカラーを7月リリース予定。レッグシールドなどはアイボリー系となる。写真はタイ仕様。日本仕様はリアキャリア、タンデムステップが備わる。