Honda Dio110 Lite 車両解説
1988年1月に発売開始された“メットインスクーター”Dio以来の由緒正しき「Dio」の名称が引き継がれている原付二種スクーター「Dio110」。 初めてDioの名称を持つ原付二種スクーター、Dio110が発売開始された当時、すでにリード・EX(107cm3)が存在していた。にもかかわらず、あえてDioの名称を採用したのは、原付二種スクーター需要の急増からユーザー層の嗜好も拡大、それに応えるべく複数の選択肢を提供するためだった。上級グレード・スクーターを望むユーザーにはリード・EXを、手軽な廉価版の原付二種スクーターを求めるユーザーにはこちらのDio110を、という棲み分けが図られたといえる。
2015年3月、フルモデルチェンジ。新たにeSP(enhanced Smart Power)エンジンを採用。燃費はそれまでのモデルの52.0km/L(60km/h定地走行テスト値)から57.9km/L(同)へとさらに向上している。また車体面でもフレームなどを見直したことにより、それまでのモデルより3kgの軽量化が図られて、これも燃費向上などに寄与しているという。
2021年2月には、スタイル面ではそれほど変わった感じは受けないかもしれないが、実際はフルモデルチェンジといえる内容 のもので、最大の特徴は、今後ホンダのコミューターのキーワードとなるであろう“eSAF”というフレーム技術が導入されていることだろう。これは、高張力鋼板(ハイテン材)を採用し、高剛性かつ軽量化した新設計フレームの技術で、従来の鋼管フレームからより加工精度の高いプレス成形を実現したものと説明されている。要は最新技術のフレームに発展したということ。
一足早く採用されている“eSP”エンジンも燃焼室をコンパクト化し、圧縮比を高め、ボア×ストローク比を変更することなどにより、より燃焼効率を高めていた。
50ccの生産終了にともない、Dio110をベースとした新基準の原付一種モデルDio110 Liteが2025年11月20日に発売を開始する。
新たにに追加された原付一種の区分基準は、総排気量50cc超〜125cc以下で最高出力4.0kw以下の車両であれば原付免許で運転が出来るというもの。「125ccまで原付免許で運転が出来る」と誤解されてる方も見受けられるが、新基準原付の用件を満たしたもの以外は原付免許での運転は不可なので要注意。
Dio110 Liteは最高出力を3.4kwに抑えたeSPエンジンに、アイドリングストップ、フロントディスクブレーキ、前後連動コンビブレーキ、シャッター付キーシリンダー、サイドスタンド、メインスタンドなどの装備は継承。Dio110に対してシート高を15mm低くした745mmの専用のローシートを装着。シート下のラゲッジボックスは容量が17リットル(Dio110は18リットル)などが専用の装備となる。車体色はキャンディスターレッド、マットギャラクシーブラックメタリック、パールスノーフレークホワイトの3色。2025年、239800円(税込)。
★ホンダ ニュースリリースより (2025年10月16日)
原付一種の新たな区分基準(新基準原付)に適合した「Dio110 Lite」を発売
Hondaは、原付一種(第一種原動機付自転車)に新たに追加された区分基準(以下、新基準原付※1)に適合した、「Dio110 Lite(ライト)」を11月20日(木)に発売します。
- -Dio110のエンジンをベースに区分基準に合わせ最高出力3.7kWのパワートレインに最適化
- -アイドリングストップ・システムを採用
- -フロントブレーキに油圧式ディスクブレーキを採用
- -前後ホイールに14インチ大径ホイールを採用
- -前後輪連動のコンビブレーキシステム※2を採用
- -専用ローシートを装備し、ベースモデル(Dio110)に対してシート高を15mm低く設定
- -収納はフロントインナーボックスと、シート下に容量17L※3のラゲッジボックスを装備
- -サイドスタンド、メインスタンドを標準装備
- ※1 総排気量50cc超〜125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された車両。総排気量50cc超〜125cc以下でも、出力4.0kWを超える場合は「小型限定普通二輪免許」以上の免許が必要です
- ※2 コンビブレーキは補助的な装置であり、前後のブレーキを同時に操作するのが基本です
- ※3 Honda測定値
Dio110 Liteは、原付一種に求められる日常の移動時における軽快さや使い勝手の良さを追求し、新基準原付の法規に適合する、最高出力を3.7kWに抑えた、空冷・4ストローク・OHC・単気筒・109cm3エンジン「eSP(イーエスピー)」※4を搭載。従来の49cm3エンジンを搭載したHondaスクーターモデルに比べて力強い出力特性とすることで、よりスムーズな加速性能を実現しています。
また、14インチの大径ホイールを採用し、市街地から郊外まで幅広い走行状況で安定感ある快適な乗り心地を持たせたほか、Honda独自のコンビブレーキ(前後輪連動ブレーキ)を採用することで、制動時の安心感に寄与しています。
※4 eSP:enhanced(強化された、価値を高める)Smart(洗練された、精密で高感度な)Power(動力、エンジン)の略で、低燃費技術やACGスターターなどの先進技術を採用し、環境性能と動力性能を高めたスクーター用エンジンの総称です
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 9,000台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- Dio110 Lite
