MiniGPは、これまで関東中心の開催だったため、関西勢への配慮もあり、第4戦が三重県の鈴鹿南コースで開催された。酷暑となり、容赦のない陽射しが降り注ぐ中で、フリー走行、予選、決勝が行われた。
2回のフリー走行を終え、予選1でトップタイムは#4国立和玖、2番手に#10富樫虎太郎、3番手に#7吉原寅之介が続いた。予選2は、#4國立、#10富樫、#15松山遥希の順となった。
レース1決勝は#7吉原がホールショットを奪う。それを#4国立、#10富樫、#15松山、#2土井陽希、#8知識隼和が追った。ヘアピンで#4国立と#10富樫が#7吉原を交わす。オープニングラップは#4国立、#10富樫、#7吉原、#15松山で通過した。
#4国立が首位に立ちレースをリードする。その後方、#10富樫が僅差で続く。#15松山は#7吉原をパスして3番手に浮上するが、トップ争いの2台との差があり、#7吉原との3番手争いを繰り広げた。
レース終盤になると #10富樫が#4国立をかわしトップに立つとスパート。#4国立を引き離し優勝のチェッカーフラッグを受けた。#4国立は悔しい2位。3番手争いの#15松山 と#7吉原が最終ラップの最終コーナーで接触転倒してしまう。5番手を走行していた#2土井が3位となり表彰台に登った。
レース2決勝は#4国立がホールショットを奪う。#15松山、#10富樫、#7吉原、#8知識、#2土井が続いた。3コーナーで#15松山が#4国立をかわしてトップに立つが、2周目の1コーナーで#4国立がトップを奪い返す。3周目には#10富樫が#15松山をかわして2番手に浮上する。トップ争いは#4国立、#10富樫、#15松山の3台に絞られた。
その後#15松山 が一気にトップに立ち、2番手に#10富樫、3番手に#4国立。16周目に#10富樫が#15松山をかわしてトップに立つと、#4国立も#15松山の前に出た。だが、その直後に転倒してしまう。このアクシデントで#10富樫と#15松山の差が広がり、#10富樫が優勝。#15松山が2位となり、3位には#7吉原が入り初表彰台を獲得した。#10富樫は今シーズン3度目のダブルウィンを達成した。最終戦は#10富樫のホームコースでもある桶川スポーツランドで開催される。
ランキングトップの富樫は「初めてのコースなので緊張しました。それでも、考えて極めて行くことが出来たと思うので嬉しい。最終戦もしっかり走ってチャンピオンを狙います」と語った。ランキング2位の国立は「悔しいレースになったので、この経験を生かして、スペインに行くことが出来るようにしたい」と誓った。ランキング3位の松山は「最終戦はリベンジして、勝ってシーズンを締めくくりたい」と語った。
今季から参戦を開始した富樫の快進撃が続いている。昨年ランキング2位の松山、3位の国立は、今年のタイトル獲得を誓ってのシーズンインだった。悔しさを抱えながらもアドバイザー長島哲太の「自分の武器を磨け、相手の得意なところで勝負しても勝てない。自分のどこが秀でているのか考えるんだ。ふたりとも速さはある。何を武器にするかだ」との言葉に真剣に耳を傾けていた。今回、初表彰台を獲得した土井も吉原も「次は実力で表彰台に登る」と誓った。
国立を友人たちが応援に駆け付け、アイドルの応援グッズの定番である手作り団扇を振って、コースサイドで声援を送っていた。国立は、前戦ではダブルウィンを飾っていただけに、ここでも、勝利を狙ったが2位&リタイヤで、口数は少なかった。それでも、友人の応援は「嬉しかった」と感謝していた。
今大会はポケバイ エキシビションも行われ、ポケバイライダーも集合、初の鈴鹿南コースを体験していた。大治郎カップにも参戦している高橋慶志郎と田中楓人が激しいトップ争いを繰り広げて僅差で田中が勝利した。ポケバイ代表ライダーがMiniGPを主催する中込代表に「このような機会を与えてもらえて感謝します」と謝辞を述べ、ポケバイライダーたちが「ありがとうございます」と声を上げた。
昼休みにはOHVALE試乗体験も開かれ、ポケバイライダーたちが順番を待つ大盛況だった。先導者の藤井謙汰の後に次いで、コースを数周するだけだが、子供たちは違和感なく乗りこなして楽しんでいた。電動バイク体験、親子でちびっこバイク体験などか開かれ、夏休みの休日を子供たちは満喫していた。
※今回のご褒美はレース1で表彰台に登った3人には、鈴鹿で有名なお肉屋さんの食事券3万円分。レース2は、鈴鹿8耐の招待券と宿泊券、チケットは、クーラーの聞いた部屋に入れるという最高のギフト。鈴鹿8耐では、ピットウォークで長島選手にサインをもらう子供たちの姿がTVモニターに大写しにされていた。
FIM MiniGP
『FIM MiniGP』とは、10歳~14歳までのヤングライダーを対象に世界各地で開催され、マシンや競技規則、技術規則などを統一することで、世界中のヤングライダーたちに平等なプラットフォームを提供し、スキルアップとチャンスを与えることを目的としています。FIM MiniGP JAPAN Seriesは、5大会10戦に渡って行なわれるシリーズ戦。 年間ランキング上位の選手には、『MiniGP World Final』に参加する権利が与えられ、MiniGP World Finalの勝者には、次のステップとなる『Road to MotoGP』のプログラム選考会参加または、直接の参戦が提供されます。
(レポート:佐藤洋美)