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新車詳細

新車プロファイル2025
2025年に発売された新車情報のページです

YAMAHA TRACER9 GT+がY-AMTを採用し車名も変更





YAMAHA TRACER9 GT ABS 車両解説

 2021年7月、一足先に海外でデビューした新型TRACER9 GT ABSがいよいよ国内発売された。
 エンジンは2021年モデルのMT-09 ABSと同様の水冷4ストローク3気筒DOHC4バルブ888cm3。平成32年排出ガス規制に適合したCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)を搭載。ピストンやコンロッドなどの多くの主要パーツが新設計され軽量化が図られた新型となった。
 燃料供給系も一新され、インジェクターは従来のシリンダーヘッド直付からスロットルバルブ側に取り付け位置を変更。噴射はバルブ傘裏方向とし、優れた燃焼効率を引き出している。こうした改良と軽量化などにより、燃費の改善を実現し、さらにクラッチレバーの操作荷重を低減することでスポーツツアラーとしての機能を高めている。
 車体面では、軽量CFアルミダイキャスト製の新フレームと専用リアフレームおよびリアアームを採用。
 2021年モデルの「MT-09 ABS」のフレームをベースに「TRACER9」用に専用チューニングが施された新フレームを採用。ヘッドパイプ手前のステーや、シリンダーヘッド左右のエンジン懸架ブラケットをチューニングし、剛性バランスをスポーツツアラーとして最適化。また、リアフレームも専用設計とし、高速安定性やタンデム居住性を確保している。リアアームも専用設計で、アルミパネルを溶接したボックス構造を採用、高い剛性と軽量化を両立している。それによりトラクションをライダーに伝え、高速走行時、旋回時の安心感にも寄与しているという。
 ステーやブラケットの専用チューニングと合わせ、積載時の直進安定性、旋回性も向上。さらに純正アクセサリ―のサイドケース、トップケースの計3バッグを搭載可能とし、積載性も向上した。カラーはブルーイッシュホワイトメタリック2、ビビッドレッドソリッドK、マットダークグレーメタリックAの3色。

 2023年10月にはEICMAにおいて発表され、欧州で先行発売されていた二輪車としては世界初のミリ波レーダーを搭載し、アダプティブクルーズコントロールや車間を感知しブレーキをアシストする新型ユニファイドブレーキシステム、シフトアップとシフトダウンに対応する新型クイックシフター、イルミネーション付ハンドルスイッチ、スマホ連動の7インチTFTメーターなどを搭載したTRACER9 GT+を新たにラインアップした。

 2025年4月にはTRACER9 GTが”The matured Multirole fighter of the motorcycle”をコンセプトに、機能面を中心に大幅な熟成化がおこなわれた。昨年のミラノショーで発表されたTRACER9 GT+の国内仕様といえるもので、一部異なるが基本的にはTRACER9 GT+同様のライダーの負担を軽減する各種機能を満載している。2025年夏以降とアナウンスされた発売時期が前倒しされたようだ。主な新装備は、状況を判断し点灯や消灯などを自動制御する「マトリクスLEDヘッドライト」を二輪車では世界で初めて採用した。さらにキーオン後30秒はサスの減衰力を低下させ取り回しをアシストする「KADS(R)」、無段階に100mm可動する電動スクリーン、走行モード切替はさらに多機能な「YRC」、7インチTFTディスプレイなどを採用。フレームの一部変更やハンドル切れ角の変更など。カラーは初代にも採用されたイメージカラーともいえるマットライトグレーメタリック 4と、新色のマットダークグレーメタリック6の2色。

 今回はTRACER9 GT+に、走行時の各部操作負担を軽減するミリ波レーダーによる先行車追従機能(ACC)と連動する自動変速システムのY-AMTの採用や、後方にもレーダーを新たに追加。車名もTRACER9 GT+ Y-AMT ABSに変更して発売される。車体色はブラックメタリックとダークパープリッシュブルーメタリックUの2色。

 