- 239,800円(消費税抜き本体価格218,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- ●Dio110 Liteの主な特徴
- 軽快な走りと優れた燃費性能を追求した、空冷・4ストローク・OHC・単気筒・109cm3エンジンeSPを搭載。新基準原付に適合する最高出力3.7kWの出力特性に最適化し、力強さと環境性をそのままに、扱いやすく安心感のあるスムーズな加速性を実現。
- <信号待ちなど停車時にエンジンを停止させ、燃料消費を抑制するアイドリングストップ・システムを採用。電子制御式ACGスターターにより、スムーズなエンジン再始動・発進が可能。/dd>
- 安心感のある足まわり
- 前後14インチ大径ホイールの採用にくわえ、フロントには油圧式ディスクブレーキを装備。前後輪に適切な割合で制動力を配分するHonda独自のコンビブレーキ(前後輪連動ブレーキ)を採用し、走りの安心感に寄与。
- 足つき性の良さに配慮した専用ローシート
- シートベース形状を新設計した専用のローシートを採用し、745mmのシート高を実現。ベースモデルのDio110に対して15mm低く設定したシート高で、足つき性の良さに配慮。
- 使い勝手の良いユーティリティー
- 収納スペースは、フロントに小物が収納できる蓋つきのフロントインナーボックスを装備したほか、シート下に容量17Lのラゲッジボックスを装備。
- サイドスタンド、メインスタンドを標準装備し、駐車の状況に応じた使い分けが可能。
- メーター内には速度警告灯を採用。
- シートオープナーやハンドルロック機構を集約したシャッター付きキーシリンダーを装備。
- アクティブで上質感あるスタイリング
- スタイリングは、ダイナミックなボディーラインでよりアクティブな印象を表現し、マフラーカバーやフロアステップなどに幾何学模様を施すことで上質感を演出。
- フロントカバーには、新基準原付に適合したHondaの原付一種モデルを表す専用ロゴを配置。
- カラーバリエーションは、日常の移動に彩りのある「キャンディラスターレッド」、落ち着いた印象で街並みに違和感なく溶け込む「マットギャラクシーブラックメタリック」と「パールスノーフレークホワイト」の全3色設定。
- なお、本車両は2025年10月29日より開催される「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー)」(プレスデー:10月29日~30日、一般公開日:10月31日~11月9日)のHondaブースにて展示します。
主要諸元
車名型式 | 8BH-JK46 | |
---|---|---|
Dio110 Lite | ||
発売日 | 2025年11月20日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 1,870×685×1,100 | |
軸間距離(mm) | 1,255 | |
最低地上高(mm)★ | 150 | |
シート高(mm)★ | 745 | |
車両重量(kg) | 95 | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費消費率(km/L)※5 | 72.5(国交省届出値 定地燃費値 30km/h 1名乗車時)※6 | |
56.6(WMTCモード値★ クラス1 1名乗車時)※7 | ||
最小回転半径(m) | 1.8 | |
エンジン型式 | JK46E | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 109 | |
内径×行程(mm) | 47.0×63.1 | |
圧縮比★ | 10.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.7[5.0]/5,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 7.6[0.77]/4,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスター式バッテリー点火 | |
燃料タンク容量(L) | 4.9 | |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) | |
タイヤサイズ | 前 | 80/90-14M/C 40P |
後 | 90/90-14M/C 46P | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 機械式リーディングトレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | ユニットスイング式 | |
フレーム形式 | アンダーボーン |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目は Honda 公表諸元)■製造事業者/Honda Vietnam Co., Ltd.
■製造国/ベトナム ■輸入事業者/本田技研工業株式会社
※5 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※6 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※7 WMTC モード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます