SUZUKI GSX-8R 車両解説
2015年のモーターサイクルショーで国内デビューし、多くのバイクファンの注目を集めたスズキの新型スポーツモデル、GSX-S1000 ABS/S1000F ABS。スーパースポーツ、GSX-R1000をベースとしたエンジンを、これまたGSX-R1000をベースにさらに開発を進めたフレームに搭載し、“GSX-R”というサーキット指向のスーパースポーツに対して、こちら“GSX-S”は主にワインディングを制する「高揚感のある加速と走りを楽しむ」ことに焦点を当てたストリートスポーツとして2015年7月に発売が開始された。
その“GSX-Sシリーズ”の第二弾として750の弟分が登場したのは2017年の3月。2016年のインターモトでデビューして以来、多くのファンが待ちに待った発売だった。
低く構えたアグレッシブなスタイリングや、スーパースポーツモデル“GSX‐R750”(海外向けモデル)ゆずりのパワーとスムーズなスロットルレスポンスによる爽快な走りを特長としていた。高出力ながら一般公道での扱いやすさを追求した直列4気筒DHOC4バルブ749ccエンジンを搭載。3段階から選択可能なトラクションコントロール、ラジアルマウントフロントブレーキキャリパーなどを採用。また、スポーティーな印象を与えるペータルブレーキディスクや、力強さを感じさせるテーパー形状のハンドルバーも装備した。
2018年2月にはこのアグレッシブストリートスポーツ、GSX-S750 ABSは初のモデルチェンジを受け、アルミ製ハンドルバーを採用する仕様変更と共に、つや消し黒の特別色が発売されている。
その後は、2019年2月に仕様、諸元、そして価格の変更も無しでカラーリング変更がのみ行われ、「トリトンブルーメタリック(青)」(YSF)、「パールグレッシャーホワイト(白)」(YWW)、「マットブラックメタリックNo.2(つや消し黒)」(YKV)の3色のラインアップとなっていた。2020年2月にも、仕様、諸元に変更は無くカラーリングの変更のみで2020年モデルとして発売された。
2021年2月のモデルチェンジでも諸元に変更は無く、価格も同一でカラーリングの変更のみで2021年モデルとして発売された。新カラーラインアップは、「グラススパークルブラック×トリトンブルーメタリック」(KEL)、「オールトグレーメタリックNo.3×グラススパークルブラック」(BD7)、「マットブラックメタリックNo.2」(YKV)の3色。
そして2023年3月、775cm3の直列2気筒エンジンが新設計され、幅広いユーザー向けに、毎日の移動からツーリングまでの利便性を両立した軽量で扱いやすい800ccクラスの新型ストリートモデルとして登場したのがGSX-8Sだ。
大排気量ツインエンジンながら“GSX-S”一族の名称が与えられた新型モデルの特徴は、V-STROM 800DE同様、量産二輪車で初めて、1クランク軸に対して90°に一次バランサーを2軸配置した「スズキクロスバランサー」を採用することで、振動を抑えながら軽量・コンパクト化を実現した新型エンジンとなっている。
その他、S.I.R.Sに出力特性を3つの中から選択可能なSDMS(スズキドライブモードセレクター)や3段階から選択可能なトラクションコントロール、双方向クイックシフトシステム等を採用することで、様々な走行シーンやスキルに対応する最新テクノロジーツインということだろう。
今回は、このGSX-8Sをベースにフルカウリングやセパレートハンドルを装備して街中からワインディング、サーキット走行までをカバーするスポーツバイクGSX-8Rが国内でも発売開始されることとなった。
★スズキ ニュースリリースより (2024年1月18日)
スズキ、大型二輪車 新型「GSX-S1000GX」、
新型「GSX-8R」を国内で発売
スズキ株式会社は、2023年11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMA 2023(ミラノショー)」で発表したクロスオーバーバイクの新型「GSX-S1000GX」と、スポーツバイクの新型「GSX-8R」を1月25日より国内で発売します。
新型「GSX-S1000GX」は、スポーツツアラーとアドベンチャーを融合させたクロスオーバーバイクです。海外向けモデルと同じくスズキアドバンスドエレクトロニックサスペンション(SAES)をスズキの二輪車として初採用したほか、多彩な電子制御機能を採用することで、シチュエーション、路面状況、ライディング歴などに左右されない、高い知性とパフォーマンスを気軽に使いこなすことができるクロスオーバーバイクに仕上げました。また、国内専用にツーリング時の利便性を高めるETC2.0 車載器を標準装備しました。
新型「GSX-8R」は、ライダーの年齢やスキルを問わず、街中からワインディング、サーキットまで多様なライディングを楽しめるスポーツバイクです。各国で高い評価を得ているGSX-8Sをベースに、スポーツライディングに適したカウリングやセパレートハンドルを装備し、日常使いやスポーツ走行、ツーリングにも適したモデルとしました。
● 年間目標販売台数 GSX-S1000GX 200台(日本国内) GSX-8R 720台(日本国内)
- ●商品名
- 「GSX-S1000GX」
- メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- 1,991,000円
- 発売日
- 2024年1月25日発売
- ※価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- ●商品名
- 「GSX-8R」
- メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- 1,144,000円
- 発売日
- 2024年1月25日発売
- ※価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
主要諸元
車名型式 | 8BL-EM1AA | |
---|---|---|
GSX-8R | ||
発売日 | 2024年1月25日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.115×0.770×1.135 | |
軸距(m) | 1.465 | |
最低地上高(m) | 0.145 | |
シート高(m) | 0.810 | |
車両重量(kg)※1 | 205 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 34.5(国交省届出値 定地燃費値※3 60km/h 2名乗車時) | |
23.4(WMTCモード値※4 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | FRA1 | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 775 | |
内径×行程(mm) | 84.0×70.0 | |
圧縮比 | 12.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※5 | 59[80]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※5 | 76[7.7]/6,800 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | 圧送式ウエットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 3.9 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.071 |
2速 | 2.200 | |
3速 | 1.700 | |
4速 | 1.416 | |
5速 | 1.230 | |
6速 | 1.107 | |
減速比1次/2次 | 1.675/2.764 | |
キャスター(度) | 25° | |
トレール(mm) | 104 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR21M/C 58W |
後 | 180/55R17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク(ABS) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
※主要諸元は道路運送車両法による型式指定申請書の数値です。(シート高を除く)
※1:装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります
※2:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。実際の燃費は、使用環境(気象、渋滞等)や 運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※4:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※5:エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。
車体色YSF : トリトンブルーメタリック
YKV : マットブラックメタリックNo.2
QKA : マットソードシルバーメタリック