TRACER9 GT+ Y-AMT ABS ブラックメタリック(ブラック/新色)。
TRACER9 GT+ Y-AMT ABS ダークパープリッシュブルーメタリックU (ダークブルー/新色)。

 

 

★YAMAHA ニュースリリースより (2025年4月15日)

スポーツツアラー「TRACER9 GT+ Y-AMT ABS」発売~先行車に追従走行する機能「ACC」の進化やクラッチ操作不要の「Y-AMT」など先進機能搭載~ 

 ヤマハ発動機販売株式会社は、“クロスプレーン・コンセプト*”に基づく直列3気筒888cm³エンジンを軽量アルミフレームに搭載した当社スポーツツーリングカテゴリーのフラッグシップモデル「TRACER9 GT+(トレーサーナイン ジーティープラス)」にライダーをサポートする新機能を搭載した2025年モデルとし「TRACER9 GT+ Y-AMT ABS」へ名称変更して5月28日に発売します。
 本モデルは、2025年モデルの「TRACER9 GT」をベースに最新デバイスを織り込んでいます。まず、自動変速トランスミッション「Y-AMT(Yamaha Automated Manual Transmission/ワイ・エーエムティ)」を新たに備えました。先行車に追従走行する機能「ACC(Adaptive Cruise Control)」との組み合わせにより、高いスポーツ性能はそのままに操作負担を大幅に軽減。スポーツツアラーとしての走行をより快適にしています。
 また、車体前方の「ミリ波レーダー」に加えて新たに車体後方にもレーダーを追加、後方から接近してくる車両を検知しミラー内に表示する機能「BSD(Blind Spot Detection)」を搭載しました。
 なおカラーリングは、フラッグシップにふさわしい質感とスポーティさを表現した2色です。“ブラック”は、シルバー×ブラックの塗り分け塗装とブルーのホイールによりハイテックなスポーツの世界観を訴求。“ダークブルー”は、ホイールをシルバー塗装とし、洗練された質感や品格、最高のパフォーマンスを表現しています。

※1 クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想。

 

<名称>
「TRACE9 GT ABS」
<カラー>
・ブラックメタリック 4 (ブラック/新色)
・ダークパープリッシュブルーメタリックU (ダークブルー/新色)
<発売日>
2025年5月28日
<メーカー希望小売価格>
1,980,000円
(本体価格 1,800,000円/消費税 190,000円)
 
販売計画
700台(年間・国内)
 

※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。

※本モデルはデジタル化推進および、環境配慮の観点から紙のカタログを製作しておりません。製品情報は下記 Web サイトよりご確認ください。

TRACER9 GT 製品サイト: https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tracer9/
【「TRACER9 GT+ Y-AMT」の新しい特徴】
1)電子制御シフト機構「Y-AMT(ワイ・エーエムティ)」。「ACC」と連動で巡航中も自動変速
 クラッチ操作とシフト操作をアクチュエーターが担うことで、変速操作を自動化した「Y-AMT(Yamaha Automated Manual Transmission:ヤマハ・ オートメイテッドマニュアルトランスミッション)」を搭載しました。「MTモード」と「ATモード」があり、状況やライダーの好みに応じて切替が可能です。
 手動操作での変速はハンドルスイッチ左側に装備されたシーソー式レバーで行います。積極的なシフト操作を行うことで、キビキビとした走行を楽しめます。「ATモード」では変速操作が不要で、オートマチック車同様の快適な走行をもたらします。荷物の積載やタンデム走行を考慮して専用の変速セッティングとしました。
 また「ATモード」で走行中に先行車に追従走行する機能「ACC(Adaptive Cruise Control:アダプティブクルーズコントロール)」を作動させている場合、定速走行中のギア選択の他、車速の増減によっても「Y-AMT」が自動的に変速します。一般的な四輪のオートマチック車と同様、追従走行中にシフトアップとダウン、もしくはその維持をシステムに託すことができる二輪車世界初*の制御です。
 これによって両手両足の操作負荷を軽減でき、利便性が向上。また、定速走行時は変速頻度を下げた専用のシフトプログラムを用意するとともに、急減速時は素早いシフトダウンで減速感の向上を図るなど、より快適で落ち着いた走行性を支えます。「ATモード」で走行中もライダーがシーソー式レバーを操作すると任意のギアを選択できます。
※ ヤマハ発動機販売調べ 2025 年 3 月現在

