YAMAHA YZF-R15 ABS/YZF-R125 ABS 車両解説
昨今の原付二種人気に伴ってヤマハがスポーツモデルのジャンルでも攻勢に出た。
「Realize R Spirit」をコンセプトに原付二種クラスでもYZF-RシリーズのDNAを受け継ぐ本格的ロードスポーツスタイルのYZF-R15 ABS、YZF-R125 ABSの登場だ。
海外生まれ、育ちといえるYZF-Rシリーズの末弟たちを、YZF-R15 ABS、YZF-R125 ABSとしてラインナップしてきたのだ。
YZF-R15には155cm3エンジン、YZF-R125には124cm3エンジンをそれぞれ搭載。一気に原付二種ロードスポーツの充実を図ってきた。
★ヤマハ ニュースリリースより (2023年9月21日)
YZF-R15 ABS」「YZF-R125 ABS」新発売
~「YZF-R1」で培った技術を反映、R-DNAを受け継ぐデザイン~
ヤマハ発動機株式会社は、軽二輪・原付二種クラスにそれぞれ、ロードスポーツモデルの新製品「YZF-R15 ABS」と「YZF-R125 ABS」を10月16日に発売します。
”YZF-R”シリーズのDNAを受け継ぐ「YZF-R15 ABS」「YZF-R125 ABS」は”Realize R Spirits”をコンセプトに開発。スーパースポーツのフラッグシップモデル「YZF-R1」で培った技術を織り込んだ走行性能と、次世代”YZF-Rシリーズ”を標榜するデザインを採用し、機能とスタイリングの両立を図りました。なお、「YZF-R15 ABS」は155cm3、「YZF-R125 ABS」は124cm3のエンジンを搭載しています。
- 名称
- YZF-R15 ABS/YZF-R125 ABS
- カラー
- ・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
・ダークブルーイッシュグレーメタリック9(ダークグレー)
・ブラックメタリック12(ブラック) - 発売日
- 2023年10月16日
- メーカー希望小売価格
- 550,000円(本体価格500,000円/消費税50,000円)/517,000円(本体価格470,000円/消費税47,000円
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
- 販売計画
- 2,000台/1,000台(年間、国内)
- ■製造事業者:PT.Yamaha Indonesia Motor Manufacturing. ■製造国:インドネシア ■輸入事業者:ヤマハ発動機株式会社
- 【企画の背景】
- 近年各社から変速ギア付きスポーツ車の投入があり、新しいライフスタイルの広がりも手伝って、国内の原付二種の変速ギア付モデルの出荷台数は2019年以降増加傾向にあります※。また20代を中心とするエントリーのお客さまも増えています。
一方当社の海外モデル「YZF-R15 ABS」「YZF-R125 ABS」は、欧州、インド、ASEANを中心にロングセラーとして人気があり、国内でもスポーティな走りを求めるお客さまから導入を望む声が寄せられています。
今回の2モデルは、こうしたニーズに呼応し、“Realize R Spirits”をコンセプトに日本仕様として開発した製品です。“YZF-Rシリーズ”のラインアップ充実とともにエントリー層がバイクライフを始めやすいカテゴリーの構築を図ります。
※当社調べ - 【「YZF-R15/YZF-R125」の主な特徴】
- 1) スポーティかつ街中でも扱いやすい
- ハイパフォーマンス型VVA(可変バルブ)搭載155cm3 エンジン(124cm3 エンジン)
- 優れたパワー、優れた最高速を照準に開発した155cm3(124cm3)の水冷SOHC・4バルブ・FIの新エンジンを搭載しました。低速向けと中高速向けのカム(吸気側)が7,400r/minで切り替わるVVAにより、全域で優れたトルク特性を発揮、良好な加速性能と加速感を得られます。
また「YZF-R1」などと同じ仕組みのアシスト&スリッパークラッチ※と、トラクションコントロールシステムを採用。加減速時にストレスのないシフト操作を実現し、快適な走行性をサポートします。さらに機敏で滑らかなシフトアップ操作を支援するクイックシフターをアクセサリー設定しています。
なおラジエターは、水温に応じて冷却水の循環経路を切り変える“バイパス式サーモスタット”方式とし、暖機時間が短く燃費性能に貢献します。
※「A&S」「アシスト&スリッパー」は株式会社エフ・シー・シーの登録商標 - 2) スポーティな走行性を支える剛性バランスに優れた軽量スリムな車体
