「えー、スゴイですねぇ!」
「スゴくはないよ、ただ好きなだけさ」
ワールドVETに行くたび、何だかいつもそんな会話をしているように思う。実に色々なライダーがいて「マジか」「それもアリか」と毎回感心する。
70歳代のエントラントが増えた数年前、そのうちできるのではと思っていたら今年は本当に+80歳クラスが新設されて、82歳と80歳のお爺ちゃんライダーが颯爽とバトっていてかっこ良かった。そうか、80歳を過ぎたってモトクロスをしていいのだ。
一方で女性クラスも着実に増えて今年は37台の参加があった。小さなお子さん連れのママさんライダーも見かけたし、旦那さんとサポートし合う熟年マダムライダーもいた。そうか、お爺ちゃんだけではない、お婆ちゃんになってもモトクロスをしていいのだ。もはや年齢も性別も走らない理由にはならない。
誰もが「モトクロスはとてもヘルシーなんだ」と笑って走る先輩ライダーをリスペクトしながら、後輩ライダーには生涯モトクロスの魅力を伝えていく。優勝は大変な名誉だし順位も気になるけれど、好きならとにかく走ろう、楽しもうの、世界最大規模の草レース。
ここにいると、年齢も性別も国も越えてモトクロス愛の輪がびゅんびゅん広がっていく雰囲気を全身で感じることができる。
(写真左・中)家族で、仲間で、サポートし合い応援し合って盛り上がるオトナのお祭り。(右)高齢化も順調に進み、エントラント最高齢は82歳のチャック爺さん、順位もタイムも超越して「ハッハッハ、頑張って完走するよー」と元気一杯、みごと+80クラスを制した。
親子で、カップルで、仲間たちと。楽しみ方は無限大!
チームニッポンも大健闘!
毎年の参戦ですっかり有名な日本勢は伊田井佐夫、チャンドラー佐藤、源治篤(共に+60)と初参加の田渕武(+50)各選手、サポートにプレシャスファクトリー工藤氏という陣営。各クラスで大和魂全開の走りを世界に披露した。日曜の結果は伊田さんと田渕さん世界4位、チャンドラーさん世界8位、源治さん世界12位。上の写真のオレンジFOXジャージがレンタル会社のSTAPO氏で、日本へマシン開発テストにも来るレジェンドだ。
VET国別対抗ネイションズ、初開催!
+30・+40・+50のライダー3人による団体戦で総合ポイントにより順位を競うワールドVETのネイションズが日曜に初開催された。13ヵ国・20チーム(国によっては3チームも出てしまうお祭り騒ぎ)が参加し、優勝のアメリカ(チーム2)、2位のイギリス、3位のアメリカ(チーム1)はさすがの必勝体制。マイク・ブラウン、カート・ニコルなど絢爛豪華なレジェンドの顔ぶれに観戦する世界中のVETライダー達も大興奮だった。
さらにビンテージレースも初開催!
イベント拡大の勢いは止まらない。メインコースでワールドVETが公式練習をした金曜日、隣りの“優しい方のコース”ではビンテージ限定のレースが開催され、こちらは70台が参加した。50年代~80年代の、日本車も目立つ一方でヨーロッパの希少車が多くこれまたゴージャスな雰囲気。金曜にビンテージを走り、土日でワールドVETを走ったライダーも多かった。レンタルも充実して気軽に参加できるから、遊び方も無限大!