●ヤマハ SEROW250 FINAL EDITION 車両解説
“マウンテントレールモデル”としてセローが生を受けたのは今を遡ること34年前、1985年8月に発売されたセロー225だった。当時のヤマハのオフモデル、XT200をベースに独自の味付けを施し「マシンを操る楽しさと自然の中に入り込める機能」を売りにデビューしている。それまでのオフ車といえば、しゃにむにオフロードを飛ばすモデルがほとんどの時代。また、かといって難所を乗り越える技を競うトライアル車とも違った、いわば林道程度のオフロードをゆったりと走って楽しむモデル、という独自のコンセプトだった。ただ発売されるやいなや大人気、となったわけではなく、それこそ一歩一歩、林道をゆっくり走るように、徐々にその楽しさに目覚めるユーザーを増やしていったのだ。
フルモデルチェンジは2005年に一回だけ。225から250へと排気量を拡大したエンジンを搭載。XT250Xやtrickerとの兄弟車として登場している。最近のトピックスとしては、2010年7月に25周年記念モデルを発売。セローのイメージ・モチーフである“カモシカ”をアレンジした新グラフィックを採用した。
2012年1月30日には、パープリッシュホワイトソリッド1をベースカラーに、グリーンをあしらったモデル(シートをブラックのモノトーンとし、それまでのモデルで人気のあったゴールドホイールを新たに装備)と、もう一色のパープリッシュホワイトソリッド1にレッドをあしらったモデル(レッド×ブラックのツートーンシートに、赤を引き立てるシルバーホイールを装備)のラインナップを発売。
そしてこの年の8月には、アクセサリーをパッケージングした「TOURING SEROW」も発売している。このモデルは、セローをベースに、ツーリングに役立つ4点のアクセサリーを組み合わせて発売したもので、ノーマルモデルに約5万円のプラスで快適ツーリングが可能になるモデルとして注目された。
2014年1月には、アウトドアイメージのアーガイル調グラフィックを採用した新色のベージュと、継続色のホワイト×グリーンの2タイプを発売。さらに5月には、ヤマハYSPの誕生30周年を記念した限定版も登場している。ホワイト×ブルーのカラー&グラフィックに、記念ステッカーを追加したモデルで、販売はYSP全店から。
2015年4月にはSEROW250の30周年記念モデルとして、マットグレーメタリックの車体色をベースに、シュラウド部に左右非対称のロックパターン、カモシカをイメージさせるグラフィック、ビビッドなオレンジカラーの前後ホイールとハンドルスタンディング、及びシートステッチが施されたモデルだ。受注期間は、3月12日から10月末日までだった。
2017年9月には、排出ガス規制強化により一時SEROW250の生産終了が発表されたが、翌2018年8月に、O2フィードバック制御のフューエルインジェクション、蒸気ガソリンの外気への排出を低減するキャニスターの採用等で排出ガス規制に対応、復活していたのだが。
今度こそ正真正銘、我が国の名車の一台、SEROW250の時代が終わってしまう、ということでしょうか。
今回発売のファイナルエディションは、初代モデルを彷彿させるパープリッシュホワイトソリッド1(白×緑)とパープリッシュホワイトソリッド1(白×赤)の2色が設定され、カラーフレーム、燃料タンク上の“FINAL EDITION」エンブレムが採用されている。
★YAMAHA ニュースリリースより (2019年12月5日)
マウンテントレールの世界観を開拓したロングセラーモデル
「SEROW250 FINAL EDITION」を発売
ヤマハ発動機株式会社は、空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ・単気筒・249cm3エンジンを搭載したマウンテントレール「SEROW250 FINAL EDITION」を2020年1月15日より発売します。なお、国内向けの「SEROW250」は、当モデルをもって生産を終了します。
「SEROW」シリーズは、「マシンを操る楽しさ」と「より深く自然の中に入り込める機能」を追求した新しいカテゴリーのモデルとして1985年に発売しました。「二輪二足」をキーワードに優れた足つき性と素直なハンドリングに、扱いやすいエンジンが調和した乗りやすさが、「マウンテントレール」という独自の世界観を生み、初心者から熟練のライダーまで幅広いお客様から支持されています。
「SEROW250 FINAL EDITION」は1985年発売の初代モデルを彷彿させる「パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/グリーン)」と「パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/レッド)」の2色を設定し、なつかしさを感じながらも現代風にアレンジされたSEROWらしいグラフィックを施しました。カラーフレームや燃料タンク上の「FINAL EDITION」エンブレムは、歴史あるモデルのファイナルに相応しい上質さや特別感を強調しています。
- <名称>
- SEROW250 FINAL EDITON
- <発売日>
- 2020年1月15日
- <メーカー希望小売価格>
- 588,500円(本体価格535,000円/消費税53,500円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
- <カラー>
- パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/グリーン)
- パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/レッド)
- <販売計画>
- 4,000台(年間、国内)