- 軽さと強度剛性のバランスを図ったデルタボックス型フレームを採用しました。左右ピボットの軸間を209mmとワイドにし強化部材を織り込むことで、優れた走行性を支えています。
また、CdA値※0.293 を達成し優れた高速安定性を実現するフロントカウルやMotoGPマシン「YZR-M1」スタイルのバブルスクリーンに、強度剛性バランスに長けたインナーチューブ径37mmの倒立式フロントサスペンションを採用しています。その他、軽量化とマス集中に貢献する軽量アルミ製リアアーム、ワイドなリアタイヤ(140/70-17)、さらに伏せ気味なポジションのセパレートハンドルなどとの組み合わせにより、軽快でスポーティなハンドリングを実現しています。
※Cd値(車両の持つ空気抵抗係数)にA(前面投影面積)を乗じた係数で、数値が低いほど空気抵抗をうけにくく、最高速に有利となる - 3) マルチファンクションLCD メーターなど、所有感や安心感を満たす機能・装備
- 4) “YZF-R シリーズ”のDNA を受け継ぐスタイリング
- ホリゾンタルラインを基軸とするシルエット、空力性能に優れたエアマネージメントカウル、M 字ダクトや2眼ポジションランプなど、一目で“YZF-R シリーズ”であることを認識できるスタイリングを継承しました。また肉抜き加工したトップブリッジは、「YZR-M1」イメージを再現しています。
メーターは、マルチファンクションLCDメーターを採用しました。バーグラフ式タコメーターなどの各種情報の表示パターンやレイアウトは、「YZF-R1」のメーターのイメージに合わせて、スーパースポーツらしさを演出。表示画面は、市街地走行に必要な情報を優先的に表示する「Street Mode」と、トラック走行で求められる情報に絞り込んだ「Track Mode」から選択できます。画面の切り替えはハンドル右側の手元「Trip/Info」ボタンで行います。
さらにハイ・ローをひとつのLEDで切り替えるバイ・ファンクションLEDヘッドランプを搭載。明るく、照射範囲が広く、ムラが少ないので夜間走行の負担を軽減します。
主要諸元
車名型式 | 8BJ-RE4586J〈8BJ-RG86J〉 | |
---|---|---|
YZF-R15 ABS〈YZF-R15〉 | ||
発売日 | 2023年10月16日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.990×0.725×1.135〈2.030×725×1.135〉 | |
軸距(m) | 1.325 | |
最低地上高(m) | 0.170 | |
シート高(m) | 0.815 | |
車両重量(kg) | 141 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 65.7(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
50.2〈49.4〉(WMTCモード値 クラス3、サブクラス2-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | – | |
G34UE〈E34LE〉水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 155〈124〉 | |
内径×行程(mm) | 58.0×52.0〈52.0×58.7〉 | |
圧縮比 | 11.6〈11.2〉 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 14kW[19PS]〈11kW[15PS]〉/10,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 14[1.4]/7,500〈12[1.2]/8,000〉 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 1.05 | |
燃料タンク容量(L) | 11 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.833 |
2速 | 1.875 | |
3速 | 1.363 | |
4速 | 1.142 | |
5速 | 0.956 | |
6速 | 0.840 | |
変速比 | 3.041/3.428〈3.041/3.714〉 | |
キャスター(度) | 25°30′ | |
トレール(mm) | 88 | |
タイヤサイズ | 前 | 100/80-17M/C 52P |
後 | 140/70-17M/C 66S | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。