2)「FCW(Forward Collision Warning:フォワードコリジョンワーニング)」
 車両前方のミリ波レーダーで先行車を検知。衝突のリスクが高まった際、2段階でその危険をライダーへ警告する運転支援システムです。レベル1では、メーターに警告を表示し、ライダーに減速、もしくは回避を促します。それでもライダーの認知が遅れる場合、レベル2としてリアブレーキを瞬間的に加圧して車体の挙動として危険を知らせます。

3)当社国内モデルとして初採用の「VHC(Vehicle Hold Control:ビークルホールドコントロール)」
 坂道における停止時や発進時に、ブレーキ操作をアシストする機能です。ブレーキ圧を保持し、停車時における挙動の安定を図ります。「ADVANCED」と「MANUAL」の2パターンを設定しました。「ADVANCED」は車体姿勢の検知によって、路面が坂道かどうかを判定。停車状態を維持するために必要なブレーキ入力を保持します。「MANUAL」では、ライダーが意図的にブレーキレバーへ強く入力することによって作動し、停車状態を維持することができます。
 なお、フロントのブレーキレバーを素早く2回握る、あるいは、発進操作(ギアを入れてスロットルを開く)によって解除されます。

4)「BSD(Blind Spot Detection:ブラインドスポットディテクション)」
 先行車の有無と車間を検知する「ミリ波レーダー」をこれまでの車体前方に加えて、今回新たに車体後方にも追加しました。車体後方から接近してくる、もしくはミラーで視認しづらいエリア(=ブラインドスポット)に位置する車両を検知し、ミラー内にインジケーターを点灯します。自車の周囲の走行状況を可視化する機能ですが、あくまでも運転支援機能であり、ライダー自身が安全確認をすることが前提です。

5)ツアラーのフラッグシップモデルとして、機能・装備を充実
 多目的なスポーツツアラーとして、以下のような利便性・快適性を充実させる装備を採用しました。
・ 車両のメインスイッチを押し回すことで電源ONとハンドルロックの解除が可能なスマートキーシステム。燃料タンクキャップと、左右サイドケースとリアトップケースの3バッグのロック&アンロックが一括操作できるキーレスロッキングシステムも搭載(サイドケース、トップケースはオプション設定)
・ タイヤ内の空気圧をモニタリングする「TPMS(R)*(タイヤ空気圧監視システム)」。数値は、メーター内に表示され、走行中も確認可能
※TPMSは太平洋工業株式会社の登録商標

 

主要諸元

車名型式 8BL-RNA1J
TRACER9 GT+ Y-AMT ABS
発売日 2025年5月28日
全長×全幅×全高(mm) 2,175mm×900mm×1,440mm※1
軸間距離(mm) 1,500
最低地上高(mm) 135
シート高(mm) Lo:845、Hi860※2
車両重量(kg) 232
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※3 31.1(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※4
21.1(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※5
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m)
エンジン型式 N722E
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 888
内径×行程(mm) 78.0×62.0
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 88[120]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 93[9.5]/7,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 TCI(トランジスタ式)式
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 3.5
燃料タンク容量(L) 19
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.571
2速 1.947
3速 1.619
4速 1.380
5速 1.190
6速 1.037
減速比1次/2次 1.680(79/47)/2.812(45/16)
キャスター(度) 24°25′
トレール(mm) 106
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W (チューブレス)
180/55ZR17M/C 73W (チューブレス)
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※1:フロントスクリーン位置を一番低くした状態での全高。
※2:2段階に調節可能。
※3:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※4:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※5:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。

2025/04/15掲載