ヤマ発の共創・協業パートナーによるアイデア展覧会?
国内自動車メーカーやインポーターの新型車両やカスタム車両はもちろん、チューニングやドレスアップなどのショップのデモカーや、未来の自動車業界を支える自動車大学校の学生の作品まで900台以上の車両が並ぶ「東京オートサロンが千葉の幕張メッセで開催された。40年以上の歴史を持つこのカスタムカーのイベントだが、現在では車両の展示だけではなく、e-スポーツのイベントや、2024年のモータースポーツ活動発表、そしてレースクイーン大賞の授賞式など、自動車を核にさまざまなイベントが盛り込まれたものとなっている。
この東京オートサロンに、ヤマハ発動機が初めて出展した。オートサロンという会場でヤマハが何を展示するのか? というところに注目も集まるのだが、ブースには昨年12月に発売した原付二種モデル「XSR125ABS」がかろうじて並んでいたが、バイクはそれ一台のみ。ジャパンモビリティショーなどでも展示された水素エンジンを搭載した四輪バギー「YXZ1000R」も展示はされていたが、このブースのメインはそれではない。
ブースの中央の展示台には、ヤマハではなくホンダの「Honda Power Pack Exchanger e:」が据え付けられているのだ。これはホンダの着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:を12基充電ができるものだ。これがブース中央に据えられていることからもわかる通り、このバッテリーを動力源とした車両が並ぶ。
なんと、今回登場したのは7機種ものプロトモデル。そのベースとなるのは、以前ここでも紹介した(https://mr-bike.jp/mb/archives/36817)「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」(第19回スマートエネルギーWeek【春】2023のホンダブースでの出展)である。この開発を進めながらも、領域を問わない幅広い活用アイデアや共創・協業パートナーの探索を進めているヤマハが、今回出展するプロトモデルは既存のパートナーと共に開発中のモデルだという。
「小さなEVを、社会を変える力に。」をテーマにした今回のヤマハブースに並んだプロトモデルはいずれも「Concept」に3桁の番号を付けている。交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を使用するわけだが車両のサイズなどはまちまち。小型低速EV汎用プラットフォームであるこのユニットの高い自由度と汎用性をしっかり感じることができる展示となった。
ヤマハのモーターで動かす低速モビリティ。今回の提案から、どんなフィードバックがあり、それを受けてどんな新しいモビリティが登場するか。今後のこの領域の商品の展開に期待したい。
(レポート・写真:青山